『波よ聞いてくれ』3巻読了。
そういえばアフタ本誌では「波くれ」という略称を使っていましたが、どうもしっくり来ないんだよなぁ。「波聞」いや「よいてくれ」…うーん。いまいち「これだ!」って感じがしません。「むげにん」はピッタシだったんだけど(どうでもいい)。
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3巻ですが相変わらず面白いですね。
最初から強烈なキャラだったミナレさんのキャラがさらに頭のネジ2~3本抜けた感じがたまりません。
沙村広明先生にしてはめずらしくじっくりとヒューマンドラマを描くのかなと思ったけど、まったく勢い衰えない疾走感よ。今まで一番笑えてかつ中身が濃かったのではないでしょうか。
『波よ聞いてくれ』3巻もめちゃくそ面白い
2巻の続きの深夜の冠番組第二回の放送から。
ドラマ自体がよう分からんストーリーで突っ込みどころ満載なのは仕様として、キレキレのギャグの中でなかなか深いのがすごい。というのも、この放送は「今日お前は光雄と共に、死んで生まれ変われ」と言われてはじまったはずなんですよ。
私は死ぬまで彷徨える日本人鼓田ミナレだ!!
なんとミナレさん生まれ変わることを断固拒否!
台本通りでもなんでもありません。
台本は「ミナレ※以下最後までアドリブ」と書かれているのです。神様に全てを浄化して生まれ変わらせてやると言われても、アドリブで「誰がいつ浄化してほしいと言った?」と後悔も業(カルマ)も沢山あるけど無かったことにしたくないと言い切るのである。
「後悔した」という事を後悔してるわけじゃないから
私は過去をやり直したいわけでも、消し去りたいわけでもない
ただ挽回したい
麻藤さんはこの放送を今までのミナレさんの「埋葬」で「生まれ変わる」ための儀式と述べてたのに。一方のミナレさんがそれをアドリブで拒むというのは面白い展開ですね。「死んで生まれ変われミナレ」→「私は死ぬまで彷徨える日本人鼓田ミナレだ!!」の流れよ。
でも生まれ変わったらしい
今日からの私は…鼓田ネオ・ミナレ
結局生まれ変わったのかよ!
どうやらミナレさんは一度死んで生まれ変わったようです。
神様に拒否したのは今までのことなかった事にし後悔などを浄化して新しく生まれ変わることでなく、ミナレさんがミナレさんとして新たに生まれ変わったようです。「ネオ・ミナレ」である。おお!言葉の意味はわからんがとにかくすごい自信だ!
その証拠に光雄のアドレスも消して着拒を宣言。
ミナレさんが今までのことをリセットして生まれ変わりたかったわけではなく、今までのことを背負ってネオ・ミナレになったのである。具体的にどこかどう変わったのかいまいち分かりませんがミナレさんは成長している!多分。
シセル光明
第19話「あなたをぬくめたい」
19話の冒頭でシセル光明を見送る「キミ」の夢(?)が描かれます。
キミとは麻藤さん。別に若くもなく今のおっさんの姿でしたが。沈んだ顔をしているようです。いわく「これが何十年も昔の夢である事と、あんたがいずれ出先で凄惨な事故に遭う事を知ってるからですよ」と。現在と過去が入り混じった夢のようです。
そもそも麻藤がミナレさんをラジオに誘った理由が、ミナレさんがシセル光明という芸人に似ているからだったからね。一体、麻藤とシセル光明の間に何があったのだろうか。
はじめてシセル光明の名前が出たのは3話。今から30年前に活動してた芸人で「俺がテレビ局からラジオ局に移る原因になった人だ」と麻藤は語っていました。麻藤は元々テレビ局にいたのにシセル光明が原因でラジオ局に移ったようです。
次にシセル光明の名が出たのは5話。「お前なら数字が取れると確信しているからだ」とラジオ番組をやれと言う麻藤。なんでカレー屋の素人・ミナレを気に入って肩入れするのか聞かれ、シセル光明の写真を見せるのでした。どことなく似ていると。スキルが似ていると。
謎が謎を読んだシセル光明。
麻藤が見る夢うつつで色々と分かりましたね。麻藤とシセル光明がどういう間柄だったのかが…。
・麻藤とシセル光明は「戦友」の間柄
・空港でのやり取りが最後になった(?)
・シセル光明はイギリスに行った(BBCや英国コメディグループのモンティ・パイソン)
・1976年以前の出来事(モンティ・パイソンが日本で放送されたの1976年)
・イギリスで凄惨な事故に合う(死んだ?)
