胃がキリキリするんだってばよ!
つーわけで「ホワイトアルバム2」の感想の続き。
マジで名作で泣ける痛く切ないですよ。
今までの恋愛ものがチープに思えるぐらい圧倒的。
エロゲとしても人死なないし、魔法もないし奇跡もないし異世界もないし、あるのはリアルな等身大の男女の恋愛だけ。それをここまで魅せてくれて傑作に昇華するなんて、凄い作品でした。
(以下、基本ネタバレ全開なので見たくない人は心の目で見て下さい)
ホワルバ2
・closing chapter
どうでもいいけど「峰城ステーション」と流れると肩の力が一気に抜けて脱力してしまいます。この魂が抜けてしまうような脱力感はリトバスのエッチシーンに流れるBGM並にです。なんだこの魂を抜けさせるナレーションは…。で、ようやく本編なわけですけど、もう最高ですね。
雪菜と距離を置いた3年後。
和泉千晶も杉浦小春も風岡麻理も個別ルートの完成度は素晴らしくどのキャラも他のエロゲならメインはれる程のシナリオで大満足でした。
本当に魅力的な娘たちで、何度も転びそうになったものです。特に麻理さんとのやり取りは頬をニヤニヤしまくって丸戸氏の黒タイツへの想い(性的な意味で)をビビッと感じ、個人的には最高の思い出ですよ。
しかし、私は雪菜への愛を序章で貫く事を決めたので、何度も転びそうになったけど、最後まで雪菜ラブを貫いてプレイし続けました。
特に小春ルートの雪菜の切なさと痛さがヤバイ。春希と別れる時は無理に笑顔を作ってたのが分かり、小春に泣いてるところを見られたのはマジで俺が泣きそうになるってもの。
雪菜
うわあぁぁぁ、切ねぇ…
僕から言わして貰えば千晶ルートも小春ルートも麻理さんルートも、あくまでパラレルワールドで『おいた』みたいなものです。
故に、雪菜ルートは別格。
当然、最後に残しており雪菜ルートに入った時の俺は心からガッツポーズを取ったもの。というか最初から雪菜しか見てなかったのに、何度もスキー旅行で終わってしまい、壁を何度も叩きつけそうになったものですよ。
ああ、なるほど他の娘とのフラグもある程度立ててないと雪菜ルートに入れないわけね。くそ、さすがお人よしの春希とそんな彼に心底惚れた雪菜だわ。
何より選べない選択肢がヤバイ。
12月31日に出てきた選択肢。武也たちに2年参りを誘われた際に出てきた選択肢。
以前に、かずさの記事を書いた事で冬馬曜子のコンサートのチケットを受け取っており、選べもしない選択肢が出現しやがるのです。
選べない選択肢
1、コンサートに行く2、二年参りに行く
「コンサートに行く」という選択肢はどう頑張っても選べません。
もし朋がバンドメンバーをメチャクチャにしなければ…と何度も思ったように、もしコンサートに行ってればかずさと違ったストーリーが展開されてたはず。でも選べない。だからこそ「closing chapter」は雪菜ルートしかないし、雪菜しか選べません。
しかし、依緒に雪菜に電話をかけて貰い春希がかわった後の言動の男らしさよ。ようやく雪菜しかいないと気づいて行動を起こすわけですけど、その胸が熱くなるほどの行動力は花丸だ。そしてこの台詞。
「それから、それからさ…」「これが一番謝らなくちゃならないことだと思うんだけど」「それなのに俺…やっぱり雪菜が大好きだから」
この時、春希と俺のシンクロ率は400%…というか完全に同化しました。
その後の思春期中学生のようなカップル展開に何度も心の中でガッツポーズを取りながら頬をニヤニヤさせたものです。そして歌えなくなった雪菜がまた歌うようになる流れは屈指の名シーンってもの。マジで泣きそうになりました。
「歌は嫌いなの。もう、二度と歌わない」「わたしはね…」
「あなたを好きでい続けるために、歌の方を嫌いになったの」
「もし歌えば、必ず、この学園祭のステージが…皆で練習した毎日が、最後の24時間が蘇る」
「わたし、嫌いになってしまうかも…憎んでしまうかもしれなかったから…」
「だから、歌うのをやめた」
歌わない歌えない
「わたしがまた歌えるようになったその時…そこには、あなたのことを嫌いになってるわたしがいるかもしれないのに?」「わたしはやっぱり、あなたのことが好き。だから、あなたが好きなままのわたしでいたいんだよ」「だから、できないよ…。もう一度歌うことなんて出来ないんだってば」と、春希が好きだからこそ歌をやめたと言う雪菜。切ないですね。
歌えば春希が嫌いになるかもしれないから、春希を好きなままでいたいから歌わない。
これを踏まえると、小春ルートの雪菜の切なさが大爆発するってもの。
だって雪菜は同窓会でカラオケに行って歌ったと述べるから。
歌ったらしい
先週の中学の同窓会二次会でカラオケに行って歌ったらしい。
5曲連続で入れて大ブーイングを食らったと述べる雪菜。
どんな気持ちで歌ったんだろうか。
作中では語られなかったけど相当な葛藤があったはず。
春希と別れたのは二週間前で、その一週間後にカラオケで歌ったって事は、春希の事を嫌いになろうと歌ったんだろうけど。でも嫌いになれなかったようで、最後の涙が俺の心の琴線を鷲掴みにしまくる。なんて報われない、可哀相な娘オーラ発してるんだと。
千晶ルートじゃ正史通り(初めてキスしたのがかずさだった)の演劇見て目を見開いてほんの少し自虐的に笑みを漏らして唇を噛みしめた雪菜の痛可愛さよ。
「closing chapter」の雪菜ルート以外は、全て雪菜を振るエピソードがあって俺の精神を弱らせてくれるぜ。だからこそ雪菜ルートは感涙ものです。
・coda
最終章。すでにここまでで傑作確定しているのに、「coda」に入る入り方が神すぎてOPが始まった時には鳥肌が立つってもの。
ラスボスかずさの登場で、俺の精神はさらにズタボロになるのである。特にかずさルートの痛さは半端なく、ワンクリックする度に俺の精神を削っていき、寿命をごっそり縮めていきやがります。
かずさルートはもう止めたいのに止められないという謎の中毒性を引き起こすってもの。劇薬のようなものです。特に小木曽家との決別シーンは吐きそうになるほど苦しかった。武也とのやり取りはグッとくるものがあって、やっぱり辛かったし。
最後まで痛くて切なくて魂削られたわけですけど、ラストに流れた「POWDER SNOW」がすごく良くて、なんともいえない放心状態になってしまいました。というか雪菜派からすればかずさルートは心臓を鷲掴みにされるぐらい痛くてキツかった。
で、最後にプレイするのは雪菜ルート。
僕は給食でも好きなものは最後に食べる性質で、美味しいものをとっておくのです。既に精神ボロボロの中での雪菜ルートは格別であり、これぞ丸戸シナリオという「優しい世界」「居心地の良い世界」でした。
特にかずさと雪菜のビンタし合うのが胸熱すぎる。これぞ第二次平成ビンタ合戦である。もうね、俺の中で「ホワイトアルバム2」の正史これです。とにかく素晴らしかった。泣いた。感動した。大団円万歳!
