『ヒナまつり』(大武政夫)15巻読了。
アニメも最高に面白かったけど原作コミックも最高に面白い。
個人的に今一番面白い漫画まであります。声出してゲラゲラ笑うわ!
未来の政府から、派遣されてきた少年・ハル。
彼の任務は「ロックージョンをすること」。
ロックージョンと未来との関わりとは?
関係者全員が集められた中で、ハルの口から、
ヒナたちサイキック少女にまつわる衝撃の事実が語られる。『ヒナまつり』初の水着回も収録。描き下ろしは計12ページの大充実。必読の第15巻
<関連記事>
『ヒナまつり』15巻
アニメは中学編まででも二期やるのではないかって布石ありましたので楽しみです。『ヒナまつり』がより一層疾走するのはヒナちゃん達が高校生になったからだと思うから。
サイコパスのマオ、益々良い子あんず、どこまで上り詰めるのか想像できない瞳など、ヒナちゃんを中心にしないでもゲラゲラ笑えるエピソードを量産。キャラ立つってレベルでなく、脇役が濃すぎるんですよ!むしろ「え?この漫画の主人公ってヒナちゃんだっけ?」とすら思うこともある。
ヒナちゃんの存在感
78話「壺男」
新田とヒナちゃんを中心として話を回してたのも今は昔。高校編辺りから群像劇として顕著になっており、どんどんヒナちゃんの存在感が消えていきました。まるでアメリカザリガニの到来で住処を追われてしまった日本ザリガニみたいでした。
このまま脇役になるかと思いきや、15巻はヒナちゃんの存在感が光りまくりでした。あ、この子が主人公だったんだなと久々に信じてもいいぐらいの活躍です。ヤクザの抗争要員ではなかったのだ!
ヒナちゃん復古の大号令!主人公の時代、再びである。
アンズ&マオと海へ行ったり、友達の夢を叶えてあげたり?(なぜか疑問形)と主役らしいメインを張ります。個人的にグッと来たのは78話「壺男」です。新田が女性(結婚詐欺)を家へ呼んで自分が(再婚の)邪魔じゃと吐露するやり取りは普通に泣きそうになったぜよ。
『ヒナまつり』はたまにガチで良い話をやるから恐ろしい。
ヒナちゃんの成長っぷり
新田のやべー姿にドン引きするヒナちゃん
高校生のヒナちゃんで特筆すべきポイントは「常識人」の視点を持ってることでしょう。いやモチのロンで今でも奇行に走ることはありますが、中学生だった頃と比べると物凄い発展です。町で例えるならメガロポリス級の発展です。
すごい成長っす。新田の育て方がいかに正しかったかを証明するように、昔はヒナちゃんよりもまともで常識人だったマオのサイコパスっぷりを見れば明らかでしょう。まともに成長する姿に思わずグッとくる…かも?
おかげでギャグ漫画としてより高みへ行ってる。
2話
もともとは、ヒナちゃんの非常識な一面やボケを新田が常識人の視点で突っ込む掛け合い漫才だたのが、ヒナ&新田の漫才コンビ(※そもそも漫才コンビではありません)はヒナちゃんが常識人っぽくなったことで「ボケ役」「突っ込み役」が変幻自在になった。
ボケしかできなかったヒナちゃんがキレの良い突っ込みも出来るようになり、2人の掛け合い漫才は芸の幅が広がったよね。良いコンビになった(しみじみと)。
76話「全てはロックージョン」
全ての真相が明かされる!
15巻はギャグもキレキレでグッとくる話もあって大満足ですけどキモは76話「全てはロックージョン」でしょう。『ヒナまつり』の全貌ともいえる謎が明かされるのでした。たった1話で!
