『MAJOR 2nd』ジャイロボールの功罪と阪神ファンにおける「アレ」が焦らして達成されて大満足な件！

 

女子中学生お着替え漫画として生きる伝説だった『MAJOR 2nd』であるが…悲しいかな。試合がはじまるとお着替えがまったく描かれないのである（そもそも野球漫画です）。

 

事実上の隔週連載なので最後にお着替えシーンがあったのは252話。リアルに3ヵ月前です。僕らサンデー読者の約8割にとっては天から太陽が消えたのと同義である。そして前回、ようやく試合が終わりました。

 

『MAJOR 2nd』カラーは水着か着替えを描くことに定評のあった満田先生ですが、今回は他のスポーツしてる女子部員でこれはこれで素晴らしかったです。何よりついに試合が終わった！次回アレが来る確率100％じゃないですか！期待しかない。

— 山田 (@yamakamu) June 14, 2023

 

期待に鼻の穴…じゃなくて膨らみます！

 

※うぇぶりなら『MAJOR 2nd』が基本無料で読めます。

 

258話「組み合わせ決定！」

エースナンバーだけは…絶対譲れないから！！

 

エッチな扉絵である。

 

睦子がトレーニングする扉絵で今回は約束された勝利の着替え回であると確信しましたね。睦子は冬でしっかり身体を作ったことが伺える。特にお胸がしっかり育ってます。タンクトップというのも良き。

 

睦子のお胸やピッチャーとしての成長をしっかり描きつつ、大吾とイチャイチャするのも良い。

睦子の成長

それにしても不思議なピッチングをされた…。結局、最後まで捉えきれなかったあの〝ボール〟は一体なんだ！？（258話）

 

県大会上位常連の研勇館を一方的にボコボコにした風林＆大尾チーム。そこで睦子がエースになってる秘密が触れられていました。球の速さは道塁ちゃんや仁科のが上でしょうが、睦子には特殊な球筋であることが触れられてる。

 

「あのボールは一体なんだ！？」と打てそうで打てないボールだったようです。睦子が投げる球は何か秘密がある。って、これと似たような展開を知ってる。初代『MAJOR』で見たことある。

 

ジャイロボールである。

 

まあ、睦子が投げる球がジャイロボールってことは無いでしょう。ジャイロボールは初代メジャーの功罪がギュギュっと詰まってますからね。

ジャイロボールの功罪

チャプター262（30巻1話）

眉村のストレートは、茂野のストレートに酷似している。おそらく、二人の投げてる球は、巷でジャイロボールよ呼ばれているストレートだ！！

このジャイロボールというのは、全身の回旋運動から、腕を自然にねじりながらボールをひねり出すことで、ボールがドリルのような回転をして、打者にむかっていくことになる。それにより、タテ回転では何度も縫い目で受けてしまう空気抵抗が、正面に縫い目の現れにくいジャイロ回転ではごくわずか。流体力学による実験でも、タテ回転とジャイロ回転では、空気抵抗値が50％も違うという結果が出ているそうだ

 

すっげー説得力を持ったジャイロボールの説明。作中で最初に名前を出したのは薬師寺で、吾郎は眉村と同じジャイロボーラーだと指摘して、草野が具体的にさもありなんあボールとして説明してくれました。

 

「ジャイロボール」というのは、スポーツ科学者の手塚一志氏（wiki）が提唱したもので、マイナーな名称でしたが、満田先生が色々と取材してか初代『MAJOR』でこれを取り入れて一気に漫画のタイトル通りメジャーな存在にしてしまったのである。

 

リアルのプロ野球…どころかMLBまで巻き込んだいわゆる「ジャイロ回転」論争である。松坂大輔が投げてるとかマリーンズの渡辺俊介が投げてるとか（パワプロには「ノビ」「キレ」と同じように「ジャイロボール」が特殊能力が加わり彼らは付いてた）。

 

冗談抜きで2000年代は「ジャイロボール」があるかないか、「○○選手はジャイロ」なんてオカルトみたいなのがマジのガチで展開されてたのである。リアル野球界を巻き込んで。それに終止符を打ったのが（おそらく）ダルビッシュ有である。

 

 

男ダルビッシュ有選手！

「ジャイロボールなんてない（笑）」とオカルト論争を堂々と否定する。

 

いわくカットボールが抜けた球がその物理理論で説明された風になってると。これにジャイロボール投げてたと言われてた松坂選手も同意して、ジャイロ論争に一定の終止符が打たれたのでした。

 

そして提唱したわけではありませんが「ジャイロボール」を有名にしてしまった初代『MAJOR』の作者である満田先生は、後にサンデー巻末コメントで（質問に答える形式）こう述べてる。

