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『かくしごと』、久米田康治先生が「最初から狙ってました!」と言いそうな件

かくしごと(1) (月刊少年マガジンコミックス)
久米田康治先生の『かくしごと』1巻が発売されました。3ヵ月以上前に
『かくしごと』とは「描く仕事」(漫画家)を「隠し事」。
コミックの中にひとつの雑誌が入っているようなつくりになっているので、単行本で読んでいるのに中にひとつの雑誌があるかのようです。

1号「かくしごと」、2号「理由」、3号「その作品」、4号「ひめごと」、5号「新担当」、6号「かくしごと その2」、7号「ねがいごと」、8号「たのみごと」、9号「なやみごと」、10号「こまりごと」、11号「たずねびと」、12号「衰餃子」、13号「ココ 1番感」、14・15号「海街害アリー」、16号「虫のやらせ」、17号「至高停止」、18号「ビーサンとB4」、19号「おさないかけないしゃべらな い」、20号「おかないかかないしあげない」、21号「まがいもの」、22号「ばったもの」、23号「破防来訪者」、24号「かけごと(RUN)」、25 号「筋描時」、26号「漫画の友情と筋肉」、27号「アイドルをさらせ」、28号「ならいごと」、29号「そうだんごと」、30号「まつりごと」

…1巻収録作品は以上です。

まあ実質月刊の5話なんですけどね。

1号は数ページごとのショートショートで、実質1話の中に5号分が数ページ収録されている仕様です。一応月刊連載の時に個別で感想を書いているので、参考にしてください。

いやー、しかしコミックでまとめて読むとまた違った味わい深さがあります。
久米田先生の実体験からなる漫画家マンガ。ギャグ漫画でりながら父娘のホームコメディが軸にあり、姫ちゃんにホロリとさせられます。
6
姫ちゃん
姫ちゃんは可愛いなぁ…。

実質1話のラストで父娘のやり取りがあるんですけど、まあグッとくるというか胸が温かくなる家族愛をテーマに描くわけです。

怒涛のギャグの後に、あたたかい父娘のエピソードを読むわけですから、仮にギャグがすべったとしても毎度「いい話だったなー」っていうハッピーな感想になるわけです。

てか、久米田先生って基本ギャグ漫画家じゃないですか(基本どころか全身全霊で)。でも最後にちゃぶ台ひっくり返すじゃん。『行け!!南国アイスホッケー部』や『かってに改蔵』はラストに作品のカラーを塗りかえちゃったりして驚愕したものです。

しかもラストに急激にやるもんだから。
突然「実はこうだったんです!」とやられても、「えぇ!?」ってなることうけ合い。それを踏まえたのか『さよなら絶望先生』は後から読み返すと唸るぐらいに最終回への伏線が散りばめられてて、尚且つ驚愕することの連続でした。

ちなみに最終巻で久米田先生は伏線込みで芸術的に〆たラストを以下のように述べておられました。
よ くみんなに聞かれます。「このオチは最初から考えていたのですか?」と。愚問です。この質問は愚問です。サッカー選手へのインタビューで、当り損ないやパ スミスでたまたま入ってしまったゴールに対して「あのシュートは狙ってたんですか?」の質問に、ストライカーだったらこう答えるはずです。「最初から狙ってました!」と…。いや…これじゃ狙ってなかったみたいじゃないですか?一応本当に最初から考えていたんで。
まさにゴールを狙ってシュートを見事叩き込んだわけです。

でだ。今作『かくしごと』はまさにソレなんです。
久米田先生絶対に最初から狙ってます!綺麗なゴールを!

2
着地点を狙ってますねコレ
1巻の最初と最後に収録されてるカラーの意味深な描写。
本編の作中では、姫ちゃんは小学生ですけど、この描写では18歳でセーラー服を着ており高校3年生であることが伺えます。
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華麗なるゴールを決めるだろう

時間軸上では本編から未来の話を描いてるわけです。
1巻にして、既にどうコールを決めてやろうかって狙っている感じがヒシヒシと伝わってきます。

「ここに私を知らないあの人がいる」(←何でお父さんって呼ばないの)
「隠し事は描く仕事でした」(←父が漫画家だったとバレる)

なんだこれ。
いきなり最終回はこうなりますよって言わんばかりの未来描写は…。
姫ちゃんが主人公・かくしが漫画家だったと18歳で知るわけです。
何が気になるったかって、かくしがいないことですよ!

