『おっさん、転生して天才役者になる』(芽々ノ圭、ほえ太郎)読了。
最近はなろう原作のコミカライズ漫画が増えてきて、なろうで好きな作品だけでなくコミカライズから入る作品も増えてきました。
元役者が転生し、天才子役として名を馳せる山下マキ。彼女の卓越した才能は、関わるものすべての人生を捻じ曲げる。圧倒的存在が及ぼす世界への影響を堪能せよ!!
<原作>
おっさんが転生して幼女になる
2話
『おっさん、転生して天才役者になる』はタイトル通り、おっさんが転生して天才役者になる作品です。前世のおっさん・田中太郎はうだつのあがらない売れない役者。
芸術肌の監督から「パンツを脱いだつもりで演技してみて」と言われても意味不明。しかし、「うだつのあがらない男」役を演技でなく素でやったら大絶賛。何も演技しないことがそのまま「うだつのあがらない男」でした。
あまりにも自虐的であるが、自分をさらけ出すことが役者に大事で一皮向けて何か掴んだところで、見ず知らずのストーカー男と女が揉めてる現場に居合わせて巻き込まれて刺されて死んでしまうのであった。
そして転生して第2の人生がはじまるのでした。
前世の記憶。しがない役者の一生。人は等しく死ぬと無となる。どんな偉業を達成した者でも死んだ時点で終わってしまう。どうやら私にはその先があったらしい
トラック跳ねられたでも過労死でもなく刺されて転生は珍しい(そうか?)。ファンタジー世界でなくリアルに転生。前世の記憶を持って第2の人生「山下マキ」として生まれ変わった中身おっさん役者の物語です。
まず設定が面白いよね。あとパンツを脱いだつもりで演技するだけでなく、幼女になってパンツを脱いだりしてるのでそういう紳士の需要にも応えてる(ような気がする)。
山下マキを演じる
3話
生まれた赤ちゃんの時から前世の記憶があるので「山下マキ」を演じる。母子家庭でちょっと抜けてるところがある母親と仲睦まじい関係を構築してる。めちゃくちゃ良い娘を演じてるわけです。
母親思いの出来た子を演じて、時に母の職場に突撃して問題を解決したり、「山下マキ」を演じるヒューマンドラマとなってる初期も良い。
激熱展開になっていくのは2巻から。幼稚園のお遊戯会で木の役をやってたら、芸能事務所からスカウトされて役者になる。本人は前世の記憶もあり本音では役者になりたいけど母親のために我慢するが見抜かれて…その紆余曲折もグッとくるものがあります。
なんのかんので親子モノとして温かみがある。
ドキッとさせる描写
松原は私を…いやらしい目で見てるのかな?(9話)
山下マキはここぞで「女」を見せてくるのがドキドキゾクゾクさせてくる。天才役者所以なのでしょうけど、プロローグである1話で見せてた大人の男をドキッとさせる手管が凄まじい。
読んでて歳不相応のセクシーというか大人が本気で魅入られそうになるのは背徳感全開にさせてくれる。山下マキ…恐ろしい子!
ここぞで大人びた女のような「ドキッ」「ゾクッ」とさせる言動が実に良いんですよ。
時に不気味で恐怖のようなゾクゾクを味合わせてくれ、時に幼女なのにメスのゾクゾクを味合わせてくれる。
激熱バトルか!?
メグレが新しく生まれ変わったことを一緒に知らしめましょう(10話)
バトル漫画か!?
2巻は凄い熱量を出してた演技バトルが勃発する。メグレというチョコレートのCMで、大女優の小山内千枝と共演することになるのですが、その背景とCM撮影がヤバイぐらい震える。
- 前世の憧れの女優で初恋の人
- 初代のチョコのCMが小山内千枝
- バチバチに喧嘩売る
- 演技で相手を食ってやると戦い出す
メグレってチョコはかつて一世を風靡した国民的お菓子。そして今の時代の国民的お菓子になれる原石として生まれ変わった。その新メグレのCMに選ばれたのが山下マキ。初代CMだったのが小山内千枝。
そんな背景があるからこそ「メグレが新しく生まれ変わったことを一緒に知らしめましょう」と挨拶したのは喧嘩を売るようなもの。そしてCM撮影共演という名のバッチバチのバトルが勃発するのです。
負けてたまるものですか!
全力で存在感出して食いにいく小山内千枝の演技に、これでは山下マキの存在が消えてしまう…と誰もが思う中の演技で逆に食ってやる存在感と演技を出す。
例えるならギャリック砲をぶっ放す小山内千枝に、山下マキは3倍カメハメハ派…いや4倍だー!みたいな攻防するわけですよ。完全に熱血バトル漫画のコードで描かれててめちゃくちゃ熱い!
そんな両者のCM撮影は名勝負だった。ふぅー。なんという息をもつかせぬ攻防戦か。1コマ1コマがクライマックスかというぐらい全力投球。熱いバトルを繰り広げていました。
おっさんが転生して天才役者になって「演技」という競技でフルスロットの熱量あるバトルを繰り出すのはなかなかどうして。
そして、前世の記憶会って初恋の人。今はもうけっこうな年齢の大女優。戦い(共演)のあとのやり取りがさぁ…マジで性癖が歪みそうになる(褒め言葉)。
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