『げんしけん』は青春そのもの!
自分が丁度大学生の頃にはじまり、オタクを題材にした作品で世代的にど真ん中でした。
俺は笹原だ!いや斑目だ!って自分を重ねたりして。
確か同時期に『NHKにようこそ』なんかも流行ってたんですけど、20代前半だった自分にとって同世代のオタクってのは禍々しい親近感を持ったものです。はい。
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現代視覚文化研究会こそ我が人生!なのです。
まあ『究極超人あ~る』など古くからこの手の文化系学園生活を題材にした作品はありました。もちろんオタクを題材にさた作品も沢山あったわけですけど。
何が僕にフィットしたかって、当時は同人作家だったり漫画家だったり…とあくまでクリエイター視点の作品が多い中で、ひたすら消費するだけのぬっる~いオタクという観点がドンピシャだったわけです。あ、これ俺じゃんって。
初期『げんしけん』は、世代的にも消費するだけのオタクにとっても、「これでいいのだ!」とバカボンのパパ風に生き方を肯定されたような気がしたんですよね。
2000年代前半なんてまだまだオタクへの風当たりが強くて。今ほどオタクに地位なんて無かったし。萌え系漫画とかアニメとか美少女ゲームが好きだと言えば「悪・即・斬」の斎藤一もビックリの「うわっ・オタクだ・きんもーっ☆」である。
おお神よ!絵とか何の才能もない、ディープに語る事もできない、ただのヌルいオタクである子羊を許したまえ!「全て許そう!」と言って迎え入れてくれたのが初期『げんしけん』であった(あくまで俺がそう勝手に思っただけです)。
げんしけんへようこそ!
オタクあるあるというか、オタク的な趣味を持つ人の生態を客観的に面白く描いたり、咲ちゃんのような一般人との対比を強調したり。また段々と染まっていく笹原の成長物語でもあり、「成長したか?」(2巻)、「立派になったな」(3巻)と優しく導いてくれた(?)のが斑目先輩でもありました。
んで、初代『げんしけん』は中盤以降から笹原&荻上、咲ちゃんへの斑目の片想い…と軸が恋愛模様にシフトしていくのであった。
初代『げんしけん』の恋愛描写はなんつーか「痛さ」というものがあったわけです。
木尾士目先生の前作『四年生』『五年生』にも通じてるんですけど、根底にコンプレックスがあり、ドロドロした感じで生々しくアリティが満載だったと思うのです(大好きでしたよ)。
『げんしけん』二代目について
それを通過した後の『げんしけん二代目』。
まあ、ぶっちゃければ斑目ハーレム展開です。
初代『げんしけん』の恋愛模様が妙な生々しさがあるリアリならば、斑目がモテてモテまくるハーレム展開はファンタジーなんですよ俺の中では。なにこの読んでて頬が自然と緩むラブのコメりっぷり!ニヤニヤが止まらないんですけど。賛否あろうと最高に好きでしたね。
最高だったね
さて、ご存じのように(?)私は断然スー派である。
4人いたヒロインの中でも、二大ヒロインと化していたのがスーと波戸くん。
手に汗握る熱い攻防をニヤニヤと楽しんでいたわけです。なによりスーが可愛すぎたんです。
(※ここからコミック派ネタバレ注意!)
正直に言えばスーは負けるだろうと思ってました。
『ニセコイ』の小野寺さんと同じ運命になるだろうって。
勝てないと思った理由は波戸くんの「さらけ出し」っぷりである。
木尾先生ってキャラの恥ずかしい古傷をえぐるのが得意なので(褒めてます)、波戸くんが内面やトラウマをさらしていく過程を読んでる内にスーの敗北を察してしまいました。波戸くんマジヒロインじゃんか、と。スーちゃんマジ当て馬じゃんか、と。
ところがどっこい!
この結果は知らんかった!
激萌えです
まさかのスージー大逆転満塁ホームランである。
「萌えという観点から見ればスーはハーレムメンバーの中でも突出してるよ」とか何言ってんだコイツは。一字一句同意だよ!
