『MIX』(あだち充)15巻読了。
うむ。話がまったく進んでいないような進んでいるような。このスローペースでマッタリ具合こそあだち充ワールドですね。
投馬VS走一郎?!兄弟投手戦…!!明青学園、白熱の紅白戦!!紅組ピッチャー、夏野の負傷により、走一郎が急遽登板…図らずも立花兄弟の投げ合いとなった!
今や絶対のエースとなった投馬。その投馬に劣らない才能を持ち、かつてはピッチャーだった走一郎。軍配は一体どちらに?!
そして気付けば、季節は夏。甲子園への2度目の挑戦を前に…明青学園が何かと騒がしい。
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『MIX』15巻
気づけば『MIX』も15巻です。
かの『タッチ』の続編ともいえる明星学園を舞台にした立花兄弟の話。
いやぁ、15巻でもまだ2年夏の大会がはじまっていません。これから2年目の夏大会がスタートするってところです。ものすごくマッタリペースに見えますが、この進んでないことこそあだち漫画クオリティ…って、わけでなくマジのガチで牛歩です。
いよいよ2年生夏大会へ
紅白戦
内容の方は立花兄弟による投げ合いとなった紅白戦が決着。
紅白戦というと、国見と木根の投手戦だった『H2』を思い出しますね。その後、木根の甲子園準々決勝完投は伝説的名シーンですからね。スタミナ不足が課題とはいえ、走一郎は投手として公式戦でピッチャーやる前振りのようにも見えます。
昨今の高校野球…特に甲子園出てるようなチームは投手を2~3枚揃えてる学校が増えてきましたからね。一応、夏野一番もいるので明青学園はエースの投馬だけを酷使するようなこともないでしょう。本気で甲子園狙えるな。
そんなわけで15巻ラストで2年生の夏大会がはじまるってところです。
話が進んでないようでいて、ちゃんと進んでるんですよ。いや、やっぱ進むの遅いかも…。歴代のあだち充野球漫画と比較してみましょう。
歴代あだち野球漫画と比べ…
あだち充先生といえば『タッチ』『H2』『クロスゲーム』など高校野球ラブコメの第一人者ですからね。3つとも甲子園出場してます。で、『MIX』と比較してストーリーの進捗はといえば…。
・タッチ
『タッチ』15巻
『タッチ』は15巻でとっくに3年生になっていました。最後の夏大会に向けて、監督代行として柏葉英二郎が就任し、板東英二もビックリなエネルギッシュで昭和のど根性みたいなものを見せてくれました。水泳授業もやってたので初夏ぐらいと思われ。
・H2
『H2』15巻
『H2』15巻は2年生夏大会予選準決勝でした。春の甲子園制覇した栄京学園と大死闘を繰り広げていました。個人的にあだち充野球漫画で最も名勝負を繰り広げるのは栄京の広田だと思っています。2度の対決がぐう熱い。
最初の対決である2年夏大会はクソ野郎の天才投手として立ちはだかり、次の秋大会では肘をぶっ壊して打者に転向して国見からホームランを公式戦で唯一かっ飛ばします。
2年夏大会で国見は広田を「ライバルなんかじゃねぇよ、あいつは。ただの敵だ」と言い放っていたのに、秋大会ではめちゃくちゃ嬉しそうに真っ向勝負する流れは伝説と言っていいでしょう。「ただの敵」から「ライバル」となっていた栄京の広田であった。あだち作品で最も暑い名勝負をしたのは広田。間違いない。
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・クロスゲーム
『クロスゲーム』15巻
『クロスゲーム』15巻は3年夏予選準決勝を終えてこれから決勝の竜旺学院戦だって進捗でした。『クロスゲーム』の野球シーンは2度の竜旺戦以外はかなり短いので、非常にテンポ良いのも特徴的ですね。全17巻だし。
『タッチ』15巻 | 3年初夏 |
『H2』15巻 | 2年夏大会準決勝 |
『クロスゲーム』15巻 | 3年夏大会準決勝 |
『MIX』15巻 | 2年夏大会始まりそう |
そんなわけで歴代あだち野球漫画と比べると『MIX』の進み具合は一番遅いといえる。
『MIX』は3年までやるか
過去のあだち野球漫画と比べても最も遅いペースで描かれてます。
そもそも、『MIX』は3年までやるのかも謎です。
