『ワンピース』788話は、先週同様にルフィの覇気が戻るまでの時間稼ぎである。
剣闘士の面々がドフラミンゴを討ち取って鳥カゴを消そうと奮闘しますが、体力を使わず糸で次々と串刺しにしていく。これが覚醒した悪魔の実の能力か。完全に規格外である。
糸で串刺しって事は「鳥カゴ」同様に覇気を乗せているのでしょう。「覚醒した能力+覇気」のコンボは完全に別次元の世界を見せてくれる。
ルフィも覚醒すればこのレベルになるのだろうか。ドフラの足止めをする以外の名のあるキャラ達は「鳥カゴ」を押す。いや、海軍や動ける国民たちみんなが押す。その結果、確かに止まった。一瞬!だけど閃光のように!
全員協力
全員協力!この展開は熱い。熱いぞー!
今回のドレスローザ編で一つの確信が生まれた。誰もが希望(ルフィ)にかけている。ルフィは堂々とヒーローになる。ルフィにそんなつもりは毛頭ないだろうけどね。リュウグウ王国もそうか。
新世界に入るまでは人知れず町や国を救ってきたけど、ドレスローザの国民は誰が救世主か知ってるからね。ここが新世界突入前と突入後の明確な違いかな。
新世界前までは、一部の人だけがルフィが救世主と知って町人や国民は真相を知らなかった。でも、今回はリク王が「相対するは海賊麦わらのルフィ!」「希望はあるのだ!」と国民に演説したからね。
ヒーロー(絶望)とヒーロー(希望)
ここでもドフィとルフィの対比が面白い。
どっちもドレスローザのヒーローである(ルフィは予定)。ドフラは自作自演の仮初だけど。ドフラが「絶望」で、ルフィが「希望」なのもなかなかどうして。
同じドレスローザのヒーローなのにこの対比よ。奇しくも、ドフラの言ってた「もっと国中が恐怖に震え上がり!リク王を心底怨みきった時だ!ヒーローの登場はなァ」がソックリそのままリボンをつけて返ってきてるが。
今回のドレスローザ編で国民にも救世主と知られたルフィは間違いなくヒーローとなるだろう。リュウグウ王国だけでなく、このドレスローザ、ひいてはドフラのせいで戦争で困ってる周辺国(プロデンス王国や花ノ国)も助かるね。
これは、麦わら一味のナワバリになるという事でしょうかね。四皇の規模は凄いらしいけど、着々と対抗する縄張りを持つようになる可能性が微粒子レベルで存在する?
788話 私の戦い
あと、気になる点といえば、ルフィの元にローが現れた事でしょう。
『ワンピース』788話“私の戦い”
今夜はコロッケかな?
その心は、キャベツはどうした?
確か、ローを一人にさせないと「自殺願望は聞けない…僕も残る」と述べて一緒にいたはずなのですけど。今回の「鳥カゴ」を押す中にキャベツを発見する事はできません。ローが1人でルフィの元へ来たのに。キャベツはどこ行った?
でも、今回の最も括目すべき点はヴィオラでしょう。、
ヴィオラ
ドフラ
「―じゃあ、お前は何をしに来たヴィオラ」ヴィオラ
「ドンキホーテ・ファミリーが崩壊するというのに…」
「幹部だった私が…何のケジメもつけないなんてムシが良すぎるでしょ」
「私が死ぬか…あなたが死ぬかよ!“ドフィ”!!」ドフラ
「フッフッ…!情熱的だな…ヴァイオレット」
なんだろう。
この2人のやり取りは凄く色々と引っかかる。
そも、ヴィオラはどうしてドンキホーテ・ファミリーの幹部になれたのであろうか。
ヴィオラがドフラの軍門に下ったのは「父を殺さないと約束してくれるなら、私はあなたに従います」と、千里眼のギロギロ実の能力にドフラが惚れこんだらしいけど。以前にも述べたけど、正式にドフラファミリーに加わるのは絶望を知るものみである(多分)。
77巻のSBSでモネとシュガーの姉妹がドフラファミリーに加わったのは大変不幸な環境から救われたと述べていた。
いわく「ドフラミンゴは人の育った”環境”を重視します」だとか。これには、なるほどなーって納得しました。そりゃ、ベラミーがいくら億の懸賞金の大物になっても相手にしないわけですよ。絶望的な過去を持つ者のみドフラは仲間と認める。なぜなら、ドフラも同じだから。
ドフラの過去
虫ケラ以下に扱われ、“苦しい”って“悲しい”って“辛い”って何だか知ってしまった元天竜人。
だから「この世界を…全て破壊してやる」と誓ったのであった。これがドフラの悪夢の果てでしょうか。ドフラも海賊王を目指してる(byモネ)ようですが…。
白ひげいわく「ワンピース(ひとつなぎの大秘宝)」を見つけると世界がひっくり変えるらしい。ドフラが知ってるマリージョアの国宝は世界を揺るがすらしい。ドフラは「ワンピース(ひとつなぎの大秘宝)」が何なのか知ってる可能性が高い。
ドフラミンゴが海賊王…「ワンピース(ひとつなぎの大秘宝)」を目指す理由は世界をひっくり返して天竜人が牛耳る世界を破壊する事であろうか。おそらく、ルフィも「ワンピース(ひとつなぎの大秘宝)」を見つけて世界をひっくり返すんでしょうけど、目標は同じでも目的は別物。
