可愛すぎる。
『大正処女御伽話』(桐丘さな)はいいぞぉ(目を輝かせながら)。
大正時代のある夫婦(予定)がイチャイチャする作品であります。もうね、読んでて頬が緩みっぱなしになるニヤリング製造機ですわ。大正という時代を上手く活用して初々しすぎるピュアな様子が微笑ましくもありニヤリングでもある。幸福感が半端じゃない。夕月の可愛さは文化遺産に登録すべきだと思います!
時は大正――。事故がもとで母と右手の自由、父の期待を失い田舎に養生という名目で家を追われた青年・珠彦。世の中の全てに嫌気がさし、引き籠もりの厭世家となり果てていた珠彦のもとに、夕月という少女がやってきた。彼女は父が珠彦の世話をさせるため買ってきた嫁で…。大正ノスタルジックホンワカストーリー
<試し読みできます>
お金持ちのボンボンだった志磨珠彦(17歳)は事故で右手の自由を失い、冷酷な父親からは役に立たないからもう要らん扱いされ片田舎で養生していた。希望を無くして引きこもっていた珠彦のもとへ、夕月という少女(14歳)がやってくる。彼女は父親が珠彦の世話をするために一万円で買った嫁だったのでした。
この時代ならば親が勝手に結婚を決めるというのも多々あったでしょうし、夕月なんてお金で買われた女の子ですからね。いきなり将来の夫婦として暮らす見ず知らずの2人が徐々に惹かれ合う様を丁寧に描いた作品なり。
一緒に暮らすようになって少しずつ人間としても恋心もステップアップしていくのであります。この世に絶望した珠彦と天真爛漫で甲斐甲斐しく世話をする夕月のハートフル(?)イチャラブ漫画です。温かさと可愛さがとても良い。
夕月の可愛さは「バブみ」の高さ
夕月
見た目も性格もぐうの音も出ない可愛さを誇る夕月ですが、最も心の琴線に触れるのは「バブみ」の高さにあります。「バブみ」というのは年下の女の子から感じられる(求める)母性である。本来ならば年上の女性が子供に対して向けるものですが、逆に年下の女性が感じられる母性を「バブみ」と呼び、男なら少なからず持ってるものかもしれません。
夕月はとても「バブみ」があります。
この世に絶望していた珠彦もついつい甘えちゃうってものです。甲斐甲斐しいお世話だけでなく、「頭なでなで」「よしよし抱きしめ」「メと叱ってくれる」と抜き打ちでお母さんのような言動を放ってきます。魂から主張したい。俺も夕月に甘えたい!と。
とはいえ、ただ「バブみ」が高いだけではありません。未来のお嫁さんはとんでもない魅力ウェポンですからね。母性を発揮しながらも、やってて恥ずかしくなったり珠彦にカウンター食らった時に見せる照れて大赤面する夕月の可愛さは天下一品なり。
照れる夕月
はい!可愛い!
なにこの可愛すぎる生物。「可愛い」が服を着て歩いてるようなものですよ。夕月は母性と乙女の可憐さの2つを併せ持つハイブリッドお嫁さん(未来の)なのである。この可愛さには無条件降伏するしかありません。
夕月はジャンプスクエアという雑誌名に恥じないスクエア(最高の品質)の可愛さを次々と見せてくれます。至福なり。特にここぞで放つ可憐すぎる乙女の一面ですよ。その破壊力は読者を昇天させるしかない。
そういうのは結婚するまでお預けですっ
でも…
必ず珠彦様に捧げますからね
悶絶。
はい死んだ。
死因は悶絶死です。
部屋中ゴロゴロ転げまわる必殺技級の言動をここぞで放ってくるから夕月はおそろしい娘だよ。読んでて数回は悶死するレベルです。また2人は将来の夫婦なんだけど、大正時代とい設定を上手く使って実に初々しいんです。2人で赤面しまくり。見ているこっちが小っ恥ずかしくなるほどです。
初期は、絶望してた珠彦が夕月の「バブみ」のおかげで救われる、夕月は珠彦の優しさに触れて惹かれていく…という内容がメイン。『大正処女御伽話』は読んでてニヤニヤする上にグッとくる温かさがある。素晴らしい。
サイドメニューもあなどれない
珠子 / 綾
夕月だけではありません。この漫画は可愛さの化身だから。
珠彦の妹・志磨珠子(12歳)と村に住む綾(18歳)もなかなかどうして。可愛いんですよ。どちらも最初は嫌なキャラ系だったんだけど、2人と触れあって変わっていきます。今では珠子も綾もすっかりお気に入り。両者どんどん可愛くなっていく。
珠子はあれですね。名妹と呼ぶに相応しい至高の妹ですわ。ほとばしるお兄ちゃん大好きオーラにハートをにぎにぎされちゃいます。お兄ちゃんとお義理姉ちゃん(夕月)好きっぷりな言動が微笑ましいです。ハイソに「兄様」という呼称もグッドだ。
綾は登場したばっかの頃は、サービスシーン枠と夕月のヤキモチ焼かせ要員だったんですが最も化けた娘かもしれません。珠彦をからかってたのに、優しさに触れてガチで恋しちゃってる様子が最高すぎる。だ・け・ど!珠彦は夕月命。それをまざまざと見せつけられて切ない表情するのがたまりません。報われない可哀想な娘としても良い。
甘い甘すぎる!
