『ヒナまつり』(大武政夫)14巻読了。
なんだろう。ほのかに確かにラブコメの波動を感じる(ような気がする)。
ヤバイぐらいに面白い!むしろ巻数が進むにつれて面白さと奥深さが上げっている!ギャグ漫画で10巻超えてなお笑えるとか異次元すぎるよ。どこまで面白くなっていくのかちょっと想像すらつかないですね…。
東京に生きる4人の16歳(一部は推定)の少女たち。
サイキック女子高校生・新田ヒナ
ラーメンの味を継ぐ者・アンズ
寂しがり屋のカンフー美少女・マオ
わらしべ出世の女社長・三嶋瞳それぞれの喜怒哀楽が交差する、満足度の高い第14巻!
恒例の描き下ろし「Extra Story」ももちろん収録してます。
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なにが凄いって飽きない事でしょう。
ギャグ漫画は基本サザエさん時空で山の手線のようにグルグル回っているものじゃないですか。そうするとどうしても芸風など慣れてしまうのですが、『ヒナまつり』は常に味を変えて提供してくれるからいつも新鮮な感覚になります。
時間が進むことが特徴ですね。ヒナたちも中学校編が終わり、今やは華麗なる女子高生になっています。そしてキャラ達の関係も変わっているのが心の琴線に触れます。
『ヒナまつり』14巻
マオちゃん
最近の『ヒナまつり』はキャラクター達の成長(?)がキモでしょう。
まずマオが大分変りました。とんでもなくヤバイです(頭が)。
以前から人形(ヒナとアンズ)に話しかけるヤバイ子でしたが、よりヤバさに拍車がかかりました。瞳と友達になり、もうヒナとアンズに見立てた人形に依存することなります。ですが、精神的にひとり立ちしたとかそういうんじゃない。さらにサイコパスになったというのがヤバイですね。
ちょっとの間にラインを約300件送るなど、完全に瞳に依存してしまいます。何をするにも瞳がいなきゃ決められず、ついに瞳の幻覚まで見るようになってしまいました。それが人間の瞳ちゃんでなく、目玉の方の瞳(目玉のオヤジというか20世紀少年の友達みたいなの)を「瞳ちゃん」とか言い出して、もう手の施しようがありません。
マオちゃん自身の目もグルグルでヤベーっす。お薬でも決めてるんじゃないかってぐらいイっちゃってます。いやぁー、すごい成長っぷりですね…(サイコ方面へ)。
「アホな子ほど可愛い」って言葉があるじゃないですか。『ヒナまつり』の愛すべきアホな子たちはみんなアホにプラスアルファして「可愛さ」があったものですが…。ちょっとマオちゃんは無理ですね。普通に引く。
ヒナやアンズの成長と比べると、なんでこんなことに…と涙が出てきます。恵まれなかったね。いや笑えるんで、もうナンバー1サイコパスを目指して欲しい。
アンズが恋する乙女に!
サッサブったら(赤面)
ファッー!?
