ルフィVSドフィ
かつてないほど燃える展開なのは私の気のせいでしょうか。
いやいや、ルフィとドフラミンゴの対決は燃えるね。
めがっさ熱い!久々に会社でワンピ話が盛り上がったものです。この熱量は今までのルフィと敵対した相手にはないでしょう。だってさ、この2人はどう見ても宿命の相手だからね。まさに運命づけられた対立なのである。
尾田っちはわざとルフィとドフラミンゴを対立させる構図にして描いてきたからね。同じ王の器の持ち主だけど、ルフィとドフラは対になっている。
ゴムVS糸の能力とか。もう名前からしてあからさまだよね。ルフィとドフィって。「ル」と「ド」のいち文字違いですが、この一文字は水と油、昼と夜のように正反対である。
ルフィとドフィ
・出生(Dの一族VS神の末裔)
Dとは神の天敵
出生から宿命を感じさせてくれます。
モンキー・D・ルフィという「D」の名を持つルフィと天竜人だったドフィ。コラさんの故郷(マリージョア)では子供をしつける為に「行儀の悪い子は”ディー”に食われてしまうぞ」と言われるそうな。
神が天竜人ならば、神の天敵はDの一族。五老星が「D」の名前が表に出るのを嫌がっていたのは、天竜人がビビるからでしょうか(五老星と天竜人はどっちが偉いか不明だけど)。
「D」が何なのかはまだ分かりませんが、Dの一族VS天竜人(世界)の構図は『ワンピース』という物語の核心であろう。ルフィVSドフィはその縮図ともいえるね。もっと言えば、ルフィの父親は世界最悪の犯罪者ドラゴンである。頂上戦争では「鬼の子」と言われていた。対してドフィの父親は神である天竜人で「神の子」ってわけだ。
・育ち(スクスク育つVS歪んで育つ)
鬼の子ルフィと神の子ドフィは全てが正反対だけど幼少時代に一つだけ共通点がある。まったく同じってわけじゃないけど、作中では同じ比喩を使っている。「ゴミの掃き溜め」で育ったのだ。
まあ、同じ「ゴミ」でも、ゴア王国の中の「ゴミ」と天竜人から見た外界としての「ゴミ」の違いはあるが、作中では同じ「ゴミ」で比喩していました。さらに、同じように義兄弟がいたけど、この義兄弟の接し方はこれまた2人は大きく違う。
義兄弟とゴミで育った2人
同じように「ゴミ」で育った2人だけど、その生き様は天地の差がある。
どちらも「ゴミ」という場で義兄弟に守られながら育ったけどまったくの正反対。ルフィは義兄弟と共に笑い、泣き、怒ったりと苦楽を全部共にして育つ。対してドフィは、義兄弟に全てを肯定されてチヤホヤされて育つ。
これだとルフィのが凄いように見えるけど、ドフィのが客観的に見ると凄い。ルフィは3人で共に修行し、サボがいなくなった後もエースと一緒に修行してたからね。
ドフィなんて甘やかされ育って、絶対、この義兄弟に鍛えられてねーだろ(鍛えられた可能性もあるが)。幼少時代には弱っちい守られてたドフィが今では義兄弟(最高幹部)以上の強さですよ。つまり、ドフィは、1人で孤独に修行してこの圧倒的「復讐する力」を磨きあげたのである。
・命を張る仲間(命を掛けるVS命を投げうつ)
ルフィとドフィは同じ「覇王色の覇気」の持ち主である。その特性は「王の器」らしいけど、それと同時に最大の特徴は「人を惹きつける」とイワさんが語っていた。確かにワガママ放題の女帝ハンコックは何をしても全肯定されていた。美しさでなく覇王色の覇気の特性でしょう。
ルフィもドフィも「人を引きつける」。仲間も同じようにルフィ&ドフィに惚れ込んでいる。ルフィの仲間もドフィの家族も、船長の為なら命を張る。同じようで違うのは、命を掛けるか命を投げうつかでしょうか。もっと言えば、最後に「死ね」と命令出来る船長か否かでしょう。
「死んでくれ」と命令できるか否か
ロビンに生きろと言うルフィ&モネに死んでくれと言うドフィ。
当然、ルフィとドフィではそれぞれで置かれている状況はまったく違うので単純に比べられないけどね。
でも、例え立場が反対で、パンクハザードで自分が手を出せない状態でもルフィなら「死んでくれ」とは言わなかっただろう。無理ゲーでも「なんとかしろ」と言うと思う。
最後に「死んでくれ」と言えるかどうかの大きな差がある。モチのロンで、ドフィは家族思いなのでモネ(義妹)に死の命令を下した直後に、めちゃんこ凹んでセンチメンタルブルーになってましたけどね。でも、ルフィは「死んでくれ」とは絶対に言えなかったでしょう。ここは一線を画す。
ルフィに命を掛ける仲間とドフィの為なら死ねる家族は同じようで違う。似てるようで違う。スペイン語とポルトガル語ぐらい似てるようで違う。今週も、麦わら海賊団に当てられて、ローとキャベツはルフィに自分の命を賭けていました。
ルフィに命賭けますわ
ローもキャベツも正式な麦わら海賊団ではないけど、もう仲間だもんげ!
