ドラゴンボール外伝『転生したらヤムチャだった件』
ジャンプ+で連載していた『転生したらヤムチャだった件』(ドラゴン画廊・リー)の後編が公開されました。最高だったぜ!
かつてここまでヤムチャと向き合った作品があっただろうか?いや無い!
『転生したらヤムチャだった件』というタイトル通り、異世界転生もので『ドラゴンボール』のヤムチャに転生してしまうっていう壮大な出オチ感満載だったのですが、出オチなんてとんでもない!全3話(前編、中編、後編)を読んで心の底から最高のヤムチャ漫画だって思いましたね。すっげー面白かった。
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ヤムチャと言えば、カマセ犬の代名詞ですが、後半は引き立て役のカマセ犬ですらありません。ただのボロクズです。おい!汚いから片付けておけよ!
3連続天下一武闘会一回戦敗退という不滅の記録を持ち、「あっという間に白目を向かせてやるぜ」→あっという間に白目を向いて足をポッキリ、足元がお留守、お遊びを注意してサイバイマンと相討ち、人造人間に真っ先にやられる…etc。上げればキリがないヘタレ&雑魚っぷりです。また「ムダな動き」にも定評があります。
ムダな動きらしい
第21回天下一武道会一回戦で亀仙人に「動きにムダがあるのがおしいのう…」と注意されたのに、6年後の第23回天下一武道会一回戦でも神様に「ムダな動きがおおい」とまったく同じ事を注意されていました。
ムダな動きに定評があるヤムチャさんである。
まあ、ムダな動きよりもムダ死に定評があるってのが正確なところかもしれませんが…。って、いかんいかん。ヤムチャを語り出すと終わらなくなるのでこの辺にしておこう。
転生したらヤムチャだった件
ヤムチャの戦闘力は10000以上!
原作を知っているからこそのパワーアップ!転生ヤムチャは悟空とクリリンと修行し、単独でカリン塔に登り、超神水まで飲み、(神様にも修行してもらった?)、ナメック星へ行き最長老様に眠ってる力を起こしてもらい、ネイル(戦闘力42000)に修行をつけてもらいサイヤ人戦に備えていたのでした。
その結果が戦闘力10000以上!
『転生したらヤムチャだった件』の特筆すべきところは原作リスペクトですね。
ヤムチャの戦闘力基準がちゃんと原作基準だったことはファンとして嬉しいですし、ドラゴン画廊・リー先生もヤムチャファンの真理をよく分かってるなと。
ヤムチャの最大戦闘力は分かりませんが、原作では界王星での修行と人造人間戦に備える修行を得て、サイヤ人襲来までのデータを取ってた人造人間19号に孫悟空と間違われる戦闘能力を誇っていました。
いきなりみつかった…ソン・ゴクウだ
この時のヤムチャは、ベジータ戦までのデータを取っていた人造人間から見て孫悟空と間違えるだけの戦闘力だったわけです。大体1万以上の2万以下かなと。これが原作ヤムチャの最大値でしょう。
アニメのヤムチャは有り得ないんですよ。界王星でギニュー特戦隊のリクームを倒すわ(おそらく戦闘力数万)、セルジュニアに一矢報いるわ。こんなのヤムチャさんじゃないんです!これはCV古谷徹さんって大物だった事が生んだ現象ですよ。
『ドラゴンボール大全集 補巻』によると、古谷さんはアニメ監督にヤムチャを格好よくしてくれとお願いしまくったと語っており、アニメは原作では有り得ない謎の活躍が沢山あります。活躍するなんてもうヤムチャじゃないんだよね。なんでこんな大物声優がヤムチャ役だったのか。まあ、初期は悟空のライバル的な立ち位置だったので仕方ないね。本当に初期だけ。
そんなわけで、アニメのヤムチャはちょっとヤムチャらしからぬ活躍するんですよ。戦闘力いくつだよって。で、『転生したらヤムチャだった件』は原作基準の戦闘能力だから「お!ヤムチャを分かってんな!」などと唸りましたね。
転生者はヤムチャだけでない!
