『バーサス』(ONE、あずま京太郎、bose)めちゃくちゃ面白かった!なろう系ブームの波で今はオリジナル漫画でも流行りの異世界ものが増えました。これもそういう系統…と見せかけて予想外の展開に「そ、そうきたかー!」と唸る。
天敵“魔族”の台頭と侵攻により、人類が虐げられ続けて数百年。
世界は“大魔王”と、その配下である47体の“魔王”により支配されていた。
人々は怯えて暮らしながらも、世界中から選び抜かれた47人を“勇者”と名付け、魔王軍に対抗すべく準備を進めていた。
そして今、人類の存亡を懸けた決死の作戦が始まろうとしていた―――。
※まずはマガポケで3話まで読んでください。
異世界の勇者
中世ヨーロッパ風の世界観のファンタジー。物語は47人の勇者が一堂に会し、王様から魔王討伐の命令が発せられるところからはじまる。この世界には47人の魔王とそれを束ねる大魔王が君臨して、人類を蹂躙しています。
主人公は第11勇者のハロゥ。勇者にはそれぞれ補助妖精が付いており(ハロゥの妖精はパネパネ)、持ち主の魔力と精神力に反映される勇気の剣がある設定。
あずま京太郎先生は『テンカイチ(AA)』(こちらも非常におすすめ)で見せた大迫力のアクションや決めシーンが鬼カッコイイ。47人の勇者が旅立つのとかブルッとくるぐらい決まってる。で、ONE先生のことだから、主人公は最強オブ最強でスカッとするものと想像するじゃん。
「ONE×あずま京太郎」とか、まさに『ワンパンマン』の「ONE×村田雄介」に比肩する黄金コンビになる予感しかしません。
さあ見せてくれ!最強主人公ハロゥよ!
〝天敵〟 それは自然界における特定生物種にとって絶対的な捕食者となる存在を指す。昆虫にとっての鳥であるように、カエルにとってのヘビであるように、人類にとっての×××であるように。天敵に勝つことは絶対に不可能(1話)
って、主人公弱ぇぇぇぇぇ!!
いやまあ正確には魔王が強すぎるんですが…。王道の強者に挑む演出、仲間との絆、主人公の覚悟など魔王を倒す前フリ十分から、まるで歯が立たないのです。逆立ちしても埋めようのない実力差が明確に描かれてるのです。
天敵に勝つことは絶対に不可能
このナレーションがめちゃくちゃ胸に刺さる。人間の天敵は魔族なのかと。今作はONE先生の原作でも「主人公=最強」ではないのです。天敵にはどうしたって勝てないのです。
二転三転する驚き
現実世界と異なる時空から…別の世界を丸ごと召喚した!!(1話)
実は47人の勇者が魔王に挑むのと同時に、魔導士隊も世界各地を回って召喚魔法陣を作っていたのです。それが別の世界からの召喚です。
なろう系などで鉄板の異世界から召喚して代わりに倒してもらう系ってやつ。別の世界の人類に助けを求める。違う歴史を辿った世界の人類を召喚したのです。
現れたのは科学技術がすごく発達しており光線銃みたいのぶっ放す人達です。魔族を一蹴してみせたのです。
なるほど!これは中世ヨーロッパっぽい文明で魔法などがあるファンタジー世界に、科学の暴力で魔族たちを蹂躙する系なのかと。『ゲート自衛隊彼の地にて、斯く戦えり』みたいな感じかと。
ところがどっこい!実は召喚したはずの科学技術発展してる人達は「人類の敵によって滅亡の危機に瀕してる」と助けを求めたのである。って、ええええええ!?
