このラブコメは最高だ(目ぇキラキラ輝かせながら)
「WEB→別マガ→週刊少年マガジン」とホップステップジャンプのようにメジャー誌に辿りついた『徒然チルドレン』。4コマ形式で様々な恋愛模様を描く。
4コマといっても4コマ1本で起承転結というわけでなく、1話を4コマ形式で描くショートストーリーもの。上質なニヤニヤ製造機である。
いま一番勢いがあるラブコメじゃないかな。個人的に。
『徒然チルドレン』みたいに、愛情が向き合ってるんだけど上手くいかない愉快な恋愛模様大好きです。色んな恋愛の形や友情(?)が楽しめる。面白さとニヤニヤ度の絶妙な兼ね合い。どのエピソードも良く基本外れが無いのが凄い。
3巻も大満足です!
3巻もどのエピソードも最上に面白いけど、個人的にキテるのは先生に片想いする千葉さんかな。
先生に片想いする千葉さん
何度読んでも掛け合いの「間」にニヤニヤしてしまう。4コマ形式で描かれている中でその瞬間を切り取った絶妙の1コマ!掛け合いの中の「間」こそ『徒然チルドレン』の面白さとニヤニヤ指数を高める醍醐味だろう。
ぶっちゃけカットしても問題ない「間」をあえて描き武器にしてしまうのが凄い。しかもそれが最大級の破壊力を生む。千葉さんの恋する乙女心を絶妙に演出する。先生に想いを伝えられない気持ちと好きだと言ってしまいたい欲求の狭間でこじらせてしまう(病む)という3つの「感情」にズッキューンと撃たれるね。
基本はカップルの話なんですけど、天文部の面子が織り成す三角関係はなかなかどうして。元はカップル誕生の話だったのですが、新入生(幼なじみの男女)が入部して一気に危険地帯へと変化。
沸騰
さあ盛り上がってまいりました!
1年前は「さつき⇔湯川」の平和な優しい世界の天文部だったのに。湯川が卒業してさつきが部長になり新入生が加わったら「七瀬→加賀→さつき」という恋愛相関図が出来上がってしまいました。『徒然チルドレン』のバルカン半島とは天文部のことである。この火薬庫は今にも紛争が起きそうです。
野球でいえばピッチャーしかいない。キャッチャーがいない。
気持ちを投げても受け止めてくれる人がいない。まあ、加賀がピッチャーを辞めてバッターボックスに入り七瀬の想いを打ち返すのが理想的ですが、どうなることやら。また、3巻収録の「桃」。これが実に素晴らしい加賀と七瀬の幼なじみの過去なのです。
そして、『徒然チルドレン』のメインディッシュといえば3巻の表紙にもなっている高野千鶴と菅原卓郎の2人です。やべーよこの2人のラブがコメってる展開は。圧倒的にニヤニヤできる。
高野さんと菅原くん
最高かよ!
目が合うけどすぐ逸らす!
気になるから目で追う。でも気取られないよに逸らす。でもでもバレバレだ。というか、『徒然チルドレン』って掛け合いを楽しむものだと思ってたら、そこらの少女漫画も裸足で逃げ出すナイーブな仕草にきゅんと貫かれるね。
素晴らしい。実に素晴らしいです。最初は片想いの菅原くんのカラ回る様を楽しむコメディだったのが気付けば高野さんも恋の波動に目覚めてしまい両想い状態。だけどお互いが踏み込めない。ラブがコメるストーリーもありこの2人の恋愛模様は破壊力がダンチだね。
3巻収録の「全部熱のせい」は恋に気付けない高野さんに悶えるのみ!
全部熱のせい
風邪じゃなくて恋だよ!って叫ばずにはいられない。
最初は振り回す役割だったのに、気付けば振り回される役割に変わってのもポイント高いね。小悪魔チックだったのが天使の可愛さを発揮している。また、ちょっと髪型があずにゃんっぽい事から、ちずにゃんとも呼ばれている。呼んでるのは俺だけだけどな!
若葉マークの初々しい2人のラブコメ模様は手に汗握る超弩級の一品だ。自然と頬が緩んでニヤニヤしちゃうじゃないの。思春期特有のコンプレックスや勘違いや自意識を見事に「お約束」な展開へ落とし込んでおり、ニヤニヤするんだけどもどかしいったらありゃしない。
両想いなのに上手くいかない「じれったさ」と「もどかしさ」の2人にテレテレとした気分にさせてくれる。テレテレなのがこの2人のキモかな。濁点をつけるだけでデレデレなんだけど、そうはならない。スン止めで濁点を回避するのが高野さんと菅原くんなのだ。
しかっし、最初は天然無表情な娘だとしか思わなかった高野さんの可愛さレベルは回を追うごとに跳ね上がっていくな。
高野さん
バキで「たかだか1時間余りで蚊トンボを獅子に変化かえる勝利とはそういうものだ」という台詞があったけど、高野さんもそんな感じだ。高野さんは変わろうとしている。少女から乙女へ。いまは「気になる」が「好き」と気付く前のとても貴重な執行猶予期間って感じ。
高野さんは可愛い。登場するたびに「可愛さ力」が増す。魅力が尋常でない。なぜかと言えば、ひとえに「菅原くんが気になる」というたった一つの動機付けである。それが彼女の言動をミステリアスに変え脱線していく。素晴らしい。…が、じれったい!そろそろ趨勢を決する天王山を描くべきでしょう。不器用な様が『徒然チルドレン』の面白さなのではあるのだが。
そ・し・て!
高野さんは胸の苦しみや動悸の理由を「熱が無かったらどうしよう」「熱がなかったらこれって何なの?」って、問いの答えを見つけそうです。動悸や胸の苦しみの理由は、熱では無かったわけです。
なんだ結論出ちゃってるじゃないですか!
うーむ。自分の恋心に気付けばSGGK(Super Great Goal Keeper)若林君を吹っ飛ばすぐらいの破壊力になるだろうに。SGGK(Super Ganbari Mangaka)若林先生は焦らすのう。
テレテレの2人がデレデレになる姿を見たいのだが、いかんせん『徒然チルドレン』はオムニバスというか青春群像物語である。
他のエピソードも好きなんだけど、高野さん達の恋愛模様の続きが気になって仕方がない。もうこの2人だけ描いてくれてもいいレベル。『徒然チルドレン』のスピンオフ作品『徒然タカノ』とかやれば間違いなくヒットするよ。俺のハートに大ヒットする!
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