『ナノハザード』最終話:災害(ハザード)の終わり
すごい漫画だったぞい(震え)。
ジャンプ+で『ナノハザード』が打ち切られました。一部の愛好家から好かれるようなロックな展開にツイッターでトレンド入りまでしてて感動的ですらある。すごすぎて震えたね。それぐらいアクセル全開で時速300キロ出して駆け抜けていきました。伝説を見たぞ。
<ジャンプ+連載>
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『ナノハザード』打ち切り
打ち切りの原因はコミックが売れなかったことだそうです。
原作者の栗原正尚がおっしゃってました。
【ナノハザード裏話】
連載中は閲覧数は常に上位で好調でしたが単行本の初動が悪くて・・・。
単行本が売れない責任はキャリアの長い私の方にあるので
かざあな先生には申し訳ない事をしたと思っています。
でも爪痕は残せたのでその点は良かったと思います。
今後も応援よろしくお願いします。— 栗原正尚★怨み屋&神アプリ&ナノハザード連載中 (@showshow_jp) 2019年2月25日
閲覧数は沢山だったのにコミックが売れなかったそうな。それは商業的には仕方がないことですが、その打ち切られっぷりも含めて凄まじい漫画だったなぁと。
近年のジャンプ漫画だと『U19』ってのも相当な逸材でしたが、『ナノハザード』ほど話題になっていませんでした。結局、無料でジャンプ+で読んでオモチャにする人達から支持されたて感じかな。『ナノハザード』好きなら『U19』も読んでくれ。
絵がすごかった
19話
『ナノハザード』の特筆すべき点は絵の独特さでしょう。緊迫したシーンでも19話ラストのようにマジなのかギャグなのかよく分からず、なぜか笑いが込み上げてくる描写の数々が本当に凄い。
設定自体は、能力者のバトルものとしては王道ともいうべき感じでした。「ナノロボット」という肉眼では見えないものが人体に入ると、適正があれば超常的な能力が手に入り、適正が無いと頭が破裂する。適正があった能力者達のバトル漫画…。
ですが突っ込まれることを前提とした展開と独特の絵で奇跡ともいえる「すごすぎる漫画」へと昇華させていたのです(褒めてます)。『ナノハザード』彗星のごとく現れて、流星のように数々の伝説を作り、スパークしていた。見事すぎるほどの散りっぷりだった。
雑に片付けられた最終決戦
最終話
なんて雑な片付け方なんだろう…。
ドラゴンボールでいえばベジータとフリーザを一撃で倒したみたいな。
ストーリーは仲間だと思ってたヤツが敵だったとか、もっとヤベー敵がいたとか、ジェットコースターのように展開していくのですが、そこに「うおおおお!次どーなんだ!?」みたいな純粋な楽しみ方はなかった。
やはり笑いが込み上げてくるシュールさがキモだったと思う。何よりも、最終決戦の黒幕と女王を雑に片づけたのは涙が止まらなかった。もちろん打ち切りが決まっていたのに、きちんと決着を描き、「オレと女王達の戦いはこれからが本番だ!」というよくある打ち切りラストにしなかった真摯なラストという意見もあるだろう。
しかし、私は最終話を読み終わった後、「立派な畳み方でした」 とはどうしても言えなかった。無理だよ!感動したとか素晴らしかったと言ってる人は本気で言ってるのか、ネタで言ってるのか分かりかねる。ただすごい漫画だったことだけは確かだ…。泣いた。
ネット上の一部からは間違いなく愛されていましたね。「面白い!」とか「キャラが魅力的!」とかいった、そういう純粋なポジティブな理由からではなく、単にネタにしやすいという、ただそれだけの理由だったと思うけど…。
いや、キチ〇イばかりの人と独特すぎるストーリーを「(ギャグとして)面白い!」「(突っ込みどころ満載の)キャラが魅力的!」と思ったた人もいただろう。そう『ナノハザード』は一周二周回ってしまうことが前提だったのかもしれん。
突っ込まれることを前提にしてた…?
1話
国家の最高機密を盗んで顔以外タイツで走って逃走する「全てのはじまり」。1話からして突っ込まれることを前提としていたようにしか思えない。なんで走ってんだ?なんで顔以外タイツなんだ?事故ってまき散らすってなんだよ?