我々を助けてくれないだろうか
彼らは「異次元ゲート発生装置」を起動して並行世界の人類に助けを求めていたのです。いわくロボットのAIが発達して人智を超えて、人類に牙を向いた世界なんだとか。
「魔族に蹂躙される人類の世界」と「ロボットに蹂躙される人類の世界」。どうやら2つの世界は、まったく同じタイミングで助けを求めて召喚し合っていたのです。
さらに物語は良い感じにドライブして二転三転を繰り返していきます。というか本題に入る前フリがめちゃくちゃ長い。にも拘わらず前フリの段階でめちゃくちゃ面白い。
「お、この展開はテンプレの○○か!」→「えええええ!全然違うやんけ!」って驚きが味わいまくれる。めちゃくちゃストーリー回しが上手く、のめり込んでからの驚きの連続展開でひっくり返してくる。最高か。
13の世界が結びついた人類絶滅寸前物語
さあ、話し合おう。俺たち人類が滅びの運命から抜け出すための方法を!!(3話)
『バーサス』の本題は13の世界が人類滅亡の危機に瀕しており、同時に別の世界に助けを求めて、13の世界が繋がってしまったことである。13の人類に天敵がいて滅亡寸前。世界が繋がったことで天敵も×13になってしまうのです。
13の世界と天敵は以下の通り。
- 魔勢界…天敵は魔族(大魔王と47人の魔王)
- 機律界…天敵はロボット
- 寄生界…天敵はパラサイト
- 巨人界…天敵は巨人族
- 大凶界…天敵は大怪獣
- 天鬼界…天敵は宇宙人
- 暴緑界…天敵は大自然
- 新虐界…天敵は新人類
- 怒神界…天敵は神
- 呪滅界…天敵は呪い
- 遊極界…天敵はゲーム
- 無法界…天敵は人間(文明とモラルが崩壊)
- 大樹界…天敵は世界樹
「無法界」は同じ人間なんでパンチが弱い気がするけどまだ出てきてないのでよく分かりません。いずれの世界でも人類は天敵によって滅亡寸前です。文明も人種(っぽいもの)も異なる世界。それらが繋がった。
そしてこの漫画はあまりのも自然の摂理で「天敵に勝つことは絶対に不可能」なのです。13世界の人類は13の天敵に逆立ちしても太刀打ちできない。魔法や科学や身体能力が優れていても、人類は勝てない。
他の世界の人類がそこの天敵と戦っても、ちょっとは善戦できても、天敵は世界が違っても人類が勝てないのである。ならどうするか?これがこの漫画のキモ。まさにタイトルの意味が理解できた。
魔族VSロボット
タイトル『バーサス』はそういうこと!
人類は絶対に天敵に勝つことは不可能。ならば…どうやって立ち回るか?
窮鼠猫を噛むと言うが、ネズミはネコに噛み付くことなど無理ゲー。しかし、ネコはネズミを狩りにきてて、違うネズミ同士が絶妙に逃げたり立ち振る舞えば…ネコ同士が争い出すのです。
「魔族」VS「ロボット」VS「パラサイト」VS「巨人族」VS「大怪獣」VS「宇宙人」VS「大自然」VS「新人類」VS「神」VS「呪い」VS「ゲーム」VS「人間」VS「世界樹」
天敵同士が戦うとどうなる!?いずれの天敵も、猛威を振るって人類を絶滅寸前まで追い詰めている絶対最強の化け物たち。しかし…『バーサス』である。
今作はONE先生のお馴染みの絶対最強主人公ではない。主人公含めて人類は弱い。天敵には人類が太刀打ちする術は無い。天敵同士を戦わせるようにすればもしかして…という立ち回りをするようになると思う。
人類が絶対に勝てない天敵同士が戦えば…どっちも甚大なダメージ受ける。食物連鎖ピラミッドの頂点、自然界の最強無敵捕食者が×13!繋がった異世界で最強VS最強(敵)!めちゃくちゃ面白れぇぇぇ!!
とにかく大迫力の絵と構図の連続で震えまくる。その上で、流行りの異世界ものかと思わせて前代未聞の系統という。「この発想は無かった」と唸らせる妙。ミクロで見ても丁寧に作られて面白いドラマがある。あまりにも壮大な「VS」じゃん。今後の展開や広がり含めて超楽しみ。
マガポケなら無料で読める
講談社公式アプリ「マガポケ」なら『バーサス』が基本無料で読めます。あずま京太郎先生の『テンカイチ』も!ヤンマガ・マガジン系など講談社作品が沢山無料!
- それでも歩は寄せてくる
- 兎山女子高校2年1組!!
- 生徒会にも穴はある!
- 世が夜なら!
- 幼馴染とはラブコメにならない
- 可愛いだけじゃない式守さん
- カッコウの許嫁
- 山田くんと7人の魔女
- ヤンキー君とメガネちゃん
- はじめの一歩
- UQホルダー
- 魔法先生ネギま!
- EDENS ZERO
- 化物語
- 東京卍リベンジャーズ
- 炎炎ノ消防隊
- 彼女、お借りします
- 不滅のあなたへ
- ブルーロック
- シャングリラ・フロンティア
- 黙示録の四騎士
- カノジョも彼女
- 女神のカフェテラス
- アルスラーン戦記
- トモダチゲーム
- あせとせっけん
- コウノトリ
- 転生したらスライムだった件
- 乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令状に転生してしまった…
講談社の作品がたくさん読めます。
無料ですのぜ是非とも通勤・通学のお供にアプリを入れてみて下さい。
また、ONE先生の『ワンパンマン』はヤンジャン!で、『モブサイコ100』『REIGEN』はマンガワンで無料で読めます。
コメント
この発想はすごい!読んでみます!!
こんな話が見たかったんだ。
よく有る展開だと、魔族とロボットが協力して人類を襲い出すから。