そんな破壊願望しかないドフラの家族は絶望を知る者のみ。で、ヴィオラはドフラにとって正式にドンキホーテ海賊団(ファミリー)の一員だったのであろうか。
確かにヴィオラの過去は絶望である。でも、それドフラ自らやった事だしなー。気になるのはお互いの呼び方でしょうか。
お互いの呼び方
ドフラは最初「ヴィオラ」と本名で呼んだんだけど、ヴィオラに「ドフィ」と言われ、「情熱的だな…ヴァイオレット」と呼び方を変えました。
「ドフィ」と呼ぶのは、ドフラミンゴファミリーの中でも最高幹部のみ。ようするに幼なじみ(義兄弟)の、ヴェルゴさん、トレーボル、ディアマンテ、ピーカの4人だけである。他は「ジョーカー」「若」「若さま」とドフラを呼ぶ。なぜ、ヴィオラが「ドフィ」と親しみの名称で呼んだのであろうか。
また、ドフラは「ヴィオラ」と呼んでたのがドフィと呼ばれて「ヴァイオレット」と点まで付けて呼び方を変えたのが気になります!「ヴァイオレット」の名はドンキホーテファミリーの幹部として名前を変えたものである。さらに「情熱的」だなという言い回し。取り出したナイフ…。ズバリ、788話のサブタイトルは「私の戦い」です。
匂うね…。
三ツ星ラブコメハンターの俺の勘が言っている。
ドフィとヴァイオレットはただならぬ仲である、と。
男と女の匂いがプンプンするぜー!
「この国の女性達は恋に情熱的で嫉妬深く、男の裏切りにあったりすると、よく人を刺します。美しい人程、まー刺しますよホント!」
ドレスローザの女性は恋に情熱的なのだ。そして嫉妬深く、男の裏切りにあったりすると、よく人を刺すのだ。ようするにヤンデレみたいなものです。
これはドレスローザ編の初期で何度も繰り返し述べられていた(701話、703話、704話)。にも関わらず、その後、この設定は何だったのかというぐらい放置されていた。
さてさて、それを踏まえて今回のドフィとヴィオラのやり取りを見てみると…。もの凄く男と女のアレに見えるから不思議だ。サンジと会ったばっかのヴィオラはどっからどこまでが演技だったのだろうか。「私はもう恋を捨てた女」「恋がこじれて」はウソなの本当なの?
全てを見透かす女
「男なんてみんなウソつき」ってどういう意味ですか!
男って誰のことですか!?私、気になります!
ヴァイオレットはファミリーの三下どもに「ヴァイオレットさま」ではなく「姐さん」と呼ばれてたのも気になるところだよね。他の幹部は「さま」付けで統一されてるのに。
女性幹部も、ジョーラやモネやシュガーといたけど。「シュガーさま」とか様付けですよ。なんでヴァイオレットだけ「ヴァイオレットさま」でなく「姐さん」と呼ばれてたんですかね?
姐さん
極道の世界では、親分や目上の女の事を「姐さん」と呼ぶ。
ドフィの女だった可能性が微粒子レベルで存在する。
しかしヴィオラにとってはドフラは国を乗っ取った張本人である。
そういう関係になるとはちょっと考えずらい。しかし伏線大魔王の尾田っちが、恋に情熱的な女は人を刺すという設定をここで持ってくるとしっくりもくる。
どういうことなの?ギロギロの実は「人の心」を見る事も可能なんだけど、ヴィオラはドフラの心を見た事があるのであろうか?何かラブがコメるエピソードが隠されているのだろうか。
モチのロンで、ヴィオラはただただ元幹部としてのケジメの可能性もあるけど。ヴァイオレットの通り名は「殺し屋」だからね。今回のドレスローザ編では、人を殺す者を「獣」とリク王もキュロスも「人間」と明確に区別しているのが引っ掛かるね。
獣
リク王は人を殺す事を「獣」と比喩し人間であれと述べた(727話)。
キュロスも過去編で「どこまで行こうが生涯人殺しの“獣”だ」と述べていた(741話)。
そういう意味では、ドンキホーテ・ファミリーのヴァイオレットは「殺し屋」の通り名がつけられてるぐらいなのですから、もはや「人間」ではなく「獣」なのかもしれません。
確かに、蹴り技など凄い戦闘能力持ってるからね。ただのお姫様の戦闘能力じゃねーわ。
ヴィオラことヴァイオレットは名を変えてドンキホーテ・ファミリーに10年間いた。
誰に名付けられたか知らんけど(ドフラか?)。ちなみにヴァイオレットの花言葉は誠実、小さな幸せ。
んで、名を変え、10年間もドンキホーテ・ファミリーにいて「殺し屋」の通り名が付く程だ。そんな彼女が「私の戦い」とサブタイ通りに、ドフラと決着つけようとする様は胸が熱くなるよね。
ヴィオラの10年間
レベッカを見守ってきたキュロスもヴィオラの10年間は知らない。
誰も知らないよ。ヴィオラしか分からないよ。父の命と引き換えにファミリーに加入し、三下どもに「姐さん」と呼ばれるまでになり、「殺し屋」の通り名がつくヴァイオレット。どんな10年間を過ごしてきたんだってばよ!
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