あまりにも「WHY」がある。前園さんが全ての元凶のように描かれてたが、偶然事故ったせいだからね。その持って行き方が突っ込み所満載すぎて、「これはひょっとギャグでやってるのか?」ってものだった。同時によくできた納得もできる。タイツだったから暗闇で見えず跳ねちゃったんだねと。
そして、愚か者しかいない能力者、あまりにも独自の世界観、存在意義がいまいち不明瞭だったヒロイン(爆死)、誰でも思いつきそうで思いつけないストーリー展開、奇抜すぎて日本語そのものを否定しているかのような言葉遣いとやり取り。そのすべてが一見すれば三流以下だったようにみえるが、一周二周回らせて一流のネタに昇華させてた。ここまでくればもう芸術である。
読者も「すごい漫画なのではないか…?」とほんの僅かでも思わせたのが『ナノハザード』のすごい所だったのかもしれません。おそらく「人類の愚かさ」みたいな壮大なテーマが根底にあったかもしれませんが、悪ガキやクソジイイに能力を持たせたら、ああなりました的なクレイジーさが半端なかった。
アダムとイヴだった
!?
また、無駄に壮大なのも『ナノハザード』の特徴です。贅肉がふんだんにで、どこぞのラーメン屋のようにニンニク「増し増し」で「これでもか!」というくらいに盛り込まれている。え?これは盛りすぎじゃね?って感じのサービス精神旺盛。
19話で中学時代の思い出として、もしも地球が滅んで2人だけになったとしても駅前の「ハートとリンフォの生命の木」のオブジェで待ち合わせしようという伏線(?)が張られました。
そして迎えた最終回で「アダムとイヴ」の話をし、この作品は「アダムとイヴ」だったんだと描き、死んだ主人公とヒロインが復活してあの約束を果たすのでした(感動)。なにが凄いって、46億年経過したのにオブジェだけ健在だったことでしょう。
46億年経っても残ってる駅前のオブジェ
見事に46億年超しの約束を果たしたんですねぇ…(涙)。さらにいえば、主人公を蘇らせたナノロボが地球が温暖化して活動を再開させたのもよくわからん。え?じゃあ、氷河期になる前に再生させればよくない?もっともっといえば、他人を生き返らせる事って何か説明あったっけ?
よくわからんボンヤリした設定だけど、有無を言わさず日向くんの強引なドリブルの如く直線を突き進むパワーがすごかったです。突っ込み所満載だけど、それを含めてエンタメとは何かって事を投げかけてたね。哲学だった。
ジャンプ漫画らしく「努力」「友情」「勝利」ってテーマがぎっしりと詰まっていたが、大切な三大要素があっても「面白さ」「感動」「共感性」が無ければまったく意味がないんだなぁと教えてくれた。そんなん関係ねぇ!何周かして「(シュールな)面白さ」「(謎の)感動」「(すごかったパワーの)共感性」を示した。
本当にすごい漫画だった。『ナノハザード』すごいよね!序盤中盤終盤、隙しかなかった!しかし、「隙」だらけだったことを「好き」に変えた化学変化を起こしたマジやべー作品だった。えっと、これどうまとめよう?とにかく疾走感が半端ない。伝説を残したのでみんな見るべき!まる。
追記
この漫画ってジョジョ等の能力バトル漫画でたまに言われる「そこら辺のチンピラなのに能力を上手く使い過ぎ」、という漫画としての面白さの為に起こるある種のご都合主義みたいなののアンチテーゼなのかなと思ってしまった。
この漫画の能力者って精神力が異常な主人公と前科持ちだったぞい爺さんを除くとみんな素人で、能力扱えずに自滅したり自分の能力を把握せずに普通に死んだりパワーアップしようとして自滅したりと、ものの見事にボンクラ揃いなんですよね。そしてそこが妙なリアリティを感じさせてくれる。
もし僕達が突然能力に目覚めたとして果たしてジョジョのスタンド使いの様に能力を使いこなせるだろうか。恐らくこの漫画みたいなボンクラになると思います。多分栗原先生はその辺りを意図的に書いてたと思います。
(その意図が大衆に受けるとも漫画としての面白さに繋がるとも言っていない)
>コメントより
