マリー
「だから…今日は…今回は…」
「…ねぇ楽様、やっぱり私ではダメですか?」
「私…楽様のこと一生大切にします。一生愛し続けます」
「何があっても裏切りません…だから…どうか…」
楽
(橘…本当に覚悟を決めて)
(いや違う橘はいつだって真剣だったんだ)
(オレの方が…その気持にからずっと目を背けてた)
(この関係を失うのが嫌で…ずっとずっと逃げていた)
(もう橘に嘘はつきたくない、だからこそ―)
「橘、オレ…」
「オレは…小野寺が好きなんだ」
「橘は…友達だから」
「そう友達だ。それがオレの答えなんだ」
「お前は大切な友達だ」
「今も…これからもずっと…だから…」
「だから橘、オレはお前とは付き合えない」
マリー
(…友…達…それが楽様の…)
(ずっと聞くのが怖かった。でも本当は聞きたかった)
(そして…今―)
「はい!ありがとうございます!」
楽
「いや…素直に礼を言われると心苦しくあるんだが…」
マリー
「いえいえ私は本当に嬉しかったんですよ?」
「楽様から直接聞けて本当に嬉しかったんです」
楽
「そうか。その、今後も友達としてよろしくな?」
マリー
「ダメなんです。私一緒にはいられません」
楽
「…え?」
「なっ…何がダメだ!?何か問題があるなら言ってくれ!」
マリー
「…体が限界なんです」
「…楽様にはずっと黙っていたんですけど」
「病気なんです。もうずっと小さい頃から」
「ずっと薬で進行を遅らせながら騙し騙しやって来たんですけど」
「それが限界に来ているんです」
楽
(病気…それが橘がオレに隠しておきたかったこと)
(全く考えなかったわけじゃないけど…)
「…命に関わるもんなのか?」
マリー
「…はい。残念ながら治療法が見つかっていません」
「すぐに入院しなきゃいけません。そしてもう2度と…」
「だから後悔しないよう無理して転校してきたのです」
「得難い物をたくさん得られました」
楽
(…やめろよ)
マリー
「状況は変えられませんけど、私の心が変わったんです」
「おかげで人生に悔いなしです」
楽
(やめてくれよ)
(そんなお別れみたいな言い方…!)
マリー
「本当にありがとうございました」
「もうこれで本当に会えなくなると思いますが本当に楽しかったです」
「絶対に忘れません」
「だからどうか…」
ピリリリリリリリリリリリ…!!
マリー
「…もしもし……?」
千花
「あなたの病気の治療法が見つかったわ」
マリー
「…は…?治療法が見つかった?」
「え。アメリカのピッツバーグにある特別病院に今から入院すれば?」
「たった2年間の入院だけで…。うそ、信じられない…。プチッ」
ツーツーツー
マリー
「ら…楽様…私…」
楽
「…お別れなんて言うなよ。病院アメリカだっけ?」
「見舞い行くよ皆で」
「だからまた会おうぜ橘…」
マリー
「…はい…はい…!!」
【fin】
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