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『えっちすけっちわんたっち~僕がおしっこに目覚めるまで~』 ここに性春と青春のすべてが置いてある!

えっち すけっち わんたっち~僕がおしっこに目覚めるまで~ (ヤングチャンピオン烈コミックス)

 

 

これはひょっとして傑作なのでは…。

『えっちすけっちわんたっち~僕がおしっこに目覚めるまで~』(玉置勉強)読了

 

ガキ大将だった平尾はクラスで浮いている同級生の女子・山本と出会い、ヒトとは違う性への目覚めを迎え…。昭和の終わり。平成の始まる直前。イマじゃないから起こりえた性春群像劇。

 

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えっちすけっちわんたっち

それにしても酷いタイトルですね(誉め言葉)。『えっちすけっちわんたっち~僕がおしっこに目覚めるまで~』って…酷いとしか形容できねーよ。この「えっちすけっちわんたっち」という言葉に聞き覚えある人は多いでしょう。あとバリアとか。

 

私の小学生時代は90年代なので、作中の80年代よりは世代がズレてるんですが、それでも猛烈に分かりみがある。とても大らかな時代でした。あの頃の小学校は確かにこんな感じだったのです。あー…あー…。これは間違いなく性春でありとんでもない青春です。

 

例えるなら小学生版の身体から始まった物語…といったところか。

面白い遊び

1

女のパンツなんて見てもうれしくねーし!!

 

玉置勉強先生といえば近年は日常系などの色んなジャンルの作品が多いのですが、以前はとんでもない背徳感とかいうかフェチズム溢れるというか…そういう作風でした。今作はある意味原点回帰ともいえるね。つまり、…「いけないこと」である。

 

あー、もう読んでてゾクゾクブルブルするよ。ガキ大将の平尾くんとオマセさんの山本さんと気弱少女の飯塚による3人のこそばゆくも背徳感ある小学生ボーイミーツガールです。

 

クラスの女子でも浮いてる山本さんはかなりませてる子。男子(この男子の日常の描き方も上手くめっちゃリアルなんだ)がたむろしてお菓子を食べてる所へ入って、ある提案をします。そのお菓子くれたらエロいの見せてあげる。「パンツ見せてあげる」と言い出します。

 

男子達は生唾ゴクリです。

しかし、平尾くん一人だけ「は?」という反応である。これが中学生だったら男子なんて頭の中全部エロスで出来てますので誰でも食いつくんですよね。しかし、小学生では性長(間違ってはない)…もとい成長はそれぞれ。エッチな事はいけないって思考もある。

 

「女のパンツなんて見てもうれしくねーし!!」

 

と去ってしまいます。

帰宅した平尾くんは大混乱である。「怖ェ…」とブルブル震えてしまいます。そんな彼の反応に山本さんは目をつけるのでした。

 

2

面白い遊び見つけちゃったかも

 

面白い遊びを見つけてしまったと。

こうして山本さんにからかわれる(何てかわいいもんじゃ無いが)ようになる平尾くん。この「遊び」というのは、平尾をターゲットにしたいけないことなのです。

からかい上手の山本さん

3

2話

 

『えっちすけっちわんたっち』はウブ…という可愛らしいものでなく、まだ性に目覚めてない平尾くんの性を目覚めさせると同時に心の奥底にある「扉」を開く作品でもある。

 

山本さんが見つけた「遊び」とは平尾くんをからかうこと(性的な意味で)

 

立ち小便するのを「じー」と見てたり。この状況に「何なんだこれっ!!」「女に見られながらションベンしてる」とドキドキしてしまいます。同時に何かヤベー扉をノックする音が…。さらに追い打ちをかけるように山本さんもとなりでおしっこ。

 

お互い空き地でおしっこをする…。なんだこれ。そんな感じで山本さんの「遊び」で平尾がヤベー方向へ目覚めていくのである。この2人に巻き込まれるように小心者の飯塚さんも加わった何とも異質な三角関係となります。