腹筋崩壊するぐらい笑えたギャグ漫画でも、設定はSFでしたからね。ヒナちゃん達は未来からやって来たとか、謎の超能力とか、押さえつける首輪とか、ギャグ漫画のようで裏に世界の悲しい闇があると読者が想像するぐらいの設定がありました。
凄い暗いテーマがありそうだった
なんか意味深だった
初期のヒナちゃんは新田に拾われて生活することを「あいつ大人なのに何も指示してこない」と不思議がってました。そんで「命令しないの?」と聞けば「お前に関係無い」と言われ、無感情だった少女がはじめて笑ってました。いわく「元の場所では命令をこなすことだけが存在価値だった」と。
こんなん、ヒナちゃんは未来の世界では感情が無くなるぐらい、大人たちから殺戮を命令されてしまった悲しい少女なんだと思うじゃん。あ、この子は人の温もりに触れる悲劇の少女なんだなって。
他人から命令された事しか出来ないんだと。新田と触れ合うことで、自発的に動きマシーンから人間になり、無感情&無表情から感情を持つのかと。そういう事を読者が想像できる描写でした。
爆笑するギャグ漫画だけど裏に隠されたテーマは疑似親子の触れ合いを描く家族愛漫画なのではないかと本気で思ってました。その後、アンズや斑鳩やマオやハルの登場で凄いSFの側面もあるんだと考えたものです。
本格SF作品のようだった
69話「三年パンチ」
ヒナちゃんは未来の世界で大人に命令される子だったこと。そのヒナちゃんを処分する目的で組織から派遣されてきたアンズ。調査に来た斑鳩。未来の世界の「組織」の目的は何なんだ?過去へ人を送って何がしたいんだ?
色々と謎でしたが、ハルと呼ばれる少年が未来からやってきて謎はもっと複雑になっていきます。自分を「政府に送られて来ました」と言い出すのです。ヒナちゃん達の言う「組織」とイコールなのか?違うのか?ヒナちゃんがハルを知らずハルはヒナちゃんを知ってたので時代は違うのか?
色々と読者が考察できる事例がたくさんでした。『ヒナまつり』は表向きギャグ漫画だけど、実は本格SF漫画ではないかと本気で思う意味深な描写。過去の人々と触れ合うことで救われるヒューマンドラマなんだって描写。
ああ、これはギャグ漫画にみせかけているけど、「SF」「ディストピア」「家族愛」「ヒューマンドラマ」といったものがテーマとして裏で走ってるんだなって誰もが思ったものです。
明かされた真相
俺はただ…ロックージョンがしたかっただけなのに…
こっちも知りたくなかったよ。こんな未来…
…え。
な に
こ れ?
ここまで壮大に意味深な描写をしていて1話で全ての謎を明かすその手腕もすごい。普通こういった真相の判明ってのは、読者の予想が色々と出そろったタイミングで「これが真相じゃー!」って数話どころかコミック数巻分使って明かされるものじゃん?
したら『ヒナまつり』の真相は予想の斜め下…1話で全てを白日の下へ。
きっと、ヒナちゃん達の背景は悲しいダークな面が描かれる涙なしでは語れない内容になるんだろうなぁと予想していたんですよ。でも違った!そんな素人の予想をあざ笑うかのように、私が予想したラインの遥か下を、地下深くを潜ってきたんです(褒めてます)。
(※一応ネタバレ注意な!ま、読んでも「うおー!そうだったのか!」ってならんけど)
ヒナちゃん誕生秘話
「ロックージョンがしたかったアツシ」→「瞳がコネを生かして能力研究所を作る」→「遺伝子配合者の超能力者マオ生まれる(ツバの遺伝子で)」→「アンズ生まれる」→「アンズを超えるヒナ誕生」→「ヒナ暴走(で、捨てられて今の時代へ)」→「アツシさん人様に迷惑をかけたらロックじゃねーと研究止める提案でクーデター」→「国と対立するのを恐れた者は不要と解禁」→「政府VS超人フィットネスの内戦」
えっと…。ギャグ?(※ギャグ漫画です)
バンドマンのアツシがヒナちゃんの超能力を見て「ロックージョン」を求めるようになり、ロックージョンがしたくてヤベー研究所まで設立され、ヒナ&アンズ&マオを遺伝子操作で作るも、ヒナが町を消してしまい、迷惑をかけらんねーから超能力研究止めようとすれば反乱起きて内戦って…。
どっから突っ込めばいいんだこれ!
