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『ゴールデンカムイ』、めったくそ面白い件

 


ゴールデンカムイ 3 (ヤングジャンプコミックス) ゴールデンカムイ 2 (ヤングジャンプコミックス) ゴールデンカムイ 1 (ヤングジャンプコミックス)
 

今さらなんだけどヤンジャンの『ゴールデンカムイ』(野田サトル)がめったくそ面白い

 

日露戦争後の北海道で繰り広げられる宝探し物語である。

僕は歴史モノがそれなりに好物なんですが、『ゴールデンカムイ』はまさに心の琴線を鷲掴みにする面白さである。まあ、まずは例によって1話を読んでみてください。
<まずは1話を読むべし>
『ゴールデンカムイ』1話(集英社マンガネット)

 

『不死身の杉元』日露戦争での鬼神の如き武功から、そう謳われた兵士は、ある目的の為に大金を欲し、かつてゴールドラッシュに沸いた北海道へ足を踏み入れ
る。そこにはアイヌが隠した莫大な埋蔵金への手掛かりが!?
立ち塞がる圧倒的な大自然と凶悪な死刑囚。そして、アイヌの少女、エゾ狼との出逢い。『黄金を巡る生存競争』開幕ッ!!!!

 

めったくそ面白いな!

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楽しめる観点は多様

どうしても大金が欲しい元軍人の杉元がアイヌの隠した莫大な埋蔵金をアイヌの少女・アシリパと一緒に探す物語。

 

杉元・アシリパコンビの他に埋蔵金を狙うのは、宝の在り処を示す刺青を脱獄した囚人と大日本帝国陸軍・第7師団の三つ巴。どいつもこいつもキャラが良い。魅力的である。

 

6

良いキャラ

 

メインキャラの2人のキャラが本当に良い。

 

杉元佐一は何故、一攫千金を狙うのかというバックボーンがしっかり描かれており命を掛けるだけの説得力がある。夢や浪漫でなく現実的であり尚且つ胸が熱くなる理由である。アイヌの少女アシリパも金塊を見つける事が父親の敵討ちに繋がると考え行動を共にする。

 

敵キャラの多彩さにも唸らさせられる。次々と出てくる敵キャラとの戦闘の連続にもマンネリ化しないのは、ひとえに敵キャラ1人1人の個性が立っているからでしょう。明治末期という時代設定をギリギリはみ出さないバラエティ溢れるキャラ達。

 

物語は、宝探しという浪漫溢れる展開を主軸に置き三つ巴のバトル展開を繰り広げていく。もちろん、メインのストーリーは面白い。プラスしてアイヌや明治末期の北海道など歴史や文化的な見所が多い。特筆すべきは食事であろう。

 

1

美味そうな食事

 

めったくそ美味そうである

 

料理漫画でないのに料理が美味そうな漫画は名作の法則(俺調べ)の通り、『ゴールデンカムイ』の料理は、凡百のグルメ作品が裸足で逃げ出しそうなレベルで美味そうな料理を次々と量産する。

 

料理が美味そうなだけでなく、食ってるシーンと食った後の反応と完璧な流れ。

思わずヒンナ(アイヌの食事に感謝する言葉)と言い出すレベルです。

 

また、料理もアイヌ料理だけでなく、明治末期の北海道のソバ、猟師の肉料理…など多彩である。もちろん、そのどれもが美味そう。とはいえ、美味しい腹が減る料理だけでないのも活目すべきところであろう。ぶっちゃければ、ゲテモノ料理(一般的な感覚では)も頻繁に登場する。

 

2

不味そうな食事?

 

めったくそ不味そうである

美味そうな料理とのギャップが凄い。アイヌと杉本とで文化のギャップがある。動物の生肉を飛び越え、目玉や脳みそを生で食う。我らの感覚ではゲテモノ料理そのものなのですが、杉本はなんのかんので顔芸をしながらそれを食う

 

ゆえに、3巻で収録されている桜鍋で食べる味噌(アシリパはうんこだと思ってる)が素晴らしい。2人の仲が拗れ仲直りの意味もある桜鍋料理。

 

今まで杉本がアイヌ料理を美味そう&不味そうに体験してきた逆バージョンで、アシリパが和人料理を体験する。この流れはいいよね。しかも、アシリパが食うまで、食う瞬間、食った後のリアクションの流れが芸術的ですらある。

 

3

オソマおいしい

 

謎の感動を生む。
最初の頃はかなりシリアス一辺倒だったのですが、料理を通じてちょくちょくギャグを挟むようになり、今ではギャグ漫画といってもいいぐらい笑えてしまうのである。回が進むにつれてギャグの頻度も威力もどんどん跳ね上がっていく。めったくそ笑える

 

ギャグの躍動感が半端ない。作者がノリノリでハイテンションで描いているのがビンビン伝わってくる。しかも、シリアスの時とのメリハリが効いており見事な多芸さに舌を巻く。どの方面でも超面白い

 

『ゴールデンカムイ』のキモは杉本を通してアイヌ文化を追記体験するに留まらず、明治末期の和人文化や猟師の文化も楽しめ、尚且つそれらがうまい具合に融合させていく。多文化主義である。和人とアイヌの少女の価値観や文化の違いが徐々に埋まっていくというか近づく様子がグッとくる…というか笑える

 

そして何より、私の心の琴線を鷲掴みにするのはアシリパの可愛さに尽きるであろう。

 

4

アシリパの可愛さ

 

めったくそ可愛いな!

アシリパは唯一無二の可愛さである。

 

思わず頬をニヤニヤしてしまうのは仕方がない。おっさんと少女のコンビは漫画等では王道にて正道ですけど、少女は守られるものですからね。だがしかーし!アシリパは「私を子供扱いして相棒として信用せず」とか対等であろうとするのが実に良い。実際に強いしな。

 

杉本が「大切」という基本にして普遍な少女キャラでありながら、対等であり、物凄く残念ヒロインでもある。だ・け・ど!アシリパは普段残念ヒロインなんだけど、時たま(本当に希少)見せる正統派の反応は金塊の輝きがある。一瞬!だけど閃光のように!

 

いやー、見どころ満載、夢いっぱいの面白さ。シナリオ良し、アクション良し、文化良し、飯良し、ギャグ良し、テンポ良し、メリハリ良し、アシリパ可愛い…どの方面でも突き抜けた素晴らしさ。超お勧め!

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