『Dr.STONE』Z=45 Epilogue of capter1
すごい漫画だ…。
Z=45「Epilogue of capter1」を読んだ。泣いた。それも号泣ですよ。
もはや扉絵だけでウルウルしてしまう。3700年越しのバトンは受け取った。どさくさに紛れてマグマとマントルまで頭を下げてるけど許された!許す!
ここ最近の『Dr.STONE』は神ってるとしかいいようがないね。
親父編(?)から涙腺を刺激しまくりな話が続いて、ついにダムが決壊するような大号泣であるよ。土曜発売のジャンプで本当に良かった。平日だったら人前で大泣きするキモイおっさんの図を晒すところでした。あぶねー。
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いやー、改めて素晴らしい。
ちなみに私は名作フラッシュ「WALKING TOUR」を思い出しましたね。
今週の『Dr.STONE』で伝説のフラッシュ「WALKING TOUR」を思い出した… https://t.co/ZMxJryQBz6 @YouTubeさんから
— 山田 (@yamakamu) 2018年2月10日
死んでしまった人とはもう一緒に歩くことはできないけど、その人は「いなくなった」わけじゃない。見守ってる(はず)。だから今を生きろと。
また、今までの千空の行動が今読み返すと意味があることで伏線のようになってるのは痺れるねぇ。再読の仕掛けが楽しく何度も読み返してしまいたくなる。『Dr.STONE』は大傑作!全人類に読んで欲しい!
第一章「STONE WORLD THE BEGINNING」
全て繋がったわ
改めて凄い構成ですわ。
百夜たちが無人島に定住し、現在の石神村と場所が違っていた理由も、ずっと意識があった千空に会ってなかったことも全部分かった。そうだったのか…である。
「百物語」でいつか息子が目覚めることを見越し、其之一で子孫たちに日本を目指してほしい旨、生きるための情報、最後の其之100「石神千空」は父親からのメッセージ。
科学土産は約束通り3700年の時を超えて息子に伝わった。
いつかきっと目覚めると信じて息子へ託す父親の想いにすこぶる泣けます。
今までの千空の行動が深くなる
ラーメン作りと肺炎克服
鉄作りのための懐柔作戦で作った猫じゃらしラーメンを石神村の面々に振舞ったこと。そしてルリ姉の病気・肺炎を治したのこと。この2点はいま読み返すと鳥肌ものでしょう。深い。
シャミールと百夜のラーメンが美味しかった、またいつか食えるとこまで人類は辿り着くのやり取りの後だと(正確には宇宙でだけど)、彼らの子孫がめっちゃ美味そうに猫じゃらしラーメンを頬張ってる姿の感動もひとしおです。
そして百夜たちの死因が肺炎だったというのはビックリですね。千空が知り得ない情報だろうけど、3700年後に息子が科学の力で肺炎に勝っていたのはさらなる感動を生みます。少年漫画の王道です。少年は父の背中を見て育ち、そして超えていくを地で行きやがる。
受け継がれる意思
それは遥か彼方から届いたアストロノートからのメッセージ
お前なら負けねー
ゼロからだって文明を作り上げて全人類を救い出す
千空、お前なら必ず…
百夜が切り開いた「百物語」「仲間」という意思のバトン。届いた。
百夜と千空の親子がそれぞれに2つ光源があるのも胸熱…。
私は最初に第一章「STONE WORLD THE BEGINNING」ってサブタイトル見て「石世界の起源?いきなり一章で石になった理由の種明かししちゃうのかよ!」とか思ってたら、そうではなかった。石世界でなく、「意志、遺志」の世界だったか。その起源。
以前にこの漫画のラストは千空の作ったロケットで宇宙へ行くと予想したけど追加があります。「宇宙でラーメンを食う」である。その過程で0から文明作り人類救う。それが千空が受け取ったバトンです。ワンピ風にいえば「受け継がれる遺志」です。
なぜ息子の為にここまで…って、決まってんでしょ!
親子愛だよ。もっと言えば、百夜は息子のお陰で夢を叶えられたからですよ。
Z=42「幾千年物語」
千空が俺のために!