気弱少女の飯塚さん

4

なんだかこれ、なんか(ぞくっ)

 

タイトルの副題「~僕がおしっこに目覚めるまで~」通り、平尾がおしっこに目覚めるまでの扉を描くのがキモでもある。そこへ至るまでの紆余曲折やイベントの数々が素晴らしい。

 

別におしっこ好きで無くても、小学生に「ありそうな」リアル描写でいつの間にやら平尾に感情移入していることに気づく。読者をそこまで連れてくる描写の数々は圧巻の一言でしょう。

 

飯塚さんは男子にイジメられておしっこを漏らしてしまいます。そこへやって来た山本さんは平尾を土下座で謝らせ、飯塚さんの尿が漏れた足で踏ませます。凄い…としか形容できねぇ。本当に凄いんですよ。どんどん新しい「扉」を開かせてくれます。

 

なんて手に汗握るおしっこ攻防戦なんだ!

歪な三角関係?

5

ご褒美かな?

 

山本さんが性に目覚めてない平尾くんを逆セクハラしていく…という僕らの業界では「ご褒美」以外の何物でもないことが展開されていくのが『えっちすけっちわんたっち』の醍醐味でもあります。

 

まさに「(性的に)からかい上手な山本さん」でした。しかし、4~5話を境にピークを迎えドMへの悦びしかなかった平尾くんはつに「卍解」してしまうとうか。

 

ドラゴンボールで例えるなら、スーパーベジータだとか調子に乗ってたのが完全体セルにやられてしまうというか。あるいは怒った孫悟飯を引き出そうとしたセルがキレた悟飯に成すすべがないというか。おサルさん目覚めさせてしまう!

 

そこからの展開は目まぐるしいジェットコースターのようでもある。凄すぎることになっていきます。それを生々しく歪んで展開してしていくのは言葉に出来ません。欲望とおしっこは別に我慢する必要なんてない!解き放てばいい!

世界で一番汚くピュアな恋物語

6

山本さんと平尾さん

 

序盤こそ山本さんに逆セクハラして性に目覚めてく平尾くんという感じだったのですが(それだけでも最高だった)、中盤終盤のエピソードは半端ないって。この漫画最初から「色々と飛ばしすぎだろう」とは思っていたが、おしっこまで飛ばしてからね。

 

ハードスペクタクルすぎるぜ…というのが率直の感想でした。それがあれよあれよという流れで絶妙な甘酸っぱい青春になっていくからビックリだよむずがゆくて、もう見ていられない!

 

7

しょっぱいのに甘い

 

何だよ!この甘ったるくて、小っ恥ずかしいニヤリングイベントの連続はよ!これまではアンモニア臭しかしなかったのに気づけばメープルシロップ臭ですよ!とんでもないアバンチュールだよ。

 

最後までハラハラさせられました(色んな意味で)。どんでん返しというか若さゆえの過ちが盛りだくさん。クワトロ大尉も「これが若さか…」とビックリですね。性に目覚めてない小学生発の青春ボーイミーツガールがありました。

 

驚きやどんでん返しの連続で、ラストは謎の鮮やかな感動を生む。何だよ!この読後感は…。ちょっと上手くまとめられないが確かに「何か」を感じ取る作品です。最低だった。最低の内容だった。でも最高の内容だった。最低だけど最高という矛盾!

 

 

アンモニア臭しかしなかったのに凄すぎるスイーツなピュア初恋物語でもある(おしっこも無菌だから、ある意味ピュアではあるが)。この「黄金色の時間」は永久に不滅なんだな。思春期と呼ぶには早い少年少女の繊細な心理と言動が不自然でそれがとんでもなくリアルでした。

 

感情を間違いなく揺さぶられる改作やった。

全1巻に若かったあの頃の1ページが確かにありました。おすすめ。

 

 

コメント

  1. 匿名 より:

    おもしろそう

  2. 匿名 より:

    ミルコじゃなくてマルコじゃね?

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