しかし雪菜は最後まで報われない娘のオーラが半端なかった。
せっかく「closing chapter」で春希と俺がシンクロというか同化したのに、「coda」でかずさに揺れまくる春希の優柔不断っぷりを見て何度も「春希死ね!」と心で叫んだか分かりません。その度に雪菜を傷つけて泣かせて。でも、傷ついて悲しんで泣いてこそ雪菜の魅力が光るんだよな。
最後まで泣き顔がグッときた
僕の中でのエロゲヒロイン史上でクイーン・オブ・泣き顔が似合うヒロインになった雪菜。
かつてこれほど、傷ついて泣き顔が似合うヒロインがいただろうか。
否、いない。
雪菜は傷つけられて痛くて切なくて泣いてこそ光るキャラなのである。まったく、めんどくさい娘だ。だからこそ俺の報われない娘好き属性にビビッときてしまい、最高のヒロインとなったわけです。だってこうなったのは春希のせいだから。
こうなった原因
「…北原くんと話してると、どんどん自分の性格が歪んでいくのがわかるよ」
本当にまったくその通りだから笑えません。北原春希に出会ったせいで性格が歪んでどんどんめんどくさい娘になってしまった雪菜。だからこそ唯一無二の存在になったと俺は思うわけですよ!
個人的に注目してたのは「あいつ」という呼び方。
かずさも春希もお互い相手がいないところではお互いのことを「あいつ」と呼んでいました。「あいつ」のいない冬がとか語られるように春希にとっては「あいつ」という呼び方は特別だったことでしょう。
これは「closing chapter」の千晶ルートでも語られていました。
千晶を「あいつ」と呼ぶ春希に対しての雪菜。
あいつ
「わたしは、なれなかった。春希くんに『あいつ』って呼ばれる女の子に、とうとう、なれなかった」
結局「coda」の雪菜ルートでも最後まで春希は雪菜の事を「あいつ」と呼ばなかった(見落としてたらすみません)。雪菜がいないところでも一貫して「雪菜」と名前か「あのひと」と呼んでおり「あいつ」なんて一度も言う事がありませんでした。
でも、むしろ最後まで「あいつ」になれなかったからこそ雪菜ルートは至高であると言いたい。だってかずさの代わりじゃないし、雪菜は雪菜で唯一無二の存在だから。
「あいつ」と呼ばれる女の子には最後までなれなかったし、なる必要もなかったけど。
それでも特別な女の子になったから。
ややこしい女の子で
かずさを嫉妬して、春希を疑って、自分を嫌いになって。
やり場のない怒りを5分だけ一番愛してる春希に向けてぶつける嫌なめんどくさい女の子。
「こんな面倒な手順を踏まないと、あなたに応えることもできない、ややこしい女の子で…」。もちろんややこしい女の子のしたのは春希であり、春希と出会いさえしなければこんなへんてこりんな女の子になってないし。
「あいつ」と呼ばれる女の子のはなれなかったけど、春希のせいでめんどくさい、へんてこりんな女の子になってしまったでござるの巻き。一つの幸せを手に入れる為に、苦労して、なのに嬉しくて仕方がない愚かな女の子になった雪菜。
一番頑張ったし、辛い思いもしてし、だから幸せになっていいし、なって欲しいってもの。
「わたしが一番頑張ったんだよ!」
「とっても辛い思いをしたんだよ!」
「だからいいよね?幸せになってもいいよね?」
春希「俺と、幸せになろう…?絶対、幸せにしてみせるからさ」
「closing chapter」の雪菜ルートでシンクロした俺と春希。
「coda」でかずさに揺れまくって、「春希死ね!」と思い離れてしまった俺と春希が再びシンクロして同化した瞬間でした。誰もが幸せになったわけで俺は心から泣いたわけで。
「あいつ」と呼ばれる女の子にはなれなかったけど、やっぱり特別な女の子だった雪菜。本当に「このコ」を選んで良かったって心の底から想えた女の子が雪菜。グランドエンディングでは小木曽家の男衆同様に号泣しまくったってもの。あー、このゲームに出会えてよかったとから思ったもの。まじで傑作。
コメント