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『君曜日』シリーズ「春のきざしを君と見る」が最高すぎる!

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『君曜日』 春のきざしを君と見る

 

傑作だ…(確信)。

 

もしも、いま一番面白いラブコメ漫画はなにかと聞かれたらけっこう悩んで赤坂アカ先生の『かぐや様は告らせたい』と答えるかな。じゃあ、いま一番面白い恋愛漫画はなにかと問われれば迷わず即答するでしょう。中村明日美子先生の『君曜日』シリーズである、と。

 

※マンガParkなら基本無料で読めます。

 

『鉄道少女漫画』の1作品からスピンアウトしたこのシリーズも終盤。

 

もうすぐ終わりそうなんですが、もう最高と断じるには些かの躊躇もない。物語が収束に向かって劇的に進んでおり、目が離せない展開が続いています。で、今回の「春のきざしを君と見る」は猛烈に感動した!

 

ここ3話は出来がずば抜けているというか、見事なぐらい王道純愛っぷり。ベッタベタの予定調和であり意外性も何もないけど、王道に必要な要素を全てにおいて丁寧に最高のクオリティで調理すれば、ど真ん中にまっすぐ胸に染みる名作になるね。ふおおおおお。余韻がやばいよ。

 

アコちゃんに胸が熱くなったんだ…。

いや~、青春って本当にいいものですねぇ(水野晴郎風にしみじみと)

 

(※コミック派注意!ネタバレ全開です)

 

 

春のきざしを君と見る

今回の感動はまさに今までの積み重ねと、ここがクライマックスって盛り上がりを見ましたね。ロマンチックでドラマチックな最高の話でした。

 

ここに至る「小平告白→アコちゃん返事せず→小平フラれたと思い逃走→アコちゃん追っかける→うおおおお!」の流れが芸術的といっていいでしょう。

 

特に前回の持田がいい味出してた。

小平が塾辞めたと聞いて電話をかけようとするも「なんて言う?」と踏ん切りつかず、小平の告白に対する返事に「私…、私は…」と悩んでいるところへ颯爽と登場である。小平の対して「好き」という感情を覚え戸惑うアコちゃんに最後の一歩を踏ませるのであった。

 

 

「倉木さんがいらないなら、とっちゃうよ」と言われたアコちゃんの表情。

特筆すべきは次のページです。悩むでもなく混乱するでもなく即答で答えるのでした。「…それはだめ」と夜の背景シーンでしっかりと言い放つ。そして抱きしめる持田。たった3ページの出来事なんだけど何度読んでも感動してしまう。とにかく素晴らしいとしか言いようがない。

 

うまく説明できないんだけど、抱きしめた持田の溢れる感情の波がどーんと胸を打ち、めちゃくそ泣ける。持田はおせっかいを焼いて、アコちゃんの背中を押して、大泣きしながら去って行った。持田…めちゃくちゃいい娘やん(´;ω;`)。

 


しかもさ、アコちゃんの前では泣くの我慢して去ってから号泣した持田。

幼なじみでありながら最初から最後まであて馬だったけど、恋に敗れたわけだけど、陵南田岡監督の言葉を借りるならば、持田は最高のプレイをした!です。

最後はドラマチックに!

フラれたと思って失恋の旅に出た小平は強羅にいました。

ロマンスカーに乗って追いかけるアコちゃんはロマンチックにドラマチックに物語を盛り上げまくり。いい子だったのにわがまま言って「会いたい人に会いに行くの」と母親に宣言し、今までの出来事を思い出していく。

 

王道展開のお手本のようにラストを盛り上げてくれます。

強羅行きの最終電車で、逆の電車に乗ってた小平。気づいた2人は駅を降りてダッシュです。映画『君の名は。』のラストを彷彿させますね。

 

 

ここまでひたすら積み重ねてきたあれこれ。

それが一気に収束されるこの感じ。途中からどー見ても両想いだったのに一筋縄ではいかない90年代のトレンディドラマの王道のようなあれ。遠回り青春ラブストーリーの旨みを存分に堪能した後のラスト。

 

「胸キュン」と「胸イタ」を良い塩梅でブレンドして甘みと苦味が絶妙だったコクのあるコーヒーを飲んだあとの「ふー」って感じです。あー!これだよ!これ!俺が読みたかった王道ってのはまさにこれだよ。全てはここに収束する。

 

5

盛り上がりっぷりがすごい

 

電車や駅をドラマチックに盛り上げるために絶妙に使っており、お互いが反対の電車に乗ってるのに気付いた全力ダッシュで会いに行くクライマックスである。これも全ては最後の1ページのためにある溜めみたいなもの。一気に加速してラストへ至る怒涛の展開と期待感の高め方がすごすぎる。

 

アコちゃんのモノローガも良い。

 

なんで逆の電車に…そうか小平もこっち向かってたんだ

よかった小平 無事だった

よかった よかった ほんとに

小平 よかった なんで強羅なんかにいたの なんで

なんで塾やめたの

なんで電話出ないの

なんで なんで

 

完全にいっぱいいっいです。

頭の中がグシャグシャなのでしょう。小平のことを考えてんだけど安堵と疑問が入り混じって完全に混乱している。メダパニ状態ですよ。

 

だからこそ!

ようやく会った小平に発した言葉が黄金のように光り輝く。破壊力が半端ではない。恋愛漫画史に残るような名シーン誕生の瞬間を見ました。アコちゃんは、これだけ頭の中がいっぱいでグチャグチャになっている思考状態で、小平に会った瞬間に言い放ったのは…。

 

6

私も好き…

 

 

 

 

 

 

7

 

この爽快感はちょっと言葉にできないですね。

全てが「私も好き…」というページに収束した。アコちゃんのグチャグチャに泣いてる顔が良すぎ。2人のドラマをつなげてこの決めゴマ(ページ)に辿り着いたともいえる。ここに向かってアコちゃんや小平を動かして、物語を展開させて、感情や状態を積み重ねて、積み重ねて…最後に大爆発させたって感じです。感動した!

 

いやー、清々しいぐらいにど真ん中なラブストーリーと結末だった。

 

物語の展開そのものは予想外なことも何もなく、全てが「お約束」の範疇だったんだけど、王道だからこそしっかり起承転結がついて、気恥ずかしくてニヤニヤできる青春っぷりを存分に味わえました。読了後の幸福な気分は半端じゃない。満足度MAXでした。

 

あとはエピローグかな。どー締めるんだろ…。

サブタイ通り「春のきざしを君と見る」のかな。

 

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