『少年のアビス』81話「この町の女」感想・考察 もっともこの町の女なのってどう見ても…

『少年のアビス』81話「この町の女」

カーン（←ゴングが鳴る音）

私も数多くのラブコメや恋愛漫画を読んできましたが、『少年のアビス』ほどヒロイン同士のガチンコバトルをする作品を見たことがないですね。

修羅場やヒロイン戦争なんてちゃちなもんじゃ断じてない！もっと恐ろしいものの片鱗を味わえます。殺気が桁違いです。

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81話「この町の女」感想

柴ちゃん先生VSチャコ

どうせ令くんの〝信頼〟が欲しくて玄くんを拾ったんでしょ…。やっぱりこの女何も変わってないわ…。

【悲報】柴ちゃん先生魂胆見透かされる！

かつての柴ちゃん先生は思い立ったら即行動だった。いまの柴ちゃん先生は長期プランで作戦を練って実行する。レイジの信頼を取り戻す作戦もバッチリ決まっていた。

しかし、チャコはそんな柴ちゃん先生の魂胆を見抜いていたのであった。この漫画唯一の良心だった、あのチャコが…と感慨深いやら残念な気持ちになるやら複雑です。

それにしても柴ちゃん先生が頑張って会いたいの我慢して実行した作戦を一目で見抜くチャコは恐ろしい。内心が透け透けスルーじゃん！

柴ちゃん先生はヒロインがしていい目つきじゃない気がしますがきっと気のせいでしょう。

恋愛頭脳戦（闇）

チャコの自分も迷える子羊ですアタックを綺麗にかわそうとする柴ちゃん先生。どっちも表立っては平和風に取り繕ってて内心は闇全開なのがすごい。

本心を一切言わず・見せず表面上だけで高度な戦いをしています。これは恋愛頭脳戦（闇）ですわ。ヒリヒリする空気感だ。

ふぅー。

なんという息をもつかせぬ攻防戦か。

お互いが持てる本音を一切語らず「そうはいくもんですか！」と誘導する。表面上だけは平和的ですが剣を突き立て合ってる。「レイジの女」の座を勝ち取りにきている。恋愛漫画多しと言えども、これほどの名（迷？）勝負はめったにお目にかかれません。

この空気感に居た堪れなくなったであろう玄。対してレイジはガチで平和的に話し合ってると思ってそう。

傘を刺す柴ちゃん先生

傘は差すものでもあるが刺せる！！

大草原不可避である。

やっぱ柴ちゃん先生は素晴らしいな。

緊迫して胃液が出そうなヒリヒリした展開であろうとも読者を笑顔にしてくれる。どんなにド修羅場でもね。精神が摩耗した読者を労わって積極的に笑いを提供してくれるんです。ダーク系漫画広しと言えども胃に優しいメンヘラは柴ちゃん先生だけ！

例えるなら揚げ物のキャベツですよ。トンカツや串カツばっかり食べてると胸やけしてしまいますからね。そこで間、間にキャベツを食べて胸やけを防ぐ。柴ちゃん芸とはそういうものなのです。読者に優しい！胸やけしない！

まあ、チャコとの戦いは客観的に見て柴ちゃん先生の負けでしたけどね。近いうちに再戦しそうな予感。この敗北は倍返しや！

そもそも『少年のアビス』ヒロインズで一番戦ってるのは柴ちゃん先生だから。玄とも夕子ママともチャコともガチンコバトルで死闘を繰り広げてきた。ほらバトル漫画の主人公は強敵と一番戦うじゃん。それと一緒です。

この町の女

ああそうか。こいつも〝この町の女〟か…

お前もな！！

チャコはレイジをこの町に縛り付けたいようだ。柴ちゃん先生はレイジと町を出たい。そんなことは絶対許さないと凄まじい目つきでダークな面を見せるチャコに思わず夕子ママを重ねて「こいつもこの町の女か…」と思う玄であった。

いやさ。このロジックだと玄が一番「この町の女」だよね。レイジとこの町で一生一緒にいたいんだもん。一生一緒にいてくれやって三木道山マインドなんだもん。

夕子ママもチャコもレイジくんを離さない！この町から出るなんて許さない！という思想に染まってますけど、玄だった同じ穴の狢ですよ。

なに客観的に自分は違いますみたいなモノローグ出してんのさ。

あんたもこの町の女だよ（男です）。

こうして並べると「この町の女」なのに、町を出るマインドの柴ちゃん先生はヒロインズの中でも別格だということが分かる。つまり、この恋愛レース（？）は柴ちゃん先生の勝ちだ。まる。

少年のアビス

峰浪りょう

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