3
かくしなんでおらんの?
「よく今まで隠し通せたよね」、「だって本人に知る気が無いんだもの」…って、何か意味深に語るこの2人はかくしのとこにいたアシスタントと担当です。

なんなんだよこの描写は!
姫ちゃんとかくしが暮らしてた中目黒の家は売りにかかってるし。
まるでさ、かくしがいなくなちゃった…天に召しちゃった後の後日談なんだけど!
え。まさか…かくし死んじゃうの?どーいうことだってばよ!

そもそも未来の姫ちゃんが鍵を開けた建物と本編の職場は別。
にも関わらず、姫ちゃんとかくしが暮らした家と間取りがまったく一緒とか。
しかも実家は「売家」となってるし…。

ここまでで、かくしは既にこの世におらず、姫ちゃんは18歳ではじめて父親がかくしていた「隠し事」である「描く仕事」(漫画家)を知る様子であります。なんか悲しい未来なんだけど…。

そもそもだよ!
かくしの原稿が隠してある場所。プロローグの姫ちゃんの電車シーンで駅名見るとさ、「しちりがはま」(七里ヶ浜)って見えんだけど。鎌倉だよ!

ちょっと2巻収録の話も語っちゃうんだけどさ。
実質9話では、当番制のネタで超意味深な描写が!

11
当番

アシスタントが原稿を隠しに行く当番をしています。
成長した姫ちゃんがかくしの秘密を知ってしまった倉庫へ原稿などを置きに行ってるわけ。その倉庫には「パパ、ママ、ひめ」の当番表があるわけですよ。

おいおい!
その倉庫は本当にただの倉庫なのかと。

さらにだ。
実質7話では、本編で住んでるかくしの家が昔ながらの平屋だから自分の家が貧乏なのかなって感じちゃう姫ちゃんの話。実際に貧乏だということでなく、7年前にあえて古く作った逆に贅沢な新築で建てたことが発覚します。

12
あえて平屋を金かけて建てた

新築なんですよ7年前の
ウチの工務店が建てたんですけど
地主がわざわざ古い平屋の図面持ってきて
これと同じの建ててくれって
この土地だともっと容積率取れて大きな家建てられるんだけどね
もったいない
今の時代 逆に贅沢ですね

あえて古い平屋の図面を見せて中目黒に同じの建てるとか!
18歳姫ちゃんも「この間取り、中目黒のお家とまったく一緒だ」って気づきました。

さらにさらに!実質8話のラスト。
姫ちゃんに「(父娘は)すごく強い守護霊がついてて守ってくれてる」なんて言われたら、めっちゃ意味深な表情してたからね。霊とか信じないけどその守護霊は信じると。

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(母親?の守護霊)それは信じてみようかな

これさ。どー見てもあれですよね。
単純に読めば、7年前までは一家(3人)で鎌倉の七里ヶ浜の平屋に住んでたってことだよね。倉庫は昔住んでた家。かくしは、デビューしたての頃は町田にいたそうなのでなんで鎌倉で暮らしてたは謎です(鎌倉病か?)。そして姫ちゃんのお母さんは他界(の可能性高い)。その思い出を胸に、現在の目黒に引っ越してきたのかな。

・7年前まで鎌倉で家族3.人で暮らしてた
・7年前に中目黒に鎌倉と同じ家建てた
・いまは父娘一緒に守護霊に守られてます
・18歳の誕生日に倉庫(鎌倉の家)の鍵を手に入れた姫ちゃん
・8年後では中目黒の家は売家になってる(かくしも亡くなった?)

…って感じですかね。
さすが久米田先生である。

どー見ても最初からゴールを狙っています。
8年後に姫ちゃんがかくしの隠し事「描く仕事」を知るゴールをね。
いやそれすら布石の可能性だってある。なんたって作者はあの久米田先生なんだから!今後も期待。まる。

かくしごと(1) (KCデラックス 月刊少年マガジン)
久米田 康治
講談社 (2016-06-17)
久米田康治画集 悔画展

久米田康治画集 悔画展

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久米田 康治
講談社
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