 

imgur

 

Q：今だから言える…！これまでついた一番大きな嘘は何ですか？

A：ジャイ●ボール

（サンデー2015年18号の巻末コメント）

 

作者自身も後に認めるオカルトで嘘だった「ジャイロボール」である。

 

初代『MAJOR』が超有名にして広めてしまった「ジャイロボールの功罪」ですよ！そんな事があるので睦子が投げてる打てないボールはジャイロでは無いでしょう。

 

とはいえ、オカルト軌道を超メジャーにした続編でもあるので、続けてオカルトロジックを提唱するのではないか？と謎のドキドキワクワクがあります。『MAJOR 2nd』は第二のジャイロボールを広める（かもしれない）。

 

アニータはそれでいいの？

イチャイチャする2人を微笑ましく見守るナインの図

 

睦子の何か秘密がある球筋で圧巻のピッチングをしました。それを素直に褒める大吾と睦子の試合後のキャッチボールという名のイチャイチャラブラブっぷりよ。

 

その様子を見るナインは完全にバカップルのやり取りを見るソレでした。

 

ここで気になったのはアニータです。シレッと「なんや、つき合いたてか。」と呟いていたのです。いや、そこはもっとバカップルっぷりに慌てるべきじゃねーの？と思ったり思わなかったり。

 

今まで付け入る隙ない2人やったけど、なんかチャンスかな～思うて…（223話）

 

 

アニータは気持ちを出して大吾LOVEだったよね。睦子と付き合ってると思ってたけど、そうでないし、付け入る隙あるんで奪ったるわ（事実上の告白宣言）してたよね。こんなイチャイチャラブラブっぷりを見せられたもうちょっと恋する乙女反応あってよかったんじゃないかなぁと。

 

まあ、冬をすっ飛ばして睦子と道塁ちゃんが苗字呼びだったのが、いつのまにかあだ名で呼び合う仲になってたりするので、もしかしたらアニータにも描かれて無いイベントがあったかもしれませんが…。とはいえ、満田先生は以前描いたことを忘れてしまうライブ感にも定評があります（褒めてます）。

 

 

アニータのこの反応は色んな想像ができてしまう。ラブコメ模様も要チェックやで！

野球漫画か？

今回のサブタイ「組み合わせ決定！」は、そのまんまで地区予選の組み合わせについて色々あった野球イベントでした。

 

ここにきて卜部やアンディの清和中をピックアップしたり、下調べ必要なんじゃないか派の大吾とそんなんいらんよの寿きゅん監督の意見の相違など、野球漫画としてスポーツ漫画として面白いんだけどさぁ。肝心の「キモ」「格」「メイン」が描かれないのである。

 

ようやく試合が終わって、サンデー読者の約8割が期待してたモノが描かれるって思うじゃん。おあずけ状だったわけじゃん。それなのに試合終わっても普通に野球漫画やってるの。

 

絶望した！お着替え漫画（野球漫画です）が野球イベントやってることに絶望した！

 

からの～？

もう今回も「アレ」は無いな…と読者も諦めの境地になったところでやってのけたです。

「アレ」はあったのだ！

アレ

 

感無量である！！

 

サンデー読者の約8割が期待してた「アレ」。練習試合が始まって、こりゃしばらくお預けだなと察した「アレ」。前回ようやく試合が終わって次こそ「アレ」だろと期待させておいて、まったく「アレ」にならない展開。

 

よーく考えてみてください。ここまで徹底した着替え禁止令が布かれると、余計に見たくなってしまうのが人間ってもんです。ゆえにその満たされぬ読者の魂は、ずっと溜まり続ける一方です。

 

長い試合でもう暴発寸前。このままではダム崩壊必死です。

 

そんな状態がピークに達した時期を見計らって着替えシーンを解禁する「焦らし作戦」をやってのけたのです。やっと試合が終わったと思ったら、一向に着替えシーンを出さず、最後の最後にぶっ込んでくる。

 

この作戦は見事にハマった。「アレ」とは具体的に優勝と出したくない岡田監督率いる阪神優勝の例えでなく、『MAJOR 2nd』の着替えシーンだったのだ。

 

それを踏まえて今回は神すぎる。「うわー！試合終わったのに着替えなしなのかよ！」とガッカリしながら読んだ最後の終盤に、焦らし作戦の集大成のようにぶっ込んできたわけです。阪神ファンにおける、「アレ」そのものと同義なんです。

 

過去最高の着替えシーンでした（感動）。

 

『MAJOR 2nd』が無料で読める

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