ヤムチャのあの異常な強さ…まちがいないな
あいつもだ!いったい何週目だ…!?
中編ではヤムチャだけでなくもうひとりZ戦士の中に転生した者がいると判明しました。まあ、地球人がどんなに修行したってサイヤ人編までしか戦闘力的についていけませんからね。
ここで『転生したらヤムチャだった件』は転生ものとしての物語にシフト。ドラゴンボールの物語を知っていてもこの先の戦いには地球人じゃついていけないないしね。出オチっぽかったヤムチャの転生ですが、めっちゃいい味わいで面白いわ。
ドラゴンボールを知ってるからこそヤムチャの存在力を最大限に引き出し「if」をやり、それでいてもうひとりの転生者と本編のシナリオと別で熱いことやるんですよ。だって、もうひとりの転生者ってチャオズだったからね。
ヤムチャVSチャオズ
ヤムチャVSチャオズ
後編は転生者同士の熱き戦いである。
ヤムチャとチャオズってある意味夢の決戦じゃん!
Z戦士のお荷物1位と2位のドリームバトル!
戦闘シーンからコマ割りなど「これぞドラゴンボール」って感じで、ドラゴン画廊・リーの原作リスペクトっぷりがヒシヒシと感じましたわ。ただのスピンオフでなく、これはドラゴンボールの新作ですよ。
原作リスペクトが半端ない
『転生したらヤムチャだった件』後編
後編は冒頭からセルゲームへ向かう孫悟空のパロディになってて最高でした。
肝心のバトルもヤムチャとチャオズの対決は2人の良さを出しまくり。そもそもこの2人はサイヤ人編以降は戦闘描写まったくなかったからね(チャオズは出番が無いし、ヤムチャはやられたシーンしかない)。チャオズが超能力を駆使して闘うとか、天下一武道会でしか見た事なかったよ。
天津飯に置き去りにされた2人が、セルゲームそっちのけで戦っていたのはかなり熱かったですわ。原作懐かしの技やネタのオンパレードで。なんのかんので締め方含めて転生ものとしてもヤムチャもの(ヤムチャものって何だよ)としても、ドラゴンボールとしてもとても楽しめました。
特筆すべきはチャオズへのトドメでしょう(魔封波前の)。
こいつは天津飯のうらみだ!!
ここで天津飯の恨みパロディなのは最高にロックだったね。
ヤムチャがチャオズへのトドメで「天津飯のうらみだ」をかます!意味深すぎる。まあ、足手まといのヤムチャ&チャオズと違って、天津飯は足止めとしては最後まで使えましたからねぇ。
その恨みは相方でなく天津飯自身にぶつけろよ!さすが天津飯に「置いてきた」されたシリーズの2人の戦いですよ。どんだけ置き去りにされたこと恨んでんだよ!ヤムチャとチャオズは置いてきたである。ハッキ言ってこの戦いには読者がついていく!
