これがジャンプ漫画というのが凄い!
なにを隠そう私は『背すじをピン!と』が大好きなのです。
『競技ダンス部へようこそ』というタイトルで読み切り掲載された時から自分の中のお気に入りでした。そして『背すじをピン!と』とタイトルを変えて連載されてからも毎週楽しみに読んでいます。待ちに待った1巻の発売です。
いやー!これぞ青春だよ。面白い。
だからこそ正直に告白します。絶対すぐに打ち切られると思ってた。
ジャンプ歴長いとなんちゃって評論家になっちゃうんですよね。「まあ俺は面白いと思うけどジャンプ読者にゃ受けないよな」とか謎の上から目線で数々の打ち切り漫画見てきましたから。『背すじをピン!と』も殆ど同じ感想抱いたもん。俺は面白いと思うけどジャンプ読者には…って。それが今でもジャンプで人気なのがこの漫画の凄さ。
『背すじをピン!と』は凄い
つっちーは普通に「等身大」の主人公なの。「ヒーロー」ではない。
ついでに、スポーツ万能じゃないし、素人だし、何か凄い才能があるとかではない。競技ダンスに惹かれてゼロから始めるズブズブの素人。丁寧に着実にゆっくり競技ダンス部員として成長していく。個人的にこういうの大好きですよ。
でも、スポーツ漫画の醍醐味つったら「熱量」「迫力」「爽快感」ですしおすし。
残念ながらつっちーにそれを見る事は出来ない。ジャンプ漫画(ジャンプに限らんが)じゃ、直ぐにでも主人公は試合して魅せて勝たなきゃね。打ち切りコースです。ニセコイの小野寺さんの霊圧ぐらいすぐ消えちゃう。
だからスポーツ漫画っていうものは基本的に主人公を天才タイプとか経験者にする傾向が強い。あんまり特徴が無いド素人の男の子の等身大の青春スポーツ物をあえてジャンプで挑むその心意気は素晴らしい。が、生き残れるのか?生き残ってる!これが本当に凄い。
スゴイ
スポーツ漫画の醍醐味があったね。
圧倒的な迫力と躍動感。ダンスシーンの熱量は半端じゃない。
つっちーは「見る」側だけどね。競技ダンスって見るのも面白いですしね(ウリナリ社交ダンスぐらいしか見たことないけど)。そこから「やる」側に転換するわけですが、最初にダンスって凄いと感じて丁寧に部活シーンを描く様子はなかなかどうしてよ。
先輩たちがスポーツ漫画の醍醐味を体現するなら、つっちーは部活漫画の醍醐味を体現するね。「楽しい」である。
はじめて競技ダンスを踊ってみて「楽しかったです」と言ったのが物語っている。楽しくて少しずつ成長していく様がね。いいんだ。可愛いは正義だけど楽しいも正義よ。だから少しずつダンスに夢中になる。
少しずつ夢中になる
部活で教わった事を帰りの電車でやってみるの図。これわかるわー。
別にダンスに限らず、何でも最初にやってみて楽しかったものは夢中になっちゃうからね。初めてゴルフやって楽しくて夢中になる人は日常生活でついつい素振りの真似事するおっさんいるじゃん。そんな感じ。徐々にハマる様子が競技ダンスの楽しさをサラッと表現するね。
これぞジャンプの掲げる「努力」「友情」「勝利」ですよ。
それを丁寧に等身大で描く。
練習で努力し、部員と友情し、勝利もしてる。
1巻では試合も大会も出てないけど、間違いなく「勝利」している。
できた
足型練習がはじめて出来た時の爽快感たるやね。
別に逆転満塁サヨナラホームランもロスタイムで劇的ゴールを決めたわけじゃない。なんだそんな事かって思うかもしんないけど、めちゃくちゃ読んでて気持ち良い。つっちーの手汗のトラウマもあって、わたりさんと2人で汗びっしょりになりながら足型練習を成功させた時の達成感よ。
競技物の面白さは、この「やったぞ!」って感覚。
日常ではなかなか味わう事が出来ない。大きな山場やドラマチックな演出でなく普通の学校生活の部活の練習で味あわせてくれる。じっくり時間をかけてゆっくり成長する青春部活。
つっちーだけじゃなくてわたりさんと2人でってのがまた良いね。実に良い。
青春ですよ青春!少年と少女が男子と女子にクラスチェンジする。
青春だよな
わたりさんとの日常の何気ないワンシーンが最高すぎる。これぞ青春の1ページ!かつてデスノのニアも「二人なら並べる。二人なら越せる」とか言ってたが、つっちーとわたりさんもそんな感じだ。2人の青春のステップが踊る踊る。さすがダンス漫画だよ。僕らの胸を躍らせる。
まあ、わたりさんのはヒロインとしてはパンチが弱い。だがそれが良い。ジャンプはインパクト重視なのに、こんな地味な娘をヒロイン…と最初は思ってた。
が!既に私に私の心をガッチリキャッチしてますね。確かに理央先輩や秋子先輩のインパクトに比べると弱い。ほっこり系のヒロインです。でもね、話が進むうちに、いつのまにかわたりさんにハートを盗まれていた。気付いたらわたりさんに夢中になってる。そういう浸透力がある。
わたりさん
じっくり時間をかけてゆっくり読者のハートをキャッチする青春ヒロインだ。『背すじをピン!と』を体現するヒロインといってもいい。ハートキャッチわたりさんですよ。
話を進めるうちに、俺ってこんなにわたりさんが好きだったっけ?って戸惑ってる事に気づくだろう。ジワジワ浸透するね。わたりさん可愛い。
そしてラブコメとしても期待したいところ。等身大の青春をど真ん中に描くんだから、そりゃラブがコメらないほうがおかしい!まだ恋だの愛だのに落ちる前でしょう。でも、とても貴重な期間です。これが「気になる」になり「好き」になるはずだ。背すじだけでなくね、わたりさんとのフラグをピン!とね。まる。
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