あんな物まで作ってくれたんだ
そんなもん死んでも泳ぎきるしかねー
百夜はもともと宇宙飛行士になる夢があったけど、水泳が苦手で着衣水泳で宇宙飛行士採用試験に落ちた過去がありました。
それを聞いた千空は「宇宙へ行く」という夢を持つようになりました。
まさに親父の背中を見て育つ少年である。
親父は車が惜しいからでなく息子の心意気に泣きますわ。さらに、10年振りの宇宙飛行士候補生募集があり、千空の怪しスーツ発明で苦手の水泳を克服…は、実際に役立たなかった。
しかし!
しかしである!
百夜は息子が「ここまでやってくれたら応えるしかねーだろ!」の心意気で夢を叶えたのである。それを述べる百夜の顔を隠す太陽の光。当時は漫画的な演出としか思わなかったが、今ならこう言うね。息子・千空は太陽の光だったのだと。
百夜にとって千空は太陽である。
この「ここまでやってくれたら応えるしかねーだろ!」が逆転してるのが今回だよなー。
親父・百夜が全てをバトンとして息子へ繋いだ「ここまでやってくれたら応えるしかねーだろ!」を受け取る千空の図ですよ。背中合わせだけど、千空と百夜の両者が光ってる。2人にとって、親父にとって息子が、息子にとって親父が、それぞれ太陽の光だったんだなって。
あまりモノローグを出さない千空だけど見えるし聞こえるよ。「百夜が俺のために!あんな物(百物語)まで作ってくれたんだ。そんなもん死んでもゼロから文明作りだすしかねー」って。ぼくには聞こえたね。
STONEは石というよりも、意志(成し遂げようとする心)であり遺志(死者の志)であったか…。お互いを照らす2つの太陽で光り輝いてた。感動!
太陽の反対は満月である
満月の光源
約3700年前に死んでいた親父の墓標。
創始者たちのものもを運んだそうだけど、今では白骨一つ残ってない父の墓標。
それを前にした千空の顔は見えない。次のコマで猛烈な感動を生むんだけど、注目したいのは月の光で顔を隠すことだよなー。太陽の光で顔を隠した父のように…。ちなみに今週のジャンプの巻末コメントでBoichi先生は以下のように巻末コメントで述べてる。
私は人の心を描写する瞬間が本当に大好きで、沢山気持ちを込めて描きました<Boichi>
もちろん、千空は蛭魔妖一のようなキャラなので心の奥底が把握できん。この時に何を思って考えていたのかは分からんのですが、むしろ語らぬからこそである。秘すれば花です。それでも心が描写されてた。
涙を見せたコマよりも、月明りで親父の墓標に立ってたシーンを決めコマにしてたのが最高すぎる。満月ですよ。
満月ってのは科学的にいえば、太陽が最も月から遠ざかった位置にいる現象です。逆に、もっとも太陽から近いと地球からは新月といって月の姿が見えません。太陽が一番遠い時に、光を反射して満月として月が一番綺麗に光る。
で、この親子のエピソードは全て満月の日なんですよね。
はじまりも満月の日だった
千空が月はいつもついてくるって言った日、すなわち宇宙へ行くと志した日。
その日は満月でした。百夜が息子を想い「百物語」を作った日も満月、いま現在、百夜の墓標で泣いてる千空を照らすのも満月の光。
満月になるのは太陽が最も遠い正反対に位置する時です。父親にとって息子が、息子にとって父親が太陽の光のような比喩があった上での、最も遠い所で見える満月の光。満月の光源が千空を照らしていた…。
はるか前に満月だった日、はじめて月にに興味を持った保育園児の千空。それを父・百夜はおとぎ話としても、リアルとしても説明してあげました。
「お月様はお前のことが好きなんじゃねーか?」
「月がついてくるように見えんのは、めちゃめちゃ遠いからだな!」
満月が付いてくるように見えるのは「千空が好きだから」「めちゃめちゃ遠いから」と言ってました。これはどっちも正解だった。両者にとって太陽だった親子だけど、今は親父はいない。死んでしまってる。
それでも、めちゃめちゃ遠い位置にいる太陽は月を満月として千空を照らしていたのです。もういないのに、千空からめちゃくちゃ遠いのに、息子を最高に光って照らしてた。そりゃ千空が好きだからですよ。
作中で最高に光り輝いて千空を照らす満月でした。今はめちゃめちゃ遠いところにいるけど千空が好きだと主張するもう一つの太陽が反対側から見守ってる比喩のようである。泣ける。
なによりも、今までの親父の台詞は全てが遺言のように思えるから深いな。
サンタが用意してくれた親父初登場の10話
父さんは手伝えねー
だが千空、お前さえ本気なら地道な科学で!
