ルフィの危機に兄・サボが登場して燃える展開だった前回のラスト。
ドレスローザ編も終盤に差し掛かり、覇気が使えなくなったルフィの為に剣闘士の有象無象がフラフラのドフラミンゴ相手に時間稼ぎ。サボはバージェスと闘うようです。『ワンピース』787話のサブタイトルは“4分前”。ルフィの覇気が使えるようになるまでの時間です。
バージェスに対して、かっこ良く決めるサボは「ルフィのバックにはおれがついている!よく覚えとけ…!」と言い放つのであった。ひゅー!サボ△□×(さんかっけー死角無し)。
ルフィのバックにはおれがついてる!
これはグッとくるよ。
黒ひげ海賊団に対して、エースのことでは恨みはしないというのが良いね。兄貴だなと。導き手だなと。大人だなと。そう思ったものです。これも『ワンピース』の一つのテーマでしょうか。というか、ルフィとドフィの対立軸にも置き換えられるけど。
魚人島編での、人間への恨みを捨てて人間を愛せと主張するオトヒメ王妃や、タイヨウの海賊団に起きた「悲劇」と「人間への怒り」を伝えるなと述べたフィッシャー・タイガーが如実でしょうか。まあ、王道的な復讐は何も産まない的なやつ。『ワンピース』の良い所は、これを大人が言う事でしょう。
少年漫画の主人公の王道台詞「復讐は憎しみを生むだけだぞ」「そんなことしても◯◯は喜ばないぞ!」と言った感じの復讐者に対する達観した弁が、おっさんの俺は10代の小僧が何を分かった風に言ってんねんと斜めに構えてしまうのだが、ルフィはそんな事言わない(飛影はそんあこと言わない風に)。これが良い。
述べるのは、導き手の大人だからね。そう考えるとドフラミンゴはこの世界への復讐が動機付けですからね。まだまだお子様とも言える(41歳)。ツイッターで見かけたんだけど、ドフラミンゴは大きい子供ってのはなるほどなぁ、って。確かにドレスローザのおもちゃを子供のドフラのメタファーにも見えるし、あんだけチヤホヤ育てられればなぁ…と妙に納得してしまった。
また、サボがメラメラの実を食った者と知ったバージェスは標的をルフィからサボへ切り替えました。モチのロンで、狙いは自分が食うために能力を奪う為でしょう。
狙いをサボへ切り替えた
「標的をおれに切り換えたな…!?」
「―つまり、目的は噂に聞く、“能力者狩り”か!!」
そういえば、バージェスにとってはサボがメラメラの実を食ったという事実は知らなかったんでしたね。改めて、サボが自分が食う予定だったメラメラの実の能力者だと知り、奪い取る事にしたようだ。サボVSバージェスが改めて開始された。
やっぱこの兄弟は最高だ。「誰にも渡さねェよ!“あいつ”の形見だ」と笑顔のサボに胸が熱くなるね。エースの意志を受け継ぐ感じがグッド。黒ひげ海賊団の能力狩りは、相手を殺さなきゃ奪えないそうなので、サボから能力を奪う事は無理でしょう。サボは死ぬはずがない。なぜなら、ルフィの夢の果てを見守る役目があるからだ。
夢の果て
夢の果てである。遥か以前に語ったが、幼いころに、本を書きたい、存在を認めさせたいという夢を語るサボとエースに続きルフィも己の野望を海へ叫ぶのでした。「ししし…!そうかよーし、おれはなァ!」と、ここで尾田っちはルフィの野望をカットしてしまいました。さすが尾田っちだぜ。見事な放置プレイ。ルフィの野望を聞いた2人の感想は「…お前は…何を言い出すかと思えば…」(エース)、「あははは。面白ェなルフィは!」(サボ)である。
ルフィの夢は当然「俺は海賊王になる」であろう。義兄の反応は明らかにおかしい。2人は「は?」と何言ってるのこの子のような反応。さらに、エースの死に際ではルフィに対して心残りがあると述べていた。
心残り
「心残りは…一つある…。お前の―"夢の果て"を見れねェ事だ…だけどお前なら必ずやれる…!おれの弟だ…!」
エースの心残りはルフィの夢の果てが見れない事であった。夢は海賊王になること。ラフテルへの到達。ひとつなぎの大秘奥を見つけることでしょう。「夢」でなく「夢の果て」とは?これが、幼少時代に海へ向かって叫んだ言葉でしょうけど、まだ作中で明かされてません。
ルフィの夢=海賊王になること
ルフィの夢の果て=?????
サボは、エースの心残りであったルフィの“夢の果て”を見守る義務というか、受け継がれた意志がある。だから、バージェスなんか殺されるわけにはいかないのである。というか、ワンピ的解釈で言えば、意志を継ぐものがいれば死なないからね。エースはサボの中で生きてる。胸熱だぜ。
しっかし、ドフラミンゴは足元を「フラ…フラ…」させるぐらい立ってるのがやっとなのに、恐ろしい圧倒的な強さであった。
ドフラミンゴ
能力は稀に覚醒し己以外にも影響を与え始めるらしいけど、もうそんな次元でなく、糸で作ったと思われるモノで串刺しにしながら相手を体力も使わず蹴散らすドフラミンゴ。
地獄絵図である。
能力の覚醒の凄さと同時に、執念、怨念、無念、因縁、意念、悪念、邪念、寂念…の塊のような邪悪さである。この男に観念の文字は無い(上手いこと言っちゃいましたか)。信念(ルフィ)VS執念(ドフィ)、希望(ルフィ)VS絶望(ドフィ)の決着は近いか。
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