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「無限の住人」堂々の完結、最高のNEO時代劇であった


無限の住人(30) <完> (アフタヌーンKC)

「無限の住人」30巻が発売されました。
NEO時代劇、これにて最終巻である。

連載19年の作品が堂々の完結というのは感慨深いものがあります。思い返せば僕が小学生の頃から連載しているんですよね。子供の頃から読んでた漫画が終わるというのはどこか儚い気持ちになります。そして感無量である。

最終章、それはクソ盛り上がったものです。

ぶっちゃけ「不死解明編」のあまりの話の進まなさに何度となく憤慨したものです。

しかし、最終章の盛り上がりはどうですか!最高であった。

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ぐう燃える展開の連続!

ラストの様々なバトルはどれも熱かったけど、最も括目すべきは天津影久VS吐鉤群のタイマン決闘だろう。

1

天津影久VS吐鉤群

この2人の対決…ヤバイ!

脳から汁がピュッピュッと飛び出す面白さです。
ここに至る2人の背景が凄い。

不死解明の実験が失敗に終わった吐鉤群は江戸城を混乱させた罪を問われ切腹をする事に。

残された期間で逸刀流を壊滅させる事を決意し、六鬼団を結成し最期の闘いに出る。

このラストバトルに参戦する事を決意する流れが熱すぎる。政府と逸刀流の間で江戸払いで決着という約束が交わされ、期限に間に合わず吐は諦めようとしたが、妻と息子はそれを許さなかった

索太朗
「索は父上にたくさん謝らなければならない事があります。一番謝らなければいけないのは、索には父上のような剣の才能がなかった事です索は悩みました。どうすれば剣の才能が無くても父上の子として誇りを持って生きられるのか…」
志摩
「あなた、私は吐鉤群の妻としての役目を全うします。あなたも最期まで吐鉤群であることを全うして下さいませ」

そして自害
妻と息子を英に人質に取られていた吐であるが、愛する者2人が目の前で自害して完全に吹っ切れたのだ。今まで、いかにもな悪の親玉として描かれていた吐に初めて感情移入した。目頭が熱くなる。この男、もう後戻りできない!

2

吐鉤群

今まで、悪の親玉で完全に嫌な奴で敵として描かれてきたきた吐である。

しかし、最期の闘いに赴く事を決意する流れは完全に主人公してました

大切な者を目の前で失った、されど吐鉤群らしく生きる。敵は常陸に有り!絶対に負けられない戦いがそこにある。

一方の逸刀流統主・天津影久。

この男は完全に主人公していました。

4

完全に主人公してました

仲間が滅び天津1人で船で逃げる事も出来たけど、わざわざ決戦の地に赴いた。

逸刀流はなりふり構わず逃げるつもりであったが、仲間を失いやり残した事が出来た。「吐鉤群、貴様だけは今日殺していく!」と。

天津影久対吐鉤群、この闘い熱すぎでした。
最初の斬り合いがまず熱い。お互い一言も喋ってないのに、剣を交えてるだけなのに会話を交わしている

5

斬り合いながら会話を交わす

2人が出会った時の事、お互いが相容れない事を改めて示す会話。

クソ熱い流れである。ほぼ互角、やや吐優勢な状況に変化が起きる。

吐は万次と交えた時の右目瞼の血が垂れてくる。その隙を逃さず天津は斬りかかり吐は両目を失う。その攻防で天津の右手の小指を斬り落とす…むっはー!なんという闘いなんや!

英に邪魔され、お互い大事な人を失い決着戦へ。
しかし、燎と槇絵が死ぬのは予想外すぎでした。最終決戦はもったいないお化けが出る程、重要人物がバンバン死んでいきます。

それぞれの死に様が強烈に印象に残る。

で、天津と吐の決着も強烈でした。

6
決着

吐の無念を画に描いたような死に様であった。

絶命する時、「志摩、索太朗、香、燎」と家族の名を思い空を見つめる表情がグッとくる。なんとも魅力的なキャラでした。

そも「無限の住人」のキャラは皆魅力溢れていました。

六鬼団も逸刀流も無骸流もみんなキャラ立ちまくっていました。

惚れ惚れするような漢から、妙に人間臭い奴、頭のネジが3本くらいぶっ飛んだド変態まで、登場人物の多彩さには唸らされまくる。そんな中でも天津と吐は個人的に一番のお気に入り。天津は本当にナイス主人公であった。

え?主人公って天津じゃなくて万次さんなの?

7

主人公、万次さん

吐との死合で満身創痍でボロボロの天津にごっつぁんゴールを決めた万次さんである。汚い!汚いよ万次さん!

さっきの荒篠戦も完全に負けてたのに、凛の助けでギリギリ勝利したのも情けなさと汚さ全開でしたけど、天津にごっつぁん斬りとは。まあ不死ゆえに、程よい「弱さ」が万次さんに魅力といえば魅力ですけど。最終戦は完全に空気になっていた感は否めない。

天津は最後に万次さんにごっつぁんゴールを決められ、凛にトドメを刺されてしまった

とはいえ、凛が復讐を果たしたのは理解できる。これは殺されるのは仕方がない。だって天津は最後にこんな事を言っていた。

「我々は逃げて逃げて辿りついた地で町を作り子を育て…その子らに剣を伝え、やがて脅威そのものになる」(191幕)

「何年、何十年かかろうが、私か―私の子孫は必ずこの国に帰って来る。再び、この国に武の脅威を運んでくるぞ」(204幕)

己が野心を未来に、子孫に託す。
それは以前、天津自らが最も愚かな事であると述べていた。

8

以前の天津

「本来、男が夢だの野望だのを口にするからには、自身一代―本人のみの代で完遂する覚悟を当然持ってしかるべきもの。子に託せばいいなどとは沙汰の限り。それは最初から己の器量に余る夢であったのだと省みるべきでしょう」(105幕)

百琳と天津が飯屋で出会った時のこと。

親の夢だの野望を子供に押しつけるという話を聞いて天津は、もっての他であると言いきっていました。

それが、最終決戦では自分の祖父と同じように野望を子孫に託そうとしていた。だから凛は天津を殺した。「この男を生かしておいてはならない」、「(復讐や恨みを)次の世代に持ち越す事だけは絶対にやってはいけない事」と。とはいえこの時、天津は親と子の絆も語ってもいた。
親の「想い」はどうしたって受け継がれる。
205幕において百琳は当時の天津との酒盛りを思い出しながら、凛に以下のように述べてました。

9

親の思いは呪いじゃない

「親の恨みつらみを引きずるのは困りモンだけど、親の『想い』ってのはさ、受け継がれる時はどうしたって受け継がれちまうモンなんじゃないかねえ。親と子が繋がってんのは確かなんだし。親の想いは呪いじゃないんだからさ」

凛も「そうか…うん、そうかも知れませんね」と納得していた。

「ワンピース」風に言えば、受け継がれる意志ってやつである。何も、親から子に託すものは復讐や仇討だけではない、と。

(続くぞい)

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