なんだって成し遂げられるさ
いま聞くと、なんて泣けまくる台詞なんでしょうか。まじサンタじゃん。
初登場で言い放った千空へのコメントが意味深すぎるぜ親父!重すぎるぜ!深すぎるぜ!道具だけは用意してやるって言ってたのが二重の意味で熱い。
科学部屋を用意してくれた親父は年相応の少年を笑顔にしてみせた。3700年後、託して繋いだバトンを受け取った少年を泣かせたみせた。ニヒルのクールキャラだった千空の心の底を本音を出させる親父はサンタクロース!本当はサタンタクロース!プレゼント掲げて!ですよ。
はぁ~(感嘆)。
仲間と百物語の科学土産。ありがたく受け取るぜ。
親父は何もできないけど、千空さえ本気なら成し遂げられる!
今はただただ安らかな眠りを願いたい。遺志とメッセージは受け取った。千空を遠い場所から照らしてくれ。ガチのマジでサンタクロースだったよ!
太陽のKomachi Angel
コハクは大天使
はい!可愛い!
百夜と千空の親子がお互いの太陽で、今は遠く離れてるけど満月として照らすような泣ける関係なら、コハクは一身に可愛いを担うもう一つの太陽です。天使です!太陽のKomachi Angelですよ!
千空の話を聞いて、千空と親戚なのかとショックを受けてしまう顔の可愛いこと。可愛いこと。安心してください!千空と百夜は血がつながってません!コハクはヒロインです!結婚できます。よし結婚しよう。世代が離れまくってるので最初からノープロブレムだけど…。
1章を振り返ればコハクまじペロペロだったしね。コハクがいなきゃ、適当に読み飛ばすところだったぜ。サンキューコハク!正直自分の中で「コハク>>>>杠」なので、2章はどうなってしまうのか…。
そもそも、メンタリストが上手く司を言いくるめてたのに攻めて来るって(千空死んだ事になってる)、コハクが小競り合いしたせいじゃねーのかって思ったり思わなかったり。
コメント
各作品には申し訳ないが、いま一番ジャンプで面白いのはこの作品。
「伏線」がここまで分かりやすく、膝を叩くような張り方はなかなかないのでは。複雑すぎず、簡単すぎずのバランスが本当にちょうどいいと思う。
父にとって千の空を照らす太陽だった息子であり、
息子にとって百の夜から見守る満月だった父、ということですな。
毎度ながら今回もいい記事でした。
ラーメン作って肺炎治して…かがくのちからってすげー!
決めゴマのシーンで、表情ではなく満月の光を強調したのはやはり「父の意志」の演出でしょうね!素晴らしい漫画だ。そもそも月自体が巨大な石であり、即ち父の強大な意志であるといつ部分もかけているのでしょうかね。
人手が揃ってきたら敵となりうるものは制圧しとかないとね
開拓は原住民を制圧するところから!
火ノ丸相撲もレビューしてください
めっちゃ濃い感想ありがてぇありがてぇ…!
意思の世界と「ここまでやってくれたら〜」のとこ読んでて燃えましたよ、なるほどなるほど…!
満月についてもまったく覚えてませんでした、こういう感想やってくれる方がいると作品がより面白く感じるんですよね…! 宇宙でラーメン食べるオチとかめっちゃ爽快感ありそう