この2人は実に麦わら海賊団の仲間の命の張り方を体現している。
ルフィの為に命を賭けている!
これが立場が逆で、ドンキホーテファミリーが同じ状況だったらこうはいかないと思うの。絶対に真っ先に命を投げうってでもドフィを助けに行くでしょう。ルフィには勝てないと分かっててもドフィに助太刀するはず…。ここがルフィとドフィの仲間&家族の明確な違いかな。同じようでまったく別である。
・夢を見るかどうか(夢見るルフィVS悪夢を見るドフィ)
まあ、これは以前にも散々語ったんで細かくは述べないけど、ルフィが「夢を見る」海賊ならばね、ドフィは「夢を見ない」海賊である。ドフィは「海賊が夢見る時代」を否定する。というかこの世全てを否定する。
夢を追いかける海賊ルフィ。
海賊が夢見る時代が終わる…という新時代を提唱し、海賊の象徴であるドクロマークに斜線、否定するかのような海賊旗を掲げるドフィ。ここに、夢見るルフィと夢を否定するドフィという真っ向からの対立がある。
以前に、この夢を見るか否かの対立軸はベラミー海賊団に対して「このケンカは絶対に買うな」とルフィは言っていた出す拳がないケンカである。なぜかっていえば、クソだから。
ドフィの新時代はクソだ
黒ひげにすら「クソだ」と一刀両断のドフィの掲げる新時代。
この頃はわざわざ「アイツら」に点を振って強調してましたが、ベラミーの背後にはドフラがおり、元白ひげ海賊団のティーチは、あのドクロに斜線のドンキホーテファミリーのシンボルは当然知ってただろう。それを含めてクソと一刀両断されるドフラの信念は、クソなんだろうけど、それはそれで一つの生き様があるね。
・善と悪の戦う理由
ルフィは善玉、ドフィは悪玉って感じで描かれてきた。光と闇。ルフィはドレスローザを救うし、ドフィは滅ぼす。しかし、戦う理由はお互いシンプルである。これがワンピの奥深さだよね。
今週のキモはこれであろう。徹底的に正反対、麦わらに対して黒麦わらのように描かれたドフラ。善と悪のようにルフィとドフィを反対に描きつつ善悪二元論ではない。出す拳がない夢を見るか否かの対立軸ですが、今は真っ向からぶつかる。戦う理由である。783話のサブタイトルにもなっている「邪魔だ」である。
戦う理由は「邪魔」だから
ここまでルフィをベビーフェイス、ドフィをヒールに仕立てて物語を転がしてきたけど、ルフィがドフィに対して正義の為に戦うわけではないのが私の心の琴線を鷲掴みにするね。
これぞワンピ。通りすがりの海賊がヒーローになるわけじゃない(結果ヒーローになろうとも)。単純明快な仲間の為に戦うルフィ、邪魔だからぶっ飛ばすのである。
どう見ても宿命の相手なんだけど、戦う理由はシンプル。
善玉と悪玉を明確に対比して、ルフィとドフィを正反対にここまで描いてきたけど、やっぱり正義VS悪じゃねーよ。何気にドフィの生き様も奥深さがあるしね。正義の反対は悪ではない、正義の反対はもうひとつの正義である。善悪じゃない!
今この場所こそ中立だ!
正義は勝つって?そりゃそうだろ
勝者だけが正義だ!!!
これだよな。
何が言いたいかっていうとね、今週のキャベツとロビンにフラグが立ってさ、今後ラブがコメるのではないかという期待をよせつつ、ローにビシッと言ってやりたい。
お前、それ胸が当たってるだろ、と。
羨ましい!(ビシッ)
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