『水は海に向かって流れる』2巻感想 声に出して叫びたい日本語(名言)が多すぎる件!

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水は海に向かって流れる(2) (週刊少年マガジンコミックス)

『水は海に向かって流れる』(田島列島)2巻読了しました。

相変わらず良い意味で地味ながらも心に染み渡る面白さです。何度も読み返したくなっちゃうスルメのような味わいがあります。

「この人がいちばん怒っているのは自分自身になのかもしれない」 10年前、父が榊さんの母とW不倫の関係にあった。事実を知った直達はどうすべきか悩むが、一方の榊さんは余計な波風が立つことを嫌い何もなかったことにしたいと望む。事情を知るのは同級生の泉谷さんと同居人の教授、ニゲミチ先生、そして直達の父。静かな緊張感の中で共同生活を送る直達と榊さんの二人は次第に10年前の事件、そして今の自分に向き合い始める。

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『水は海に向かって流れる』2巻

会話が絶妙すぎる

#10 真実と現実と炭水化物

『水は海に向かって流れる』って令和の時代に醸し出される「昭和臭さ」が好きなんですよね。

背景や建物の風景、家の中の小物(電化製品は今なんだけど古臭い味がある)など、懐かしさ?みたいなの感じちゃうんですよね。それが温かみになってる。

で、この昭和臭は「シットコム」だよなぁと。

「シチュエーション・コメディ」の略で、登場人物はほぼ固定されて(たまにゲストが入る)、数箇所の限定された舞台で繰り広げられるドラマです。固定メンバーで少ない固定場所で延々と物語が展開されます。

フルハウス」なんかの海外ドラマなんか有名でしょう。漫画だったら『少年アシベ』とかレギュラーメインの「三丁目の夕日」や「じゃりン子チエ」みたいな。この手の作品のキモはスートーリーがどうの云々でなく会話の妙でしょう。

この漫画、シェアハウス(食事時多し)と学校(昼休みの飯時間多し)と飯屋(飲み屋)ばっかが舞台なんだもん。そこでメイン人物とプラスアルファが会話してるだけの漫画と言ってもいい。

なのに繰り広げられる会話のオラオララッシュがめちゃくちゃ良いんだな。

飽きないんだな。染み渡るんだな。

会話中の名言多すぎる説

#10 運命・証明・ぼく宿命

「周りを散々傷つけまくった結果…運命じゃなかったらどーなる?

「…そらまあ、宿命になるな

大きな山場も谷間もなく普通の会話の中にポンポンと名言放ちまくってくる!運命でなきゃ宿命になってよ。サラッと名言連発させてきます。

ここぞでバン!ってわけでなく、日常会話の範疇で声に出したい日本語が数多くあるのが凄まじい。

よくまあ、ここまで「小粋」な会話を繰り広げられるもんだと関心しきり。

サラリと自然に心の琴線に触れる名言をなんてことない会話の中でポンポン飛び出すのです。

演出も無く、あまりにもテンポとくナチュラルに「名言」を出しまくるもんですから、最初は流してしまいそうになるも、後で「いや待て待て。今言いこと言ってないか?」と振り返り、マジで名言じゃねーか!ってなるもん。じっくりコトコト煮込む程に美味くなる料理かよ!

絶妙の会話こそが『水は海に向かって流れる』の醍醐味でもある。

パワーあるシナリオ回しでなくても楽しいドラマが見れます。

いやまあ、ここまで言っといてアレだけど2巻後半はドラマチックって推進力で動いてるんですけどね。そこ含めて淡々とした「シットコム」の懐かしみと温かみがある上でストーリーでも魅せる。良い…。

榊さんも主人公だった

#17 合法!Go Home!

私1巻の感想書いた時に、現代の『めぞん一刻』であり榊さんは何考えてるか分からない。女神のような人だって書いたんですけど訂正します。ただの人間でした。

しかもめんどくさい雑魚ちゃんで16歳で時計の針が進んでない等身大の女の子だった(26歳です)。

1巻とうって変わって2巻では榊さんが頻繁に主人公しているからです。

その心は榊さん視点で見たエピソードがてんこ盛りになってるからなり。

てっきり、ずっと直達の視点から見た榊さんってのを軸に展開するかと思いきやね。これにはは驚いた。1巻は直達視点しかなかったのに、2巻は両者が主人公してモノローグを交互に見せてきます。

