あかん、泣く。
魂が震えて涙が出てくるんですよ。
以前にも取り上げたけど「バチバチ」は半端なく面白い。
ちょっと血が出過ぎではあるけど相撲を題材にしたチャンピオン連載のスポーツ漫画。僕は今一番クソ熱い燃える漫画は何かと聞かれたら「バチバチ」と答えます。こういうのもアレだけど、この漫画がマガジンとかで連載してたら「ダイヤのA」ぐらい評価されてたと思う。
先日14巻が発売されたわけですけど、嵐の前段階的なものですがグッとくる。気付けば泣いている。全勝同士の場合のみの取り組み「優勝決定戦」。
空流部屋の鯉太郎VS白水、阿形VS吽形の同部屋対決になるまでが収録されています。メインは吽形から、空流の柱になれとと言われ覚醒する白水なのですが、やはり阿吽の2人が胸熱すぎる。
阿吽!!
阿形と吽形。
同じ年で同期の2人。
始めて2人の過去にスポットが当たったのは大鵠戦。出会った2人は「どっちが先に関取になるか勝負だな」という勝負をする事に。
喧嘩もした、自分が弱いと挫折もした、でも支え合ったきた2人。先に幕下に上がったのは吽形のほうでした。だがしかし、吽形は大鵠戦で足をぶっ壊され、番付も阿形に抜かれてしまったのでした。
どっちが先に関取になるかという勝負…吽形はリタイアを呟くのでした。
8巻72話「ライバル」
「阿形…俺はここまでかもな…勝負はお前の勝ちだ」
どっちが先に関取になるかという対決を阿形の勝ちだ、と。自分はここまでだ、と。怪我でリタイアに納得できない阿形は吽形に掴みかかり「ヒヨッたコト言ってんじゃねーぞ、聞きたかねーな、んなコトは…」とブチ切れ。そして2人だからこそ出来るやり取りをするのでした。
吽形「お前だから言ってんだよ…」
阿形「お前だから聞きたくねーんだよ…」
日常生活すら危うい怪我。どっちが先に関取になるかの勝負を放棄し、引退しようとした吽形。元の相撲は取れないと言うも、阿形は食い下がる。
「お前がいるから俺はここまでこれた…お前もそーだろ!」
「俺らは二人で阿吽だ!!」
「お前の最後は俺が決めてやる…」
阿吽の最後はお互いが決める!
だからこそ、怪我で引退などするな、と。吽形は怪我から復活し、見事に阿形に追いついたのでした。吽形に怪我を負わせた大鵠も阿吽共にぶっ潰し、2人は共に昇進していくのでした…。
そして14巻では阿吽揃って関取昇進を決めるのです。
「どっちが先に関取になるか勝負だな」…出会った時に決めた勝負。2人とも昇進し、同時に関取…勝負は引き分け。これこそ、ハッピーエンド的な素晴らしい結末。しかし、関取昇進を決めた2人の顔に笑顔など無し。これすら通過点である。
吽形の膝はもう限界で、日常生活もままならない状態だったのでした。以前の2人のやり取り通り阿形に自分の最後を決めさせるつもりで、吽形は今場所をおそらく最後と決め全勝同士にのみ出来る同部屋対決に臨むのでした。この2人のライバルで親友で戦友で…言葉にならない関係が熱すぎる。
あと二番勝てば十両に関取になれるという時、阿形があと2つ勝てば十両、胸張って本物の大銀杏を結える、と。一緒に関取に上がろうという時のやり取りが全てを物語っていました。
「二人で大見得切って歩こうぜ吽形…」
2人で阿吽だ!
「…」
「そうだな…」
「…」という間。会話などない。
それでも「…」という間だけで吽形の覚悟と思いを理解した阿形。特に全勝同士だと同部屋対決だよとか、吽形の怪我が限界を超えている事を言葉で語らないのに、全てを理解していた阿形。
阿吽の呼吸
『お前も…(全勝戦)楽しみだろ…阿形』(言葉でなく心情)
もうね言葉なんていらないんですよ、言葉で喋らなくても互いの意志を理解しあう2人。阿吽は阿吽の呼吸なんですよ(上手い事言ったつもり)。
で、14巻で最も心が震えたのは当然、吽形の主治医と阿形のやり取り。吽形の膝は日常生活すら困難で休場させたほうがいいと親方に進言していた時、阿形は割って入ってくるのです。そして単細胞のゴリラですぐ切れる阿形が医者と言い争いになっても切れる事無く、渾身の土下座をしたのでした。
頼んます…
それは「どげせん」に出しても恥ずかしくない究極の土下座でした。
「吽形は俺の…たった一人の…親友だから」という言葉に胸熱ですよ。まじで震えるってもの。
空流親もハラをくくったようで、「いらねーとこまで俺に似ちまってよ…」という台詞がなんともいえません。空流親方は右目が失明してる(?)ようなのですけど、吽形と同じように怪我をおして相撲を取った代償なんでしょうか。しかし、阿吽のやり取りが心から熱くなりまくりますね。
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