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「アルスラーン戦記」、駆り立てるのは野心と欲望、横たわるのは犬と豚


アルスラーン戦記(2) (少年マガジンコミックス)

「アルスラーン戦記」2巻が発売されました。
1巻では無敵を誇った強国パスルにルシタニアが進行してきて、アトロパテネという場所で迎え撃つパスルが敗退して、主人公である王子アルスラーンと騎士ダリューンがナルサスという男の元へ逃げるというのが1巻まで。

まあ、息もつかせぬ展開とテンポの良さで凄く面白かったわけです。
んで、このナルサスという男。
もともと宮廷の書記官だったらしく今では追放されてしまったようである。

おそらくナルサスこそ、1話でダリューンが述べていた「登用していただきたい我が友人」なのでしょう。

アルスラーンが即位したらナルサスを登用して欲しいと述べていましたが、アンドラゴラスがこの先も何十年も君臨し、ダリューンの友人にはしばらく会えそうもないと笑っていましたが、国のピンチではからずも出会い、ナルサスを登用するという、ね。

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ナルサスいいキャラやね

何よりも、ナルサスを勧誘するシーンがね。いいんだ。

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ナルサスを勧誘

「ナルサス卿、おぬしを宮廷画家としてむかえよう」

ビックリ仰天である。

何がって、ナルサスというのは芸術とやらを延々と語るんですけど、その絵が色んな意味で超ド級だからである。

作中で実際にナルサスが描いた絵画は読者には見えないように描かれているんですが、ナルサスの絵画を見たアルスラーンの「絵?」という表情としばらく放心状態になったところから察するに超下手くそだというのは容易に想像がつきます。

そんな絵画を描く男を宮廷画家に迎える。
第5章のサブタイトル通り「君主の度量」が伺えます。

何よりも、アルスラーンの表情というか目力よ。

今までの頼りない王子の顔が一変して、まあかっこいい表情で勧誘するじゃありませんか。まさに男の顔、君主の顔、王の器有りで候。こ、これが覇王色の覇気ならぬ覇王色の表情?

2巻、特に5章「君主の度量」は、顔芸漫画といってもいいぐらいのリアクションが物語を描くってもの。

私は原作未読なんで、原作の小説がどう書かれてたは知らないんですけど、コミカライズ版は素晴らしい顔芸もとい「見せない」で物語を転がすなって。アルスラーンの表情で語るナルサスの絵画に始まり、ナルサスの見せない顔芸が芸術の域にすらあります。

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あえて表情を描きません

ダリューンに「下手な絵を描きちらして」と言われて「…」とおそらく怒っているだろう表情、貴族どもの不正を是正する為に改革案を出したけど「受け入れてもらえなかったよ」とおそらく物憂げに寂しい表情…。

この時のナルサスの顔が絶妙に髪の毛で隠して敢えて見せません。故に、アルスラーンの宮殿画家として招き入れる事を提案された時のナルサスのポカーンとした表情が味わい深いったらありゃしない。

んで、極めつけはちょっと間を置いた天を仰ぐナルサスである。


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天を仰ぐナルサス

宮廷画家と誘われて、ポカーンとした後に、この手の平で顔を覆うリアクション芸。またもナルサスの表情を敢えて見せないというね。

「気に入ったなかなかどうして…」口元は笑っているのですけど目が隠れて見えない。このナルサスのあえて見せない表情が芸術の域ですらありました。

んで、2巻ではパルスの王都エクバターナがルシタニア軍に包囲され攻められ陥落する…という内容なんですけど、その様子がなかなかどうしてよ。

万騎長シャプールの勇者と呼ぶに相応しい魂の叫びから始まり、攻めるルシタニア軍と守るパルス軍を描いていく。冷酷に、残酷に、無慈悲に…。さすが荒川先生というべきか、ハガレンのイシュヴァール戦よりもゾクゾクとさせられます。

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ゾクゾクさせられました

特に2巻136~137ページの見開き。
死にゆく万騎長ガルシャースフの最期である。

ポッと出のキャラなので特に感情移入しない。もっといえば、この王都エクバターナが陥落ちるまで、戦争描写に関してはほとんど人間ドラマなど描かず淡々と王都エクバターナが終わる事実のみの描写である。冷徹なタッチで戦場そのものに調理した荒川先生。

エクバターナが陥落したという歴史の1ページをサラッと描いてみせたわけ。

ゾクゾクしますね。

そんな中でも、万騎長ガルシャースフの最期がね、良いわけ。

まったく感情移入もしないし、こいつは取り囲まれてるのに「城門を開いて討って出るべきた」とか奴隷を10人殺してかわりに千人の謀反人を生むような脳筋野郎である。

まあ、特にドラマも無く殺されたわけだけど、最期に手を伸ばし、その先がパルスの旗が降ろされルシタニアの旗に変わる様なのが哀愁漂って胸が熱くなるじゃないですか。

ところでパルスが攻められている時に登場したギーヴという色男はなかなか良いキャラしてますね。良い性格もしています。

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ギーヴ

「私めが不思議でならぬのは世の女性たちがいかに『王子』という言葉に弱いか…でございます。どれほど誠実な恋人がいても女はそれを捨てて王子と称する得体の知れぬ流浪の者に身を寄せてしまう…。まこと浮薄なる女には浮薄なる夢がふさわしいようでございます」

シレッと凄い事を抜かす男であるが、そこに内包された真理がある(と思う)。

つまるところ肩書きにコロッと騙されたり、崇めるだけでなく、中身を見ろよ的な事である。

さらに「やれやれ…どこかにまともな王はおらぬものかね」という心情。ギーヴは、アルスラーン王子と出会ったらどうするのであろうか。「王子」という肩書だけでないし中身もあると思うので、味方か敵で出会うか知りませんけど、どういう反応するのか楽しみである。

あと読み返すレベルで唸るのは第十章「囚われの王妃」ね。
タハミーネ王妃がいかに魔性の女かという説明されるんですけど、タハミーネってバダフシャーン公国の出身で、パルスの敵国だったそうな。

へぇ、これは驚きですね。

そうすっと、ルシタニア軍に包囲された時にパルス軍の士気が低いように見えるのは、単にビビってただけでなく、王族と関係ない敵国だった女を担いで戦う事態だったからなのかもしれませんね。

非常に続きが気になるしテンポ良くサクサク進むので最高に面白い。

だが一つ、個人的に言わせて頂くと…女の子が少なすぎる。もうこれは私にとって死活問題ですよ。せっかくペロペロできそうな娘が登場して顔を拝んだらその1ページ後に縊り殺されるってなんなの?

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この娘にペロペロしようと決めたのに

唖然…。
野郎ばっかで花が欲しいと思ってたら、絶世ではないにしても美人だった名も知らぬ彼女、よーしパパこの娘にペロペロしちゃぞっと思ったら、速攻で「Nice boat」である。

だからでしょうか。
もうかなりいい歳こいたおばさんなはずなのに、タハミーネ王妃にペロペロしてしまうのは仕方ない。仕方ないよー!

だってもう飢餓状態なんだもん。

いい歳こいたおばさんのくせに素晴らしい格好なんだもん。故に、ルシタニア国王イノケンティス七世に無駄に共感してしまいました。

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イノケンティス七世

もうイノケンティス七世とシンクロ率400%を超えてしまった

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