榊さん視点でガッツリ心の声を吐露しまくって話を進めていくんだもん。ミステリアスな年上のお姉さん像だったのに、ここまで内面をさらけ出されちゃったらもう直達と並ぶ、この漫画の主人公2になってしまったって印象。

青春群像劇のようでもある。もう何考えてるか分からないミステリアスのお姉さんでなく、本音も本心も読者にダダ漏れになっております。榊さんの仮面を取っ払ったともいえるな。

フラグを立ててるように見えるが…

#14 修羅と酒乱

榊さんとのはまだまだ恋愛感情の触りすらありませんけど、それでも期待が湯水のよう湧いてきてしまうのは「おんぶ」したってシチュエーションに他ならない。

だって「おんぶ」ですよ?榊さんは精神年齢は10年止まってるかもしれんがバディは成熟した果実が熟れた妙齢な女性であることには変わらない。何が言いたいのかっつーと、背中に胸が…あとは分かるな。

その辺の詳細が一切描かれてませんが、男子高校生が女性をおんぶして背中に当たる2つの「圧」を感じないなんてことあり得るだろうか?否である。

というか数多くのギャルゲーとラブコメを見てきたからこそ分かるが、「おんぶ」はとんでもないフラグである事です(断言)。結婚といってもいい(そこまで?)。

榊さんの内面まで描かれて、どっちもまだまだはじまってもいないけど、「おんぶ」って行為は刮目ポイントでしょう。

まだまだこれっぽっちも意識してないけど、背中に当たる2つの「圧」にドキドキしちゃう直達とか、自分の体重を気にして「重いよね…」とか言っちゃう榊さんは近未来であるはずだ。

まあ、令和の『めぞん一刻』でなく、このままヒューマンドラマのみで転がす可能性もあるが…。

生活臭が独特すぎる料理

#16 どは恫喝のど

あとね。あとね。この作品は料理が独特しぎるの。前述したように舞台は飯場ばっかりで、外食シーンはめちゃくちゃ美味そうな料理ばっかりなのに対してシェアハウスの飯場に出てくる料理は何なんだこれ…と。

1話で榊さんがつくってくれた牛丼(ポトラッチ)など遠い昔のように、独特すぎる読者の大多数は食ったことも見たこともないだろう料理が溢れかえっているのです。

「ブロッコーリーと油揚げのみそ汁」「キムチ+ウインナーの餃子」「ツナ+チーズの餃子(これは美味そう)」「納豆+トマトの餃子」「大根カレー」…等、具材だけ見ると「それは美味しいのだろうか…」って料理がバンバン出てきます

オーソドックスでない独自の家庭料理シーンは何なんだよ!なんのかんので皆が美味しそうに食べてるから怖い!ビックリする。逆に興味出てくる。

ブロッコリーの味噌汁とか、納豆とトマトの餃子とか本当に美味いのだろうか…。

一度ぐらいチェレンジしてみようかなって読者に思わせるぐらい美味そうに食ってんだもん。

オーマイコンブもビックリですね

オリジナリティ溢れる生活臭のする料理が謎の魔力を放ってる。美味いのかそれは…。材料だけだと不味そうな。謎料理も絶妙なアクセントとして作中のドラマになっててすごい(小並)。

楓ちゃんを見届けよう

泉谷楓

まあ、なんだかんだで総括すれば楓ちゃんぐうかわってことだ。

2巻では、スーパープレイを連発させて「なんてかわいい子なんだ…」と読者のハートを鷲掴みにしていきます。恋する乙女は最高なのだ。

楓ちゃんの可愛さにニヨニヨしてしまう。自分はこの作品、現代版『めぞん一刻』と思ってるんですけど、それを踏まえると楓ちゃんってどう見てもこずえちゃんポジなんだよなー!頑張れ楓ちゃん!今一番トキメキポイントを稼いでるのは君だ!

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コメント

  1. 匿名 より:

    「読むとうっかり元気になる田島列島」ってキャッチコピー考えた人は天才だと思う

  2. 匿名 より:

    何か猛烈な違和感を感じながら読んでいたのですが
    『海は水に向かって流れる』
    って盛大に間違えてますよw

    あと同時発売の短編集も強烈でしたので是非ここで紹介して欲しいと思います。

  3. 匿名 より:

    いつもハァハァ悶ながら読んでる漫画