この漫画の面白さというかミソこれだよね、偶々広がった超能力を得たのがド凡人たちだったらという
>コメントより
そんな高尚なテーマがあったのか。確かに言われてみればそうなのかもしれない。そこらの一般人が能力授かっても、上手いこと立ち回れるわけねーって意味のリアルを追及してたのかもしれないと。なるほど。
「見ておくがいい。凡人が能力者になるリアルとはこういうことだ!」という、今後の漫画界へ向け身体を張ったランバ・ラル的な自虐指導だった捉えることも出来るのか。いや出来ない。それはさすがに無理です。
コメント
近年まれに見る衝撃の漫画でしたね。
毎週笑いを届けてくれた両先生に感謝
最後の数話は打ち切れが決まって落ちまで詰め込んだ感じがすごい。
ただ、プロットは正直かなり面白そうな気がした。
ラストは正直結構好き
あと経過したのは400万年じゃなくて46億年な
すごい漫画だった
1話で脱落してました
原作者は怨み屋シリーズの漫画描いてて、実写ドラマ化もされてる本当にベテランなので、もう少しマシな画力の作画屋をつけてやれよという気もする
読み終えて
なんだそりゃ でしたからな
打ち切り作品はこうでないと笑えない
ヤマカムの振り返りで隙の多さと魅力がより分かりやすい
なんで最初の文を「伝説を見たぞい」にしなかったんだよ。
何をやっても「まあナノハザードだしな!」ですんでしまう圧倒的パワーがあったよね
ヤケクソという言葉はナノハザード終盤にこそふさわしい
短期打ち切りを通告させた事によって無理やり完結させた障害って側面もあるんでしょうけど、
この漫画ってジョジョ等の能力バトル漫画でたまに言われる「そこら辺のチンピラなのに能力を上手く使い過ぎ」、
という漫画としての面白さの為に起こるある種のご都合主義みたいなののアンチテーゼなのかなと思ってしまった。
この漫画の能力者って精神力が異常な主人公と前科持ちだったぞい爺さんを除くとみんな素人で、
能力扱えずに自滅したり自分の能力を把握せずに普通に死んだりパワーアップしようとして自滅したりと、
ものの見事にボンクラ揃いなんですよね。そしてそこが妙なリアリティを感じさせてくれる。
もし僕達が突然能力に目覚めたとして果たしてジョジョのスタンド使いの様に能力を使いこなせるだろうか。
恐らくこの漫画みたいなボンクラになると思います。多分栗原先生はその辺りを意図的に書いてたと思います。
(その意図が大衆に受けるとも漫画としての面白さに繋がるとも言っていない)
クソゲーオブザイヤーの漫画版があれば間違いなく大賞でしょうね。
あるいは漫画版ゴールデンラズベリー賞か。
トレンド入ってるからどーしたんだろうと思って読んだら最終話だった
最終話しか読んでないのにボーンフォーク!!でだいぶ笑わせてもらった
閲覧数が上位でも、ただネタとして取り扱われてるから単行本売れないんだよなぁ…
勘違いしてる作者?が残念さを上塗りしてますわ
全体的に雑な漫画だった
ネタとしては楽しめたけど
>この漫画ってジョジョ等の能力バトル漫画でたまに言われる「そこら辺のチンピラなのに能力を上手く使い過ぎ」、
>ものの見事にボンクラ揃いなんですよね。そしてそこが妙なリアリティを感じさせてくれる。
この漫画の面白さというかミソこれだよね、偶々広がった超能力を得たのがド凡人たちだったらという
あとファンからよく言われる「全体的にぼんやりしてる」って雰囲気も作中で「ただぼんやりしてる人かと」みたいな台詞あるあたり自覚的っぽい
原作者「ん、まあ・・・・」
えぇ…と思う展開が続いたまま終わってしまった
凡人が能力を得ると雑な展開になってしまうのは当たり前だとして
それを漫画に落とし込むのは…?
という挑戦の上でプロの漫画家が
作画が素人、展開の破綻、構成の矛盾を超えて
エンターテイメント(演出)性だけで
最大限面白さを引き出した名作とも言えますね。
それだけではヒットする漫画にならないというのも理解できたよ
小綺麗な御茶漬海苔みたいな絵だな
ノリも近いものを感じる
能力に目覚めたからっていきなりヒトぬっころしたりする奴は頭雑っていうレベルじゃないな