さて、「鋼の錬金術師」が次回のガンガンで最終回を迎えるようです。本当にマーベラスな物語で名作すぎでした。特に胸が熱くなったのは、ブラッドレイ大総統です。アニメでもブラッドレイに痺れまくりですよ。
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で、以前にブラッドレイ大総統は裏をかかれたりピンチになった時には笑顔になるという話をしました。なぜ笑うのかと言えば、全てがお父様に決められたレールの上を歩くだけの人生であった為に、逆に予定外の自体が楽しいということ。
自分で意思決定する事無く決められたレールの上を歩いてきた男ですが、一つだけブラッドレイ自身で決めた事があります。それが妻です。
妻だけは自分で選んだ
「家族ごっこ。確かにそうだ。あれは上に与えられた『息子』だ。息子だけではない。『大総統の座』も『部下』も『力』も全て与えられた。いわば権力者ごっこだ。だが妻だけは自分で選んだ」
ホークアイ中尉に対して、ブラッドレイは全てが「ごっこ」だと言い放った時に、妻だけは自分自身で選んだと言い、ホークアイも驚いていました。
レールの上の決められた人生を歩いた男が唯一の選択で選んだのが妻なのです。
ブラッドレイ夫人は、夫と息子がホムンクルスというのは、非常にアレではありますが、養子のセリムを自慢の息子と語るなど、惜しみない愛情を注いでいました。
ブラッドレイ夫人
決められたレールの上を歩くだけのブラッドレイ。
予想外の抵抗にニヤリと笑ってしまい、楽しいと言い放った男。
自分の人生で唯一意志選択をしたのが妻というのは胸熱ですね。
話変わって、 ホムンクルスは死ぬとチリとなって何も残りません。
ラストはマスタングに敗れ「完敗よ」と呟き最後までホムンクルスとしての誇りを持ちながらチリとなって消えました。
ホムンクルスは賢者の石のせいか、例外なくチリとなって死体すら残らないのです。
エンヴィーも死に際は粉々にチリとなって何も残さず死にました。
エンヴィーの最後
ホムンクルスには死体がないのです。
しかも、最後の最後でエドワードに自分の全てが理解されてしまったのは響きます。
「エンヴィーおまえ…人間に嫉妬してるんだ。おまえらホムンクルスよりずっと弱い存在のはずなのに、叩かれてもへこたれても道をはずれても。倒れそうになっても、綺麗事だとわかってても、何度でも立ち向かう、周りが立ちあがらせてくれる。そんな人間がお前は羨ましいんだ」
エンヴィーは「こんなガキに理解されるなんて…」と嘆いて泣いていました。ホムンクルスなのに人間が羨ましいとは。そして、ここからは単行本派の方にはネタバレ全開ですのでご注意を。
ただ決められたレールの上を歩んできたブラッドレイの死に際こそ、マーベラスすぎて胸が熱くなりまくのです。
両手を切断されても口で刀を加えてスカーに襲いかかり、圧倒的な執念と強さに鳥肌が立ちますが、ついにブラッドレイは最後を迎えてしまいます。ランファンに「言い残す事は無いカ?」と尋ねられれば、即答してのけるのです。
言い残す事は…
「無い!!」
我が人生一変の悔いなしということでしょうか。
清々しく即答で悔い無しと言い放つブラッドレイにランファンは面を食らいながら「貴様には愛する者はいなかったのカ?友ハ?仲間ハ?妻ハ?」と、さらに尋ねます。
あれは私が選んだ女だ
「…妻か。愛だの悲しみだなくだらぬ言葉を垂れ流すな小娘。なめるなよ、あれは私が選んだ女だ。私とあれの間に余計な遺言など要らぬ」
なんという名台詞が飛び出してしまったのか。
決められたレールの上をただ歩いていただけの男が、唯一選んだ妻に対しての台詞は胸が熱くなるな。
またブラッドレイの死に対しては以下の素晴らしいメールを頂きましたのでコピペしておきます。
大総統は、再生能力はないけど一応はホムンクルスなので、「死んだらチリになるのかなー、どうかなー」と思ったのですが、人間の体を残したまま死んでいます。
昔のエピソードで、大総統はホムンクルスになって以来の自身を、「今の自分は、元々いた自分なのか、賢者の石の人格なのかわかんないや」ということをホークアイ中尉に向かって言ってたのと併せて考えると、「ホムンクルスの死に方じゃない=人間として死ねた=なんか混じってるけど大総統はちゃんとした人間だったよ!おめでとう!」ということになると思います。本人にしてみれば、「死んでみて、人間だったということが分かった」っていうことになるので、あの充実した死に顔になったのもあるのではないかと思います。
マーベラス!
素晴らしい意見です。
そう、ブラッドレイ大総統は自分が何者か分からないと言ったり、人間が好きなような事を言ったりしており、エンヴィーのように人間が羨ましかった節がありました。そして最後に死んだ時、他のホムンクルスのようにチリとなって何も残らないという事無く、死体が残っているのです。
死体が残ったブラッドレイ
チリとならずに死体が残ったという事は、人間として死んだのでしょうか。
しかし、ブラッドレイの妻に対する台詞は感動ものでした。
「家族ごっこ」と言っていたのに。
さらに、セリム(プライド)の家族に対する思いがマーベラスなのです。
セリムといえば、アルフォンスと一緒にホーヘンハイムに閉じ込められた時に、母親の事をアルフォンスに語っていた事が興味深いです。
母を語るプライド
「あれは世間で言うところの『良い母』なのでしょう。一度私が車に轢かれかけた事があったけれど、身を挺して助けに入りましたからね。その気になれば、私は自力で逃げる事ができましたが、あの必死さには面くらってしまいましたよ」
ブラッドレイも妻を「あれ」と呼んでいましたけど、セリムも母親を「あれ」と呼んでいます。「あれ」呼ばわりしているものの、身を挺して自分を守った母親に対して「母親とはこういうものなのか…」と、アルフォンスに呟いていたのは印象的でした。
そして、最終決戦でまさかのギンブリーさんの登場で、エドワードに敗れてしまったセリム。最後はチリとなるのかと思いきや、赤ん坊の本体になりました。そして呟いた台詞が鳥肌ものなのです。
セリムの呟き
「ママ」
夫と息子がホムンクルスというシャレにならない立場でありながら、ホムンクルス2人は最後までブラッドレイ夫人を思っていたのです。マーベラス!「家族ごっこ」と言いつつも、家族愛があったのです。ブラッドレイ一家がどういう家族生活をしていたか分かりませんが、ブラッドレイ夫人の思われっぷりに胸が熱くなるな
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