『かぐや様が告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』
今週のヤングジャンプ(17号)から『かぐや様が告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』(赤坂アカ)の新連載が開始されました。
いや正確にはミラクルジャンプからヤンジャン本誌への移籍なんですがヤンジャンの連載から読み始めても問題無い仕様です。これが実に素晴らしかった。おいでませヤングジャンプへ!(←ヤンジャン読者を勝手に代表している)
作者の赤坂アカ先生は『インスタントバレット』を前作に描いており、話が二転三転する息をつかせぬ展開の連続でとんでもないストーリーテラーだと活目していました。
そんな氏の新連載が『かぐや様が告らせたい』。ラブコメ漫画です。っておいおいラブコメ描くのかよ!と斜めに構えてたら最高にニヤニヤできかつ息をつかせぬ恋愛攻防っていうね。
超期待大
主な登場人物は2人。
生徒会副会長の四宮かぐやと生徒会長の白銀御幸。
私立秀知院学園はかつて貴族や士族を教育する機関として創立された名門校。
現在でも富豪名家、将来の国を背負う人材が就学している。そんな名門校で生徒会長と副会長は一般生徒から一目置かれている存在です。
四宮かぐやと白銀御幸
この2人は両想いで告ったらそこで試合終了の状態である。
ラブコメとしては後一歩踏み出せばゴールなんですが、その一歩を自ら踏み出さないのが面白いところ。
両雄恐ろしくプライドが高く、白銀は「この俺に釣り合う女が居るものか」と思いつつ、かぐやに対しては付き合ってくれって言うのなら付き合ってやろうと上から目線で構えています。
対して、四宮かぐやも「この私を誰だと思ってるの?」と名家のお嬢様として自らを龍、他の愚民をミミズと例え付き合える者などいないが、白銀だけはミミズとしては良い線なので白銀が跪き懇願するなら付き合ってあげてもよろしくてよ?という態度でいます。
四宮かぐや
両者どう見ても両想いなんです。
しかしながら、プライドがものすっごく高く、自分から告白したら負けという思考が働き相手からいかに告白させるかという頭脳戦を繰り広げるのでした。惚れたら負けとはよく言ったものである。お互いが好きなくせに自ら告白するという選択肢が無い究極の恋愛バトル!
まあ、はたから見ればただただ不毛な争いなんですが。
1話目では白銀がスマホを購入するも、自分からラインのIDを聞かないという攻防が繰り広げられます。異性に連絡先を訊く、そこには下心が少なからずあり、特別な意味「LOVE」が生まれてしまう。アドレス交換1つで世界の終わりかのような熱い戦いが繰り広げられのでした。
熱いバトル
謎の熱量である。
お互いが自分から動いたら(好意を示したら)負けという脅迫概念のようなものを持っております。自ら好きのシグナルサインを出してはいけない。絶対に負けられない戦いがそこにはある。
ラブコメの面白さって「じれったさ」を手に汗握りながら戦局を見守るところがあるじゃないですか。そこを突き詰めたのが『かぐや様は告らせたい』なんです。
もはやお互いが後一歩、いや半歩踏み出せばカップル成立なのに、どちらから好きと言わせるかの頭脳戦を繰り広げるっていうね。
両者ここまでふっきれているとそれはそれで巨大な敵と戦う勇者のようにすら見えてくるから不思議だ。かっこいいと思う。でも冷静に考えると、お前らは一体何と戦ってるんだ?というやるせない不毛な疑問が出てきてしまいます。
お前ら何と戦ってるんだ?
両者捻くれた性格のせいで見えない巨大な敵と戦うのでした。
ラブコメと宣言しつつ、ハートフルなイベントなど無い。いやハートフルになりそうなんだけど、やっぱりお互いプライドが高くてハートフルの一歩手前で様子を見合う。
2人ともどう見ても両想いなのに、変則的な寸止めラブコメを繰り広げるのである。
しかも無駄に壮大に。とは言いつつ、ただのギャグ漫画にならずに、思春期男女特有の相手がどう想ってるか本気で悩む様の心情描写がとても上手く、恋愛漫画としても目が離せない一進一退のやり取りがある。
2人とも学校じゃ一目置かれる大物なのに、心の中は小物そのものなのもグッドだ。ラブコメとは戦争なのです。両者の一見すれば無駄な不毛な争いの中に恋愛真剣勝負を垣間見ることが出来る。頭脳戦ラブコメであり、読ませる息をつかせぬ展開の連続。非情に期待が高いラブコメと言っていいでしょう。
つまりまとめると…。
かぐや様は可愛い
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