・麻藤のが年下(敬語&お年玉でプレゼント貰ってる)
・会話から察するにテレビ局のペーペーと若手芸人以上の関係か?
こんなところか。
なかなか興味深いですね。空港での別れが最後なのかな。
麻藤は元々はテレビ局にいたけどシセル光明が原因でラジオ局に移ったらしいのでイギリスで起きた事故(死亡?)となにか関係もありそうな気もしますが…。
おそらく麻藤は、夢半ばで死んでしまったシセル光明に似ているらしいミナレさんに色々と重ねいるのかな。ワンピ風に言えば受け継がれる意志的なアレ。まだ詳細が分からないので何とも言えないですけど。
ロックだった
19~22話にかけてミナレさんの冠番組第三回の話なんですが…まあ笑ったわ。
奇妙なFAXからはじまり息を付かせぬサスペンス展開。
オカルトから発展していくの猟奇事件です。金田一くんもコナンくんも裸足で逃げ出す名推理を見せるミナレさん。からのどんでん返し。この漫画はロックなのだ。流石は沙村広明先生!キレキレです!
笑えばいいと思うよ
「おおおおお!?」からのズッコー展開ではあったけど、ミナレさんが生まれ変わるのを拒否して全ての業(カルマ)を背負って生きていくというのはこういうことかって納得できるものでもありました。
なんたって、この番組は「ただただ挽回したい。そんなダメ人間が集う人生リハビリ番組」になったからなのだ。台本の無いアドリブ(自分の不始末)で番組の方向性が決まってしまった。無かったことにせず浄化しない番組が誕生した!頑張れミナレさん。あんたが痛さナンバーワンだ。
いやそれにしても。笑ったわ。ゲラゲラと。
壮大に4話も使った事件で緊張感とスリルを存分に味わった後にずっこけたからね。ミナレさん本当に酷かった。色んな意味で酷過ぎた(褒めてます)。
南波ちゃんと久連木の関係は…?
南波ちゃんと久連木
第23話「あなたを支えたい」では南波ちゃんがラジオ業界に入るきっかけと久連木の出会いが描かれてます。なるほどなぁ。南波ちゃんは高校時代の説明会で久連木と出会っていたのか。
南波ちゃんが久連木に抱いてるのは恋愛感情ではなく憧れって感じです。
とはいえだ。
13話で見せたドロドロした雰囲気は何かある臭いがプンプンしましたからね。収録が終わり久連木が茅代を食事に誘うのを物憂げで悲しそうな表情だった南波ちゃんからは昼ドラの空気が張りつめてた。具体的には…。
「(甲本 →) 南波ちゃん → 久連木 →← 茅代」
って人間関係が推測できたから。
ただ純粋に憧れてるだけなのか、それとも横恋慕的な好意が横滑りしてる関係なのか。茅代と久連木がただの仕事仲間なのか大人な関係なのかも気になるところです。
話は変わるけど南波ちゃんの制服は、沙村広明先生の短編集『シスタージェネレーター』に収録されてる「久誓院家最大のショウ」の制服とまったく同じですね。南波ちゃんと呼ばれたキャラが出てましたけど同一人物ってことかな…。
久誓院家最大のショウの南波ちゃん
あの南波ちゃんがいまの南波ちゃんに成長したと思うと感慨深いものがあります。
恋愛?
後書きで沙村広明先生は以下のように述べておりました。
あ?恋愛?知ったことではありませんね。なんか色恋沙汰を取り込まなきゃいけない決まりあるんですか?(以下日本の出生率を語る)
こうは言ってますけど南波ちゃんには恋愛方面では期待値ある。
24話では久連木を食事に誘うも断られてました。
食事に誘う南波ちゃん
バッサリ断る。茅代には久連木から誘ってるのに。
断られた南波ちゃんはけっこう凹んでました。可愛い。
久連木の断り方も大人の対応というか、南波ちゃんが自分に好意を持ってるのを分かってる上で断ってる感じなんですよね。しかも、南波ちゃん茅代が電話してるのに気付いて避けるようにUターンしてるし。なにこの三角関係の臭い。まだ詳細は分からないけど。
もう恋愛方面は南波ちゃんにしか期待できないから。
ミナレさん?もう諦めました(キッパリ)。
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コメント
シリアスな場面なのに「シセル光明」て名前で何度でも笑う
南波ちゃんぐうかわ
久誓院家の時の子かぁ
気づいとりませんでした
じゃあ”波よ聞”でお願いします。
これまではなんとなくで読んでいたんですが、最近は面白くなってきていい感じです