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「外天楼」凄い漫画すぎて鳥肌立った件

外天楼 (講談社コミックス)

凄い漫画だ…

石黒正数先生の「外天楼」が発売されました。

石黒先生の短編やショート作品は「ネムルバカ」や「響子と父さん」を筆頭に非常に面白いし評価が高かったのですが、この「外天楼」は僕の中で別格の位置づけの作品ですよ。

裏表紙の説明は以下のようなもの。

外天楼と呼ばれる建物にまつわるヘンな人々。エロ本を探す少年がいて、宇宙刑事がいてロボットがいて、殺人事件が起こって…?

最初は石黒正数先生らしい日常と”少し不思議”なSFチックな話が融合した短編かと思ったらとんでもない!

日常のギャグ連作かと思ってたら一気にひっくり返されました。

終盤の怒涛の展開にパズルがスパスパ嵌るように繋がり読後には鳥肌が立ちまくりってもの。これは超傑作ですよ。極上のミステリーですよ。ただただ圧巻するばかりでした。読後の切なさがなんとも。

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とにかく凄いの一言!

最初は本当にたわいもない日常のバカ話を無理やり推理するという構成のショート漫画に思えるんですよ。

エロ本を買いに行く少年3人が買えずゴミ捨て場でエロ本を漁るのを姉に目撃され、捨てられたエロ本の経緯を推理するなどしょーもない話。

5

第1話「リサイクル」

しょうもない話だった1話が後に壮大な伏線のパーツだったなんて。

連続して全ての話が繋がった時の衝撃は言葉もありません。これ掲載されたの2008年らしいんですけど、石黒先生は3年も回収までに費やして半端ないな。

1冊を通した連続性による物語の完成度はとにかく凄いです。

3話「罪悪」の主人公の女の子や4話「面倒な館」で死んでたおっさんが、後に物語にぽて重要な枠割であった時の衝撃は言葉もありません。

2話「宇宙刑事ディテクト」では、ミステリーの体裁を取って良質なコメディに仕立てて個別でも十分面白いんですけど、女記者とディテクトのやり取りがそのままラストの芹沢とアリオのやり取りに直結してたり、何度か読み返すと「お!」という発見があってマーベラス極まり。


6

女記者とのやり取り

このやり取り、まんまラストの芹沢とアリオじゃないか。

1話でも一つもエピソードとして十分面白いんですけど、それが全て伏線として最後に収束しているとか1冊の漫画として恐ろしい完成度を見せつけられました。

何度も読み返してその度に発見があるというのは本当に良いですね。

小ネタも満載で、2話で取り調べしてる刑事が後半重要人物として出たり、3話で芹沢と一緒にいる研究員が後の討論会に参加してる河森学だったり。連続性の面白さだけでなく1話1話でも短編として凄く奇妙で面白い、そして切ないですよ。いやはや凄い漫画です。

後はスターシステムでファンなら思わずニヤリとする演出がそこかしこに。

エロ本「テラエロス」は「それ町」で真田が持ってたエロ本だったり、2話の悪魔騎士団参謀・ミルダは短編集の「デーモンナイツ」に登場してたり…。そして一番衝撃なのは芹沢ですよ。「それ町」でサイト作る授業してた芹沢先生が超重要人物で登場してとんでもない奴だったり…。


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芹沢先生 / 芹沢博士

もう「それ町」の芹沢先生をまともに見れなくなってしまうほど、スターシステムで登場した芹沢博士が強烈すぎました。小ネタなどで笑わせつつ、全体の印象は「重い」「切ない」という要素が強く、読後にはしばらく放心状態になってしまいました。凄い漫画でした

作品が完成されまくっており素晴らしいの一言ですけど、若干は読者に妄想させる余地も残されていて考えさせられます。鬼口のダイイングメッセージなど、その最もたるものです。

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鬼口のダイイングメッセージ

「ミト」とも「ミート」とも取れる謎のメッセージ。

5話「フェアリー殺人事件」では、このダイイングメッセージに関連するポイント制で犯人にするというテンション高いギャグ回でしたが、結局このダイイングメッセージは何だったのか

アリオが書いたものじゃなかったし、キリエが書いたのか。

それとも鬼口は孫の名前でも思い浮かべて逝ったのか…。他にもアリオと桜場が対峙した時に「やることがある」と警察署への同行を拒否するんですけど、やることとは何だったのか。自分とキリエの資料を燃やす事かそれとも…。

何よりキリエが結局何を考えていたのか。
アリオが酔っぱらって帰ってきた時にはちょっと顔が崩れて停止しかかってましたが、ラストではもっとボロボロになるまで動いていたし。なんで自分でアイス食わなかったのか、死のうとしてたのか。色々と考えさせられます


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キリエ動けたんじゃねっていう

夜にアイス食って朝にまた食わすって事は大体6時間単位で食ってたんでしょうか。

ラストはアイスをあえて食わなかったのかもう無かったのか。

また気になる点といえば桜場刑事

彼女の死に様。作中で人が殺されると凄い血が流れていたのが印象的で表紙の作者名やタイトルも血を連想するように赤文字が使われているのに、諸葉がロボットを刺した時と同様に血がほとんど流れてなかった点。


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ザキン

刺されて「ザキン」っていう擬音。

「ドスン」じゃなくて「ザキン」って、まるで金属音のような擬音ですね。首元刺されたのに、他の人間の死と違って全然血が流れてなかったし。桜場もロボットだったのでしょうか。彼女は完全に人間そのものだったけど。

いやー、しかしリアルな出来事とリンクして色々と考えさせられるテーマてんこ盛りでありつつしっかりと短編として構成されており、1冊としての構成力は完璧という。本当に凄い漫画でした。超お勧め。

外天楼 (講談社コミックス)

講談社 (2013-09-30)

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