大人気レビューサイトのBLACK徒然草さんの漫画レビュー本「このマンガ恐るべし」が発売されました。WEB界のB級漫画ソムリエとしても名高いじゃまおくん渾身の一冊である。5年近く前にも「なんだ!?このマンガは!?」が発売されましたので、これでじゃまおくんの2冊目の著書です。おめでとうございます。
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・BLACK徒然草書籍「なんだ!?このマンガは!?」がマーベラス!
ちなみにご本人で自画自賛記事を上げられておられますので、そちらもどうぞ。
いわく、表紙を描いてもらった清野とおる先生の漫画と間違って買って貰うのを狙っているだとか。さすがですね。BLACK徒然草さんといえば、その歯切れの良い文章と的確な突っ込みが上げられますが、本書でも健在であります。まず、冒頭の挨拶が凄い。
本当に面白いマンガの理想郷はね、墓場の下にあるのですよ。
今、週刊漫画誌に絶賛連載中でアニメ化が検討されているような、誰が見ても勢いのあるマンガ―そういうマンガが一番ダメなんです。そんな青いモンキーバナナみたいなマンガは今すぐジップロックして22世紀初頭まで永久封印すべし。
現在連載中の漫画全てに喧嘩を売ってるかのような挨拶である。さすがじゃまおくん!そこに痺れる!憧れるー!
このマンガ恐るべし
で、今作に収録されている漫画レビューは以下の通り。
第1章、このテーマ恐るべし・・・!!
・「ザ・超能力」
・「庭師一代」
・「100万$キッド」
・「銀行員 祥平がんばる!」
・「百合子のひとりめし」
・「突撃!ゲームボーイ」
・「刑務所の中」
・「押忍!!スーパーあけぼの精肉部」
第2章、このスポ魂恐るべし・・・!!
・「コスモスストライカー」
・「はずんでキャッチ」
・「テニスボーイ」
・「プロレス八拳伝」
・「ブレイクショット」
・「セコンド」
第3章、この設定恐るべし・・・!!
・「1+2=パラダイス」
・「少年探偵ジュンの事件簿」
・「クッキングボス」
・「ラブ&ファイヤー」
・「占い刑事」
・「塾師べんちゃん」
・「ソープ水滸伝」
・「ときめきインスタントラーメン」
第4章、この世界観恐るべし・・・!!
・「パンダラブー」
・「夜の料理人」
・「恐竜大紀行」
・「任侠沈没」
・「格闘職人アウディ」
・「かっこいいスキヤキ」
・「死のホワイトマジック」
・「暴乳拳」
やべぇ、ほとんど知らねぇ。
俺が生まれる前の作品が平然とレビューされている。
前作はかなり読んだことある作品多かったんですけど、今回はマジでB級どころかC級である。自分もそれなりに漫画好きではありますが、このラインナップは読んだ事が無いディープな作品ばかりですね。じゃまおくんの丁寧なレビューで、その漫画を読んでなくても(むしろ読んでる人の方が少ない)、問題なく楽しめて爆笑できます。
漫画の恐るべきところを章ごとに「テーマ」「スポ魂」「設定」「世界観」と分けてくれる親切設計!でも、基本的にぶっ飛び漫画の面白突っ込みなので、どこの章から、どのレビューから読んでも問題なし。普段、BLACK徒然草さんを読まない人は100%楽しめると思います。
やはりジャンプ好きとしては伝説の読み切り「格闘職人アウディ」や伝説のサッカー漫画「コスモストライカー」のレビューは思い出補正もあって懐かしさ全開で読んでしまします。つっても、以前にBLACK徒然草さんで読んだんだけどな。
僕ぐらいのヘビーなBLACK徒然草ファンになると、むしろブログと本で、どこをどう書き直したかを楽しむぐらいである。普段からBLACK徒然草さんを読んでいる人も、新作書き下ろしレビューがあるので十分に楽しめます。
レビュー文章は、それは愉快に痛快に爽快にウィットに富んだものであり、どこか達観した視線で皮肉を効かせ、知らない漫画でも「うんうん」と思わず頷く謎の説得力があります。ブログの魅力を紙媒体でじっくりねっとり読むことができる。
こんなディープな漫画よく見つけてくるなぁと感心する調査力。テンポよく歯切れよく突っ込み入れる勢い。なによりも、その着眼点が素晴らしい。しかも、おバカ漫画レビューの一辺倒でなく、薫製された味わい深い一歩間違えれば名作になったかもしれない、でも二歩間違えば食中毒になるような作品にスポットを当てたりもしている。
既に、誰からも忘れ去られた&誰も知らない、静かに眠る打ち切り漫画を墓場から掘り起し、フェスティバルをする。今日も墓場で運動会である。ゲゲゲの鬼太郎のような、それがBLACK徒然草さんであろう。楽しいな楽しいなみんなで笑おうゲゲゲのゲ。
とはいえ、じゃまおくんが述べる漫画は腐りかけが面白い、10年寝かしたほうがいいは理解出来るが賛同しかねる。「薫製肉」のような新鮮なものより腐る寸前が美味い、と熟女好きをカミングアウトされましても。やっぱさ、マトン肉より小さくて若くて柔らかいラム肉のほうがいいな!若い子が僕は好きだな。(←無理やり落とそうとして失敗しまいた)
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