バトル漫画ってライブ感が醍醐味だと思うんですよ。
WEB連載してる『キン肉マン』は毎週ライブ感覚で楽しんだほうがいい…そんな風に思ってた時期が俺にもありました。ライブ感覚でも楽しめるけど、コミックでまとまてじっくりと読むとまた違った赴きがあるのが『キン肉マン』なり。
コミック54巻は主に、テリーマンVSジャスティスマンの戦いが収録。
『キン肉マン』54巻
ジャスティスマンといえば、最初はラーメンマンのようなシルエットでラーメンマンと何か関係があるのかと読者に思わせておいて、実際はまったく関係ありませんでした。
ちょっとガッカリしたのも束の間、強豪・アシュラマンに完勝して「なんだこいつ強ぇ!?」とビックリ仰天させられたものです。
ジャスティスマン
圧倒的強者である。
「テリーマンVSジャスティスマン」の試合はテリーがどうやって勝つんだ?というぐらいの力の差がありました。勝敗予想をするならテリーマンに勝ち目無しなのでジャスティスマンの圧勝だろうと。
また、この試合はテリーマンの義足設定が飛び出しオールドファンにはたまらない内容となっております。ここで義足設定を描くとは…。
最初の超人オリンピックでキン骨マンぬ撃たれた左足が義足になったのです。その後すっかり描かれる事がなくなったのでゆで先生が忘れているか、治ったと思ったものです。
余談ですが、テリーマンの義足設定については『キン肉マン77の謎』の中で、「テリーマンの足って今でも義足なんですか?」という質問にゆでたまご先生はこのように解答しておられます。
義足がくっついて本当の足と同じように動いてます
と黄金マスク編ラストの完璧マスクの光によって治療されたということになっていました。
「Wikipedia」でもそのように断定されています。
ただし、その後のコメントで金銀パワーで両腕の復活と同時に左足も治った「かもしれません」と、曖昧に答えていました。
ですので、このテリーマンの義足エピソードは何もおかしくない。
なにも問題ない設定
義足がくっついて本物の足と同じように動かしてたわけです。ただし治ったかもしれないと断言はしてなかったので。だから完治はしてなかった。
それにしても初期の設定を上手に使いつつ、3年前にバックランド爺が亡くなっていたとホロリとさせる人情エピソードに仕上げる。何度も言うけど、今のゆでたまご先生は本当に凄い。全盛期ですよ。
そして、テリーマンの義足を狙わないジャスティスマン。
あくまでも狙うのは完璧なる圧勝。テリーマンはアシュラマンの技も出すなど死力を尽くしますが、ジャスティスマンは遥か格上でした。圧倒的な強さを見せつける。んで、試合はどうなったかというと…。
この試合お前の勝ちだ
↑サイコマン&読者
なんじゃそりゃ?
始祖の格を落とさずジャスティスマンを負けさせるにしても、この展開はねーだろって思ったものです。連載時は。しかし、コミックでまとめて改めて読み返すと、ジャスティスマンがダンベルを渡したことがスルリと納得できました。
肉体を犠牲にすることで魂を新たな次元に引き上げるひとつの永遠を見出したジャスティスマン。永遠の肉体とは違う形で永遠と続く魂の継承。テリーマンの義足設定を使った一連の流れに「うおおお!」と震え上がりましたね。
うむ。毎週ライブ感で読んでも面白い『キン肉マン』ですが、コミックでまとめてじっくり読むのも面白い。
何よりグッとくるのは将軍と2人で無言で頷きあうところ。
無言で頷き合う
2人ともかっけーな!おい!
これに対して怒りに震える視線とそれを真正面から受け止めるザマンとジャスティスマンの構図も良い。少年の心を持つおっさんが震えるほどヒートさせてくれる。この熱量がおっさんの心を何度も少年に戻すのだ。
ジャスティスマン、悪魔将軍、ザマン…始祖たちのカッコよさが色んな角度でうなぎ登りである。何よりもね!
サイコマン
どんどん面白さがうなぎ登りのサイコマンである。
ノリノリである。
なぜだろうか。
本来ならば「怖えぇー」となるはずなんですが、サイコマンだと変な笑いがこみ上げてくる。
すごいな!
ジャスティスマンがキャラを掘り下げていくにつれどんどん大物になっていくならば、サイコマンはキャラが浮き彫りになるにつれどんどん笑い増していく。もはや面白キャラですよ。
冴えわたりまくる顔芸を披露するサイコマン。ニャガ!
ブロッケンJrとの試合も正義超人のアレコレを話すシーンもシリアス一辺倒で緊迫したシーンなのにどうしても笑ってしまう。面白すぎるだろニャガさん。
そんなこんなで、ジャスティスマンの器の大きさやニャガさんの面白顔芸など見所満載の54巻でした。でも、シリバーマンの登場が全て掻っ攫っていった。
シルバーマン降臨。
何が素晴らしいってコスチュームですよ。キン肉族の戦闘スタイルですよ。その始祖であるシルバーマンの正装としてはこれ以上ないもの。ぐうかっこいい。
いまの『キン肉マン』は試合で魅せ、ストリーで読ませ、ニャガさんの顔芸で笑わせ、1枚絵で痺れさせる。現在進行形で伝説ですよ。本当に先が楽しみです。まる。
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