アンズ関係の人間模様も面白くなってきました。いや正確にはおかしくなってきました。もともと9巻で新田がアンズの純真さに惚れていました。「父親の理想郷」をアンズに見出す。で、サブを引き連れてよく屋台来々軒へ食べに来る常連になります。そして週3で通うようになる新田とサブ。
通ってるうちに新田の中ではどんどんヤバイ父性が目覚めていきます。アンズに対する愛情はある種の宗教じみてました。それに付き合わされてたサブはアンズのラーメンに飽きを通り越して苦痛を感じるように…。さすがにごく普通のラーメンを週3で食うのはキツイと。
サブ
この人(新田)、ヒナちゃん大好きマジキチじじいと同じになってきてねぇかな…(62話)
やっべぇな…もうこのラーメン飽きるの通り越してただ苦痛…!!(67話)
巻数を重ねるにつれサブの中でアンズラーメンがいかに飽きて苦痛になっていったかが分かりますね。そんで73話「私はただあのラーメン食べたくなかっただけなんです」は神がかったしょうもなさでした(誉め言葉)。
飽きたラーメンの味を変えてもらうためにサブが四苦八苦してたら、気づいたらアンズからのフラグ満了期を迎えてました。オー・イッツ・ミラクル!まさかのサブかよ!すごい人間関係になったものです。
なんだこれw
サブは飽きたラーメンの味を変えようと行動しただけなのに、全てがアンズの乙女心に正射必中となってしまい陥落。新田の陰ながら愛情がまったく通じず、ゲス野郎(サブ)に惚れてしまうアンズ。で、新田のヤバイ父性が爆発しまう。
まさに「ダメな彼氏連れてきた娘と頑固親父」そのものです。
いやー、オチも含めて最高に笑った。
ギャップの落差で笑わしてくるのが『ヒナまつり』ですが、9巻で描かれた「父親の理想郷がここにはある」とアンズに惚れてからのアンサーやね。タメにタメた分の反動力が半端じゃない!ぷよぷよでいえば20連鎖くらいの威力です。声出して笑ってしまいました。
また、3人の愛情模様を整理すると以下のようになる…。
「新田 → アンズ → サブ」
この時点で、もう色んな意味で嵐の予感ビンビンですが、さらに面白くなるのは74話「父と娘」も含めてでしょう。
74話「父と娘」
瞳
おっふ…。
アンズに対する愛情が一方通行だった新田ですが、ひょんなことから瞳ちゃんから「お父さんみたい」と赤面しながら言われてしまうのであった。完璧超人と化してた瞳が赤面する姿はなかなかどうしてよ。ニヤニヤしながら読んでたのは言うまでもありません。
まあ、新田さん瞳ちゃんからの好意をすっげーどうでもよさそうに受け流しちゃうんだけどね。瞳はこの芽生えた(?)新田への親愛が今後どう作用していくのか個人的に注目してます。
冷静になったっぽいけど、是非ともフラグをリセットすることなく突き進んでほしいものですね。はい。
なんだこの相関図
→(愛の一方通行)
そんなこんなで、14巻を通して読むと『ヒナまつり』の人間関係は…どんどんひどくなりました(誉めてます)。いやー、これはすっげー面白くなったわ。愛情状態は以下の相関図になります。
「マオ → 瞳 → 新田 → アンズ → サブ」
すごい構図になったものです。
なんのかんので、ほとんどみんなヤバイです(頭が)。マオのサイコっぷりがぶっちぎりでヤバイがね。
しかしこれ…三角関係を超え、四角関係をさらに超えた五角関係の出来上がりですな。
全員の愛情がアクセラレータもビックリの一方通行っぷりじゃん!
なんて一方的な愛情相関図なんだ。野球でいえば全員がピッチャーじゃん!キャッチャーがいない状況です。気持ちを投げても受け取ってくれる人がいない。誰も返してくれない。逆から見ると「キモイ」「どうでもいい」「キライ」とかですからね。
この愛情相関図で次巻はどーなってしまうのだろうか。ギャグだけでなく、ヒューマンドラマもめがっさ面白くなってきたでござる。『ヒナまつり』は、こういう変化があるからこそ飽きずに楽しめるんですね。
あと主人公のヒナちゃんがひとり蚊帳の外なのも地味においしいと思いました。まる。
コメント
スクールランブルが同様に風呂敷を広げまくった挙句、ほとんどまともに畳むことなく空中分解したので、この作品がそうならないことを祈ります
この作品は毎回はずれなしで爆笑してるわ
スクランは週刊連載だったのもあるし、こっちは基本ギャグ漫画だから大丈夫だろう
最新刊は期待した感じからすこし外れたわ
瞳ちゃんの回は鉄板で笑えるんだけどねー
ヒロイン4人それぞれテイストが違うから飽きない
マオ回は狂気が肌に合わないけど
アンズ回はサブの心境だけで笑える
ただ最近超能力のストーリーいる?ってなる
アンズはもう超能力使ってない感じだけど、ヒナは今も使ってるし
3人+2人がきた理由も超能力絡みだからやっぱ大筋としてはいるんじゃないかな