最高と断ずるに些かの躊躇もないわ!めがっさ面白かった『転生したらヤムチャだった件』ですが、不満点もある。それはたった3話じゃ短すぎたことです。こんな極上のネタで全3話ですっ飛ばしちゃったのはもったいないよ!もっと詳細に話数使って描いて欲しかったというのが本音でしょう。
辻褄というか分からない点もある
ナメック星には行ったらしい
未来を知っているからこそ面白かったヤムチャの奮闘でしたが謎な点もある。サイヤ人編までは一応辻褄合ってますが(それでもヤムチャが天下一武道会で一回戦突破できたのかとか気になる点多いが)、そっからセルゲーム編までどういうストーリーだったのでしょうか。
チャオズとの会話からナメック星には行ったようですが…。
ヤムチャが先行してナメック星へ行き、ポルンガの願いで地球へ戻ったので、神様がナメック星から地球へやってきた宇宙船はナメック星に放置されたままじゃん。どうやってナメック星に行ったのだろう?まあ、これは孫悟空がナメック星に行ったようにサイヤ人の小型宇宙船を改造したのかもしれんが。
いやそれ以前にさ、原作ではクリリンと悟飯しか生き残らなかったサイヤ人編でしたが、『転生したらヤムチャだった件』ではZ戦士全員が生き残った(ピッコロ含め)ので、ナメック星へ行く理由が無いんだよね。なんでナメック星へ行ったのだろうか?その辺の補完が欲しい。
やっぱ3話じゃどうしても描ききれてないよなぁ。できればもっと尺を使った長編で読みたかったです。とはいえ、原作リスペクト満載で屈指の名作ヤムチャ物語でした。まる。
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コメント
ヤムチャ転生、凄く面白かったですね
こういうのは素人がやると、典型的なオレTUEEEになりがちですが
ドラゴンボール愛とヤムチャの限界をきっちり守って、短めに綺麗に纏めたのが凄く好印象でした。
>どういうストーリーだったのか
もっともありそうなのは
ヤムチャ(このままだとフリーザが不老不死になって暴れまわる……そうでなくても、ドクター・ゲロが人造人間やセルを作ったり、バビディがブウを復活させた時にどうしようもない)
悟空「ヤムチャ、おめぇどんな修行したんだ?」
ヤムチャ「ああ、ナメック星っていう神様の故郷に行って修行したんだよ。ベジータより強い人もいたから、皆で修行しにいこうぜ。オレも皆に挨拶したいしな」
とかいう感じでナメック星に行き、フリーザたちを止めたって感じですかねえ。
ちょっと無理あるような気もするけどそんな風に行ったんですかねぇ。
スーパファミコンのゲームでピッコロだけイベントで死んで、ヤムチャ他全員でナメック星にいくのありましたよね
スーファミ版なら「超サイヤ伝説」ですね。
クソゲー扱いされてるけど私は名作だと思ってます。
ベジータとフリーザがナメック星を狙ってることを悟空が界王様から聞いたとかの可能性もあるんじゃないですかね。
界王様はフリーザに手を出すな派だし、フリーザがいることを知ったのも悟飯たちと話した時にたまたまですからねぇ…
ポルンガは呼び出せてもナメック語で言わないと結局願い叶えられないよな
確かにw
どうやってチャオズことオーショウは願いを叶える気だったんでしょw
そりゃ超能力でナメック星人を操るか脅すかしてでしょ。
あんまり話をちゃんと描くと矛盾が色々出てきて話が壊れそうだからこのくらいがいい。
まあ確かにそうなんですけど、シナリオが原作基準で進行してたので気になっちゃうんですよね。
これくらいの話数の方が、読者が想像膨らませられるから丁度良いと思います。
しかし面白かった。特に中編。もう1人の転生者が誰だろうとから、考えちゃったし。
ピッコロみたときにナメック星人がどうとかべジータ達が言ってたのは聞いてから、ナメック星のドラゴンボールが狙われる可能性を危惧してって理由でZ戦士がいく理由にはできると思う。
転生ヤムチャが実際に使ってるわけだし説得はできると思う
作者はもっと細かい話のネームを作っていたようなので、もしかしたら単行本等で不明部分が補完されるかもしれないですね
ベジータの向こうに愛するキャラクターを思い浮かべてしまい
殺せなくなるところなんかもグッときますね
ヤムチャしやがって…
転生ヤムチャは一度も死ななかったようですが、悟空が超サイヤ人に覚醒するためにはクリリンに死んでもらわないと…
っていうか、誰もヤムチャの髪型が初期の頃のままっていう所に触れないんだね。(笑)
多少は、髪を切ったりしているだろうけどさ。
あと、プアルも顔が見れてないし。
ハーメルンの小説の方は読んでないのかな。
二次SSを引き合いに出してた持ち上げてるじてんで終わってるんだけどな