『ドラフトキング』(クロマツテツロウ)がヤバイくらい面白い!
いま一番面白い野球漫画は何か?と聞かれたら『ドラフトキング』と即答する自信がある。スカウトの目線で描かれた傑作野球漫画である。野球漫画というよりも濃密なヒューマンドラマと言ってほうがいいかもしれない。
全てのプロ野球選手が通るプロ野球の入り口、ドラフト。その陰には、高校野球、大学野球、社会人野球、独立リーグ…全ての野球選手の中から隠れた才能を見出し、プロへと送り込むスカウトマン達の活躍がある!! 並外れた眼力を持つスカウトマン郷原が見出した選手とは…!? その年のNo.1選手、ドラフトキングの獲得を目指すプロ野球スカウト譚開幕!!
※ヤンジャン!なら基本無料で読める。
スカウトを題材にした作品
売れるプロ野球選手を骨の髄まで知り尽くす。唯一無二のキラキラネームのスカウトマン。「眼力」と書いて「オーラ」と読む。郷原眼力(オーラ)だ。※ハーフではない
『ドラフトキング』は架空のプロ野球団「横浜ベイゴールズ」(どう見ても横浜DeNAベイスターズがモデル)のスカウトマン・郷原眼力を主人公(視点は新人スカウトの神木良輔)にしたプロ野球のドラフトに焦点を当てた野球漫画です。
郷原は一見するとすちゃらかで傲慢であるが、実はめちゃくちゃ優秀なスカウトマン。プロ野球で活躍できる選手を見抜ける確かな「眼」を持ってます。
スカウト陣は獲得すべき選手を調査・議論してチーム強化に必要な選手を指名していく。ドラフト指名に関してプロ野球やアマ野球を舞台に濃密なヒューマンドラフトが繰り広げられるのが最大の見所です。
ドラフトキングとは?
スカウトマンたちの目的は何か?複数団競合する大物新人を獲得することか?これはクジ引きなんで縁が無ければほぼ取れない。この作品の面白いところはタイトル通りその年の「ドラフトキング」を獲得することにある。
ワシらが発掘すべきはドラフトキングや。落合博満ドラ3、イチロードラ4、工藤公康ドラ6。誰ひとり新人王なんぞ獲っとらん。せやけど改めて考えたら間違いなくその3人はその年のドラフトキングだ(3話)
ドラフト1位や2位の選手は下位指名選手よりも活躍する可能性は高い。だから他球団と差をつけるには上位指名選手を確実に大成させるか…下位指名選手の下剋上に期待するのだとか。それがドラフトキング!
新人王を獲得するのでなく、総合的にプロ野球で活躍した選手がドラフトキングである。それが下位指名からならよりドラマチック。郷原のスカウトとしての「眼」は隠れた才能を見出すことに長けてる。
プロ野球ファンならニヤリとする
架空の球団の物語でもリアルのプロ野球とリンクしてたりファンならニヤリとできるネタも多い。例えば最初の章である「2番目の男」。
オマエは東条ばかり気を取られて2番手投手の桂木康生をリストアップしなかった。イマエは無能としか言いようのないカスだ(1話)
埼玉花崎徳丸高校のエース東条はドラフト1位で競合確実の目玉。そこで2番手投手の桂木康生をドラフト指名するかしないかで激論を交わす。郷原は絶対に指名すべきだと推すが、どう見てもプロで通用しない並の投手である。
桂木康生を指名する紆余曲折を面白く描きながら、指名すべき理由で「そうきたか!」と膝を打つ。
俺は確信してる
桂木康生は球界を代表する遊撃手に育つ
野球好きならPL学園エースだった松井稼頭央(西武新監督)を思い出すでしょう。投手しかやってなかったし、名門PLで1年から試合出てたのに西武がまさかの野手指名して、球界を代表するショートになったのである。
桂木康生は絶対松井稼頭央を元ネタにしてるな…と思わずニヤリとしてしまう。
濃厚なヒューマンドラマ
7話
単純に隠れた逸材選手を見抜いて指名していくだけでなく、スカウトの酸いも甘いも描く骨太なのも特徴です。スカウトという裏方の仕事であるが、そこに矜持も流儀もありグッとくること多数。
プロに入る選手だけでなく、プロ入りしない選手にもスポットを当て、人生に寄り添っている姿が描かれている。プロ・アマ問わずに選手の人生や苦悩を理解して分かち合っている濃厚なヒューマンドラマ仕立てになっています。
各編に様々な登場人物がおり、いつのまにか登場キャラの誰かに感情移入しているようになる。読者をそこまで引っ張る描写力は見事の一言。
スカウト同士の駆け引き
11話
他球団のスカウト同士でバチバチにやり合うのもこの漫画の魅力の一つ。「横浜ベイゴールズ」の郷原を筆頭に、「大阪ホワイトタイガース」の毒島スカウト、「福岡ブラックホークス」の中溝スカウトが選手獲得のためにガチンコで戦うの様はバトル漫画のような熱量。
毒島も中溝も選手を見る「眼」は郷原並で超一流。中学時代から目をつけたりちょっとグレーゾーンな方法で選手の信頼を得てたり…。スカウトは「眼」だけではないところまで掘り下げるのがこの作品の奥深さでもある。
どんなに「こいつは絶対プロ野球で活躍できる」と確信しても球団を説得したり、選手枠の事情が付きまとう。ある選手を獲得するために福岡ブラックホークスのチーム事情を見抜いての裏技ドラマは圧巻。
感動的
『ドラフトキング』の面白ポイントはたくさんあるけど一番はやっぱりここぞの名言でしょう。高校野球(中学野球まで)、大学野球、社会人野球、独立リーグ…と様々な舞台をスカウトの視点で描かれる中で名言がそのまま名シーンとなる。
何度も胸を熱くさせられる。特に長編の「それぞれの選手ファースト」は大人の嫌な部分や球界のアレな部分も描きつつ、色んな立場からの選手ファーストか紡がれる。鮮やかな感動がありウルっと泣いてしまう。
ドラマが繋がる
84話
オムニバス形式のように各章のキャラとストーリーがまじで面白い。突如覚醒した選手、回り道をした選手、ドラ1位からパッとしなかったり、戦力外になった選手などなど見応え十分&感情移入しっぱなし。
特に読み応えあるのは初期に登場したスーパー中学生が強豪校を中退してから再起を目指すエピソード(ドロップアウトした天才)&大学で野球を辞めた選手の成り上がり(捨てられた天才)。2つはリンクしており、また対戦相手がこれまで出てきたキャラである意味オールスターのようになって燃えまくる。
野球好きはもちろん、それほど野球好きでなくても楽しめ泣ける人間ドラマは最高すぎる。超お勧めです。まる。
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コメント
どう見ても亜細亜大学で現広島の薮田がモデルの憂羅志亜大学の蔵田が出てきます
こんな作品があったのか
昔、同じような題材の「スカウト誠四郎」(三田紀房)が短期打ち切りになったけど、この作品は成功する事を祈っています
大学,実業団監督とのいざこざだったり
育成システムへの切込みなど非常に読み応えがありますね
直近の下位指名ですと2018年の巨人戸郷選手,阪神湯浅選手
共にドラ6ですがWBCで大きな活躍でした