甘すぎる!
頬が緩む。とろける。甘い。とても甘いんですよ。
読んでてもう止めて!読者の鼓動はオーバーヒートだよって叫びたくなる。甘いラブラブっぷりが描かれます。胸焼けしちゃうぜ。だがそれが良い。ベタだけど2人の「絆」が少しずつ強くなっていくのって。甘すぎるけど。
最初こそ珠彦が夕月の「バブみ」で心が開いていくほのぼの系の側面が強かったんですが、2人がお互いに段々と惹かれあうようになっていきます。途中からアクセル全開で界王拳20倍の勢いでラブがコメっていくのである。
特に2巻第十三話「十二月三十一日」は神としか言いようながい。2人の距離がグッと近づき特大イベントが起こります。もうね、ニヤリング&ローリングで身悶え100回転半を記録したね。ビッグイベント後の2人の掛け合いの「間」にニヤニヤが止まらない止められない。控え目に言って最高でしたね。
夕月の初恋
私はそんな珠彦様の事が…
大正十二年九月一日「関東大震災」発生。3巻はのほほんとして甘いニヤニヤ展開が一転。関東大震災勃発である。友達に会いに東京へ行っていた夕月は巻き込まれてしまうのであった。珠彦の成長っぷりが見て取れるのも良かったけど、何よりも夕月の乙女っぷりに尽きます。
夕月はお金で買われて嫁に来たわけだけど珠彦に惹かれていってたのは明らかでした。第二十一話「ユヅ語り」は、夕月の視点で今までの出来事が走馬灯のように語られるんだけど、これがとにかく素晴らしい。
最初なんて将来は嫁になるけど「私なんて初恋もまだ」なんて言ってたのに。夕月の初恋っぷりを丁寧に心理描写を描いていく。自分が初恋したって気付く様子からそれを伝えたいけど、伝えられない様子がタイトルに恥じぬ乙女っぷりです。強く強く焦がれている夕月が可愛い可愛いアンド可愛い。
時が来れば夫婦になる私たちにそんな言葉は必要ないかもしれません。それでも伝えたい。珠彦様に私の気持ちを、知って欲しい…。
夢の中で見せる夕月視点の気持ち。
ストーリーをドラマチックに盛り上げに盛り上げて夕月が放ったさよなら満塁ホームランよ。素直に感動しましたね。傑作確定である。夕月の感情が放出されグッときすぎて泣きそうになってしまった。最高値のニヤリング度を叩き出し、かつ最高の良いエピソードでもありました。
また、キナ臭い志磨家が良いアクセントになってて、ただ将来の夫婦がイチャイチャするだけに留まらない吸引力にもなっている。志磨家は、親父と長男と長女は冷血だろうけど、まだ見ぬ弟・珠央も気になるし。
『大正処女御伽話』はめちゃくちゃ良いな。夕月可愛いすぎです(結論)。温かい良い話とイチャイチャラブラブっぷりに心はぽっかぽかになります。笑い良し、グッとくる話良し、萌え良しの三段構えです。お勧めです。
コメント
この作品は本当に丁寧上質に描かれてますよね。作者の時代背景等に関する知識も豊富そう。
大正という時代設定にしたのが上手いなぁ。技巧派なラブコメや。ホント凄いと思いますわ。
ラブコメマニアのヤマカムにしてはまとめるの遅いよ!
萌える漫画であることは間違いないけど、何故かあざとく感じて冷めて見てしまう。
片手不自由でもエリート医学生コースとかあるんだけど(野口英世とか。しかもこっちは貧民出身)、主人公はちょっとこじらせちゃってる感じはあるな。
このマンガつい最近になって知りましたがホント面白可愛いすぎですよね〜!とても良い純愛ラブコメだと思います(・∀・)♪
最近友人からの薦めで読み始めましたが面白いですね。因みにその友人ですが、今月号の『大正処女御伽話』読んで「なんで?なんで?」と言って半泣きになってました(笑)ヤマカムさんの感想も聞いてみたいです