それぐらい2年夏大会へ向けて「ありったけ」で「集大成」感あります。
2年夏大会が集大成感ある
呼んだんですよ澤井圭一が。
明青学園の甲子園出場を見せたい人たちを。
なんか今年の夏…立花兄弟2年生の夏大会を集大成かのように盛り上でています。あれ?まだ2年だよね?まるで3年生の最後の夏のごとく、色々とドラマチックに展開させております。ひょっとして『MIX』は3年夏までやらずに、2年夏までしかないのでは…と思ったり思わなかったり。
それぐらい「ありったけ」。だってもう伏線みたいなのほぼ拾っちゃったんだもん。達也と南ちゃんは出そうもないし。今年の夏に上杉達也以来の明青学園甲子園出場でハッピーエンドになっても不思議でないシナリオ展開です。
2年夏大会でお終いに見える。
まだ何とも言えませんが…。なんたって作者はあだち充先生です。氏の野球漫画にはある一つの様式美がある。それが誰かが死ぬことです。
あだち野球漫画の不文律
上杉和也 / 雨宮さくら / 月島若葉
あだち充先生が残した功績「遺影三連星」です。
『タッチ』の上杉和也、『H2』のひかり母、『クロスゲーム』の幼なじみ若葉。あだち充野球漫画において誰かの死は様式美といっていい。その発動率は100%パーセントです。決してその死ぬ運命から逃れられない。
かの大魔王バーンの「知らなかったのか?大魔王からは逃れられない!」と並び称される「知らなかったのか?あだち野球漫画で誰かの死からは逃れられない!」である。「ドラマが膠着したら?誰かを殺そうホトトギス」です。
『MIX』は今のところ誰も亡くなっていません。いや、投馬の実母と走一郎の実父はすでに故人だけど。リアルタイムではまだ誰も死んでない。過去の実績を踏まえて、あだち充先生は野球漫画で必ず誰かをヤっています。これが『MIX』の不安でもありますわ。
このチームを見て期待しない監督がいたら紹介してくれ
今年の明青学園は普通に優勝しそうな充実した戦力です。
立花兄弟に「あのバッテリーを見て不安を感じる監督がいたら紹介してくれ」と豪語するエースと女房役。投手は夏野もおり投馬酷使も無さそう。さらに、確実にレベルアップした攻撃力。遊撃手に錦も加入した。
監督は甲子園をはっきりと見据えています。
確かに、優勝候補の健丈(元須見工)は去年の未完成なチームで倒してる。昨年夏準優勝の勢南も優勝した東秀戦で比較すればエースと投げ合ってあと一歩まで追い詰めた明青のが普通に強そうだ(今年の東秀は『タッチ』の西条みたいなポジションだろうか)。
あれ?マジのガチで健丈と勢南よりも強いんじゃないの?
普通に優勝できる戦力がある。それだけにヤベー匂いがプンプンするぜ!「あのバッテリーを見て不安を感じる監督がいたら紹介してくれ」によろしく、投馬と走一郎のコンビだから無敵なんですよ。ぶっちゃけ、走一郎から死亡フラグ感じてるの私だけではないでしょう。
果たして走一郎は今年の夏を生き残るこができるのだろうか…。
野球漫画で誰かを亡き者ことに定評のあだち充先生である。めちゃくちゃ不安だ。
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コメント
長いのもいいものですよ、ええ
延長10回熱闘8か月、ついに須見工業を破ってうれしい甲子園初出場、とか
死亡ネタは作者もメタでネタにしてるけど、本当にヤったら展開もトロいしいい加減見限る読者も多そう
単純に巻数比較してるけどMIXは月刊連載でそれ以外は全て週刊連載なのでリアルタイム比較だとさらにスローペースなんだよなぁ
二年目の夏が始まるだけで
おお振りよりはるかに展開早いっす
タッチ、H2が高校生から始まってるのに対してMIXは中学2年から。作中の時間で言えば15巻で3年経過してる。単純に巻数で比べるのはフェアじゃないなぁ。
タッチも中国からやっとるぞ
中国=中学?
ごめん、そうだっけ。読んだのずいぶん前だから忘れてた。
原田くんがフラグをぶっ壊してくれるからへーきへーき
しかし新田妹の出番はまだかかりそうですかね?
ナインは5巻で終わるので優秀
あだち充のスポーツラブコメはラフが一番いいわ
キャッチャーがピッチャーやってるってことは、
既存のピッチャーは…
まあ、そういうことでしょうな。