ぶっちゃけ、ハーレムメンバーで誰も選ばないとかやられた時には、『ニセコイ』のらっくん以上に殺意の波動だったけどさ。それが実は咲ちゃんをいまだに忘れられずふっきりれませんでしたというヘタレであり、自分で選ぶわけでもなく咲ちゃんに促されて告白するヘタレ…とか、もうね斑目はヘタレ以外の何者でもなかった。
高田延彦が、お前ヘタレだ!ヘタレの中のヘタレだよ!って言うレベル。
だがそれでいい。それでこそ斑目です。
好きとか愛してるでなく「激萌えです」は素直に感動しました。
スーを余裕でブヒれるとか最低の愛の告白だけど最高だった。
「萌えの方を信じたい」とか言い放つ超高度な告りっぷりはラブコメ史上に残る名シーン誕生の瞬間を見ましたよ。「愛を知るにはまずは萌えから」という孫子の教えもありましたしね(ありません)。その勢いで名シーンの連発!
名シーンすぎる
大感動!
それでいて「付き合ってみる?」とかスーの方にぶん投げたのは最期までヘタレ道を突き通してた。スーもスーだったけど。
「萌え」という観点でスーを選ぶとか、最期までヘタレだったとか、僕らのラメ先輩は最後までラメ先輩だったのだ。それでも過去の自分(咲ちゃんへの片想い)を克服するという初期『げんしけん』から通じる魂みたいなのは健在。
改めてスーの可愛さレベルよ。
126話はスーの可愛さの集大成だったといえる。
スー可愛すぎる
とても素晴らしい赤面っぷりと乙女っぷりだった。可愛い。
思い返せば、はじめは無表情キャラで赤面とは無縁のところにいたのに。
ここまで育ちましたか!
『げんしけん二代目』とは、冴えないスーの育て方だったのかもしれない。あああああああ~っ、萌えるぅぅぅ~!可愛いっ!いじらしいっ!キュンキュンするっ!ちょっと転げ回っていいですか~!?わたし延々と転がり続けます!
まあそんなわけで、いちスー派としてガッツポーズものだったわけ。
感動して拍手喝采してしまったスーと斑目のやり取り。この2人のその後がど~なったのか、どんなイチャラブっぷりを見せてくれるのか?ドキドキしながら、『げんしけん』の最終回を読みました。
クッチーの卒業とか心底どーでもいいんだが(真顔)。
斑目が出て来ないとは…。
どうやら俺の中で『げんしけん』の最終回は前回(126話)だったようです。
最終回はエピローグって感じかな。
そーいや、『げんしけん』ってキャラの成長具合が手に取るように分かるじゃん。
二代目は初代からの荻上の成長っぷりや、二代目を通じて斑目&スー&波戸くんの成長っぷりが特筆。で、クッチーは成長したんでしょうか。分かりません。荻上の胸ぐらい成長が止まっているような。安西先生も「…まるで成長してない」とか言いそう。
とはいえ、これぞ『げんしけん』という最終回でもあります。
なんのかんのでラストはとても清々しい締め方でした。げんしけんは永遠に不滅です!ただ、やっぱスーと斑目のその後も見たいし、波戸くんと矢島っちの今後も見たい。新入生を迎えるであろう新生現代視覚文化研究会も見たい。はやく『三代目』が読みたいです。
例えば野球漫画屈指の名作『キャプテン』(ちばあきお)がある。
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初代キャプテンの谷口が新キャプテンを引き継ぎ、弱小チームを全国制覇まで導き、それで終わらずに続きました。二代目の丸井、三代目のイガラシ、四代目の近藤…と。気付けば、初期にいた生徒はとっくに全員卒業してWANDSもビックリのメンバー総入れ替えです。主人公は誰かって?墨谷二中野球部だよ!
『げんしけん』もそんな感じになって欲しいものです。
まあ冷静に考えると初期メンバーはみんな卒業してるけど…(大野さんはまだいるが)。できれば荻上の卒業まで見守りたいものです。
あー、これで『げんしけん』が終わりかぁと思うと感慨深い。
グタグタ長すぎるという不評もあった斑目ハーレムも、初代の咲ちゃんへの失恋で切なすぎたことを踏まえると。二代目で二次元界の神と称される、最も神聖なる無口系金髪ロリオタ少女とくっつくなんてね。人々の夢と理想と希望の結実といえる。だから、私は爆発しろなんて言わないね。心の底から叫びたい。おめでとう斑目!ありがとう斑目!
あと、今月のアフタヌーン10月号は永久保存ものです。
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電子版でもちゃんと読めるので必見なり。
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