『かくしごと』(久米田康治)
久米田康治先生の新連載が月マガで開始されました。
「『さよなら絶望先生』『かってに改蔵』の久米田康治」ってせかどろは無かった事になっているのだろうか。
正直、新連載が月マガと聞いてなんだかなぁ~(国府田マリ子風に)って感じでした。
なんつーか久米田作品はリアルタイムというかライブ感で読みたいんですよ。ネタの鮮度落ちちゃうし。週刊誌で読みたかった。で、実際に1話を読んでみて心配は杞憂に終わりました。面白いやん!
超面白いぞ!
漫画家・後藤可久士とその娘・後藤姫の親子物語なり。
下ネタギャグ漫画家で世間体が色々とアレなので娘に正体を隠して漫画家しているという設定の愛と羞恥のまんが道なり。娘に下ネタ漫画家だとバレないように四苦八苦する姿は笑えるね。
まず、作りが凄い。
月マガの中の1つの連載ではなく、月マガの中に1つの雑誌があるって作りになっている。「週刊かくしごと」である。
第1号「かくしごと」、第2号「理由」、第3号「その作品」、第4号「ひめごと」、第5号「新担当」、「あとがき」…という構成で1話が収録されている。各号毎に後藤可久士先生の巻末コメント(のようなもの)や柱の煽りがある。非常に面白い作りですよ。絶望先生のコミックにあった紙ブログを進化させたような感じ。
タイトル『かくしごと』は、「描く仕事」と「隠し事」の言葉遊びが合わさったもののようだ。「描く仕事」が「隠し事」という。また名前が可久士(かくし)というのも意味深。案外『可久士事』なのかもしれん。(「私事」的な意味で)
まあ、なんつーか可久士がどーみても久米田先生なんだよね。
漫画家と知られ自分のキャラ以外を描く。
分かる人には分かるネタとでもいうのか。これどーみても久米田先生の実話やんか。例えば『かってに改蔵』で子供にセーラームーンを描いてくれと頼まれて「はい。セーラームーンですね。ワンピースも描く?」と対応したり。コナンを描いた事もあるそうな。『絶望先生』の紙ブログ(8集)でもネタにしてました。
全裸で漫画を描くとか、昔の著者近影が作者写真が全裸とかさ。『南国』時代の久米田先生そのものじゃねーかよ!これはひょっとして、久米田先生の自伝漫画なのかもしれんなとか思ったり。巻末コメントで「念のため言っとくけどオレの話じゃないですからね」とコメントしてましたが、車田正美先生の自伝漫画よりは本物っぽいと思いました。
漫画家ネタが久米田先生の実話を元にしてるとしか思えない。
ネタが色褪せることのない漫画家あるあるネタ?でした。これならコミックになった時も鮮度が落ちませんね。逆に時事ネタ無しくて寂しく感じてしまうのは久米田ファンの仕様です。
ちょっと気になったのは姫ちゃんのご学友の面々。
姫ちゃんの友達
どう見ても絶望少女なんだけど。
大草さんと千里と日塔奈美のそっくりさんが登場します。スタジオパルプのようなものなのかしら。ただのスターシステムかもしれん。が、何にしてもファンにとっては最高すぎるってものですよね。
また、「あとがき」の中で色についてのアレコレも引っかかりました。父親の職業を「無職(むしょく)」ではないと「無色(むしょく)」と言葉遊びのようでいて、姫ちゃんの「いろんなお色でいっぱいぬれるね」は意味深ですね。
いろんな色で塗れる
果たして新連載『かくしごと』はどんな色で塗られるのでしょうか。
ギャグ漫画として面白いだけでなく、絶望先生のように何やら深い根っこの芯でホロリとさせてくれそうな予感がプンプンするんですよね。
だってですよ!
0話の予告編(公式サイトで読めるぞ)が未来の姫ちゃんなんだもん。
予告漫画(どー見ても未来)
18歳の姫ちゃんである。
「ここに私の知らないあの人がいる」と18歳で隠し事は描く仕事だと暴かれた予告漫画。1話を見た後だと未来の出来事だと分かる。なんで1人なんすかね。パンドラの匣(箱より匣は蓋が閉まってる隠してる要素が強いぞ)としてはじめて父・可久士の原稿を目撃する様子だった。今からこの予告にどー繋がるか楽しみだぜ。
コメント
かくしごと 読んで見たくなりました