めちゃくちゃだ…。しかし、真にビビるのは筋が通ってることでしょう。逆に怖いわ。全ての真相を明かす漫画として最も盛り上がる謎解きを1話で済ませてしまうその疾走感が半端じゃない。同時に、「あ、これはギャグ漫画なんだ」と思ったね。思い知った。
新田関係ねぇーが…
よっしゃ、俺セ~~フ!!
セーフだけどアウトだろ!
あまりにもあまりな日向君のドリブルの如し強引な真相判明に白旗を挙げて降参しそうになったが、ちょっと待ってくれと。新田は確かに直接未来でどうこうなく「セーフ」と言ってるがお前のせいじゃねーか!
アツシのロックージョンが原因とか、瞳が超人フィットネスをコンサルトしたって部分が原因のように語られてるけど、もっと言えば全ての原因はヒナちゃんじゃん!アツシだってヒナちゃんの能力見なきゃロックージョンを求めなかっただろうし、瞳だってヒナちゃん転向して来なきゃ普通の中学・高校生活送っただろ!
すっげー雑に真相判明したのに筋が通ってたのもビビるが、全ての原因がヒナ&新田だったと断言していいよな。そもそも、そこから繋がるのも、未来からこの時代へ来なきゃ起きねーだろって。つまり『ドラえもん』の「あやうし!ライオン仮面」ですよ。本当に描いた作者いねーじゃん!
ぼくのうつしたまんががのって、この雑誌がでるとすると…、まんがのほんとうの作者は、だれだろう。??
ヒナちゃん来なきゃ起こりえない未来
ヒナちゃんやって来る
ヒナちゃんを目的としてとか未来を変える為に色々とやって来たけどさ、ヒナちゃんがやって来なきゃ全部あり得ない事象の未来なんですが…。ドラえもんの「あやうし!ライオン仮面」の本当の作者って誰だよによろしく、本当の未来ってなんだろ…?
もっといえば、十数年先で超能力(イリュージョン)研究は何も成功してないことも分かった。なぜなら、3人の超能力少女は別に研究の果てに生まれたわけじゃ絶対に無いから。
第1号・マオ
シックセンス(←聖闘士星矢オタクかな?)の遺伝子配合云とか研究員さん言ってますが、別に普通の人間から超能力者を作ったわけじゃねーだろ。「遺伝子提供者のクローン」ですからね。怒られながらツバかけられたの元だそうな。
ああ、見えるよララァ…。
このマオは、本物のマオ(当然その時間に飛ばされた)のクローンなだけだって…
3人の超能力少女はクローンなんだってさ。誰のクローンって、そりゃもう完全に本人以外あり得ないですよ。見せられた未来は、ヒナ&アンズ&マオが過去に飛んで来なきゃ成立するはずない時空だし。単純に3人の超能力少女の遺伝子でクローン作ったら超能力持ってただけだろ。
つまり、超能力(イリュージョン)研究は何も成果上げてねーなって。今の技術でも人のクローンは作れるそうだけど論理的にアレなので禁止なだけですから。超能力者のクローンが普通に元の超能力者だっただけだろこれ。ロックジョーンは一歩も進んでませんね(結論)。
卵が先か鶏が先かって感じでした。なんか意味深に描いてきた伏線もすっげー投げやりで判明するし、色んな意味で凄い漫画だって思いました。まる。
コメント
壷男は今回1番好きかもしれない。
そして新田は総理なのかもしれない。
まだ重要な部分が語られていない気がする
ヒナが暴走したのも新田さんが壺愛を暴走させるのも群馬
さすがグンマー、伝説の地
未来の世界にいるはずのオリジナルのヒナたちはどこで何をしているのか
さすが藤子不二雄
瞳はどこまで行くのか。
ヒナ達にあの首輪を付けて逆らえないようにして命令をしていたのは、アツシがトップだった頃からそうだったのかそれとも組織を乗っ取られてからそうなったのか
全体ももちろんおもしろいけど、瞳回の打率よ。
ひとみちゃんは毎回台本渡されるのかあの口の悪さで
CEOの演説していくのか気になる
ロリマオの裸をガン見してるアツシさんに対して目を閉じてる新田さんの紳士っぷりよ。こういう細かい所まで凝ってていい
お前とロックージョンしたいんだ!
アツシとハルのおにショタ展開で妄想しといた