これは酷い(褒め言葉)。
楽園連載の「幻想ギネコクラシー」1巻が発売されました。
やべぇぞ、この短編集は。間違いなく傑作である。
珠玉の短編集ここに登場であります。
収録されているのは、「鳳梨娘(フォーリーニャン)」「かまくりあん」「楽園からのハッピー・バースデー」「筒井筒」「コップと泥棒、その妻と愛人」「新世紀ゴッドスレイヤー」「青い珊瑚礁2011」「オムレツの想い出」「惑星ソラリッサ」「健啖家・最後の晩餐」「殺し屋リジィの追憶」「イヴァン・ゴーリエ」の12本が収録。
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すごい漫画だ…
12本の短編というと多すぎと思うかもしれませんが、基本6ページで長めの話は「鳳梨娘(フォーリーニャン)」「イヴァン・ゴーリエ」の2本となっています。
で、この短編。
率直に申しまして素晴らしいのだ。
この読後の感情を言語で表現すれば「沙村広明を堪能した」の一言に尽きるでしょう。
沙村広明を堪能した
まさに、沙村広明先生の魅力を凝縮した短編集である。
それを具体的に説明するのは難しい。
しかし、沙村広明漫画の魅力がギュッとつまっていると断言できる。
そもそも、沙村広明先生の描く漫画の魅力とは何かと聞かれてパッと思いつけるかと言えば無理でしょうね。
例えば「無限の住人」が好きだという人がいたとしよう。「無限の住人」のどこが好きですか?と聞かれたら、答えは千差万別でしょう。
重厚な設定が好きだという人もいるでしょう。
感動的な話を仕立てあげられるストーリーテラーという人もいるでしょう。
圧倒的迫力の構図や絵という人もいるでしょう。無慈悲なグロさだという人もいるでしょう。エロだという人もいるでしょう(僕です)。さらに、沙村漫画は短編集や「ハルシオンランチ」でも分かる通り、圧倒的なギャグセンスが好きだという人もいるでしょう。
つまりですね、沙村広明先生は漫画家として天才なのだ。
普通は、この漫画家の魅力は○○だ、とか。この漫画家のキモは○○だ、とか。この漫画家の主張は○○だ、とか。ある程度はその作家の芸風や魅力はズバリと説明できると思います。
で・も・ね!
沙村広明漫画をズバッと説明するのは無理です。
あらゆる方面で突き抜けて、多芸であるからこそなのだ。
私も沙村漫画のキモは何かと問われれば答えられません。だって、天才なんだもん。
ある人はギャグが面白いと言う。
それはまったくその通りです。それがいかんなく発揮されてるのは…「幻想ギネコクラシー」に収録されてるほぼ全てでしょう。圧倒的なセンスのギャグのオラオララッシュに吹き出すしかないのである。
全編通してギャグの切れ味は半端じゃありません。
個人的に、切れ味が鋭かったのは「楽園からのハッピー・バースデー」「青い珊瑚礁2011」「オムレツの想い出」あたりでしょうか。吹き出すレベルです。
ある人は泣かせるストーリーテラーだと言う。
それはまったくその通りです。それがいかんなく発揮されてるのは…「かまくりあん」でしょうか。グッとくる泣かせる感動的な話を6ページで描いてしまっている。シナリオの重厚さとなると「イヴァン・ゴーリエ」もなかなかどうしてよ。
ある人は圧倒的迫力の構図や絵だろと言う。
それはまったくその通りです。無慈悲なグロさだという人もいるでしょう。それはまったくその通りです。その魅力がいかんなく描かれてるのがこの短編集「幻想ギネコクラシー」なのです。沙村漫画の魅力が満載なのである。
あらゆり魅力を網羅した
ちょっと胸を打つ感動的な話から、背筋をゾクゾクする話まで。
圧倒的な絵と構図の迫力で魅せてくれる。怒涛の展開に溜息しか出ないのである。この短編集をズバリと述べるのは無理でしょう。
だってですよ、いい話もあれば、ゾクゾクさせる話もあるし、
しょうもない話もあるし、グロイのもあるし、エロいし…。
まさに「沙村広明を堪能した」なのである。
個人的に述べれば、沙村先生はエロティズムも半端でない拘りというか、俺の心の琴線を鷲掴みにするのですけど、そのエロティズムは全編通して描かれていたので大満足です。
素晴らしい。
実に素晴らしいです。
様々な魅力の詰まった短編であります。
興奮します、感動します、恐怖で鳥肌立ちます、くだらなくて笑います、グロイです、エロイです、シナリオ文句無しです。あらゆる魅力満載です。おしっ娘的な観点でも100点です。沙村広明先生の魅力をギュギュっと凝縮した短編集である。
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