「お前は俺を殺す気か」1巻が発売されました。
簡単にストーリーを説明すると、双子といちゃいちゃする話である。双子の美女2人とあんなことやこんなこと…。普通に考えるとこのシチュエーションは甘美でありご褒美ですよね。
でもシギサワカヤ先生の手にかかれば、こんな羨ましい設定であろうと地獄と化すのであった。
主人公の芝は売れっ子のデザイナー。個人デザイナー事務所を経営していたが忙しすぎて社員を募集することに。そこへ面接へやって来たのが橋本雪江という氷のような女性。
採用して共に働く内に違和感を覚えるものの、関係を持ち判明する。実は双子で交互に出勤していた―…というもの。
双子である
姉・雪江
妹・雨音
双子の姉妹と関係を持ってしまった芝。それだけなら美味しいシチュなんですけど、この双子が非常にめんどくさい系だったというか痛みを伴うというか。
読んでて胃がキリキリしてきます。精神的なダメージ受けることこそシギサワ作品の真骨頂よ。目の前に地雷があって踏んじゃう好奇心!
見た目は同じ2人。
でも、それぞれ別の個性がある。性格であったりデザインセンスであったり別の「闇」を持ってたり。個人的に1巻時点の感想は「似ているけど似てない、でもやっぱ似てる」というもの。
帯にある「オトコは皆、イイ女に痛い目に遭いたい。とはいえ二人となると…快感は二乗、苦悩は三乗な惨状(ハート)」とはよく言ったものです。両者めんどくさいのですけど、特にめんどくさいのは妹・雨音にほうでしょうか。
いつも氷のような衝突をする姉妹ですけど、3話では感情がぶつかり合う喧嘩をおっ始めます。その様子が、「痛い、うわぁ、めんどくせぇ」の三冠王達成ですよ。
痛い、うわぁ、めんどくせぇ
「信じない、ユキは…いつもっ…」
「…や…しんじな…信じない、ユキ…ッ」
「…もうやだ」
「さわらないで」
「…嘘、…はなれないで…ユキ」
なんという姉依存っぷり。
雨音の姉依存っぷりがとにかく痛々しいほど半端ない。なんて言ったらいいのかな。痛いんだけどハマるというか。シギサワ作品って感性で読むもんだと思うんですよ(あくまで個人的に)。例えば…。
雨音
姉が芝に取られちゃうと嫉妬して芝と寝てしまうの図。
姉・雪江と一緒でないと夜も眠れない妹である。
反発しつつもお姉ちゃん大好き。
で、嫉妬して芝とヤる。男と寝るのはじめてである。この雨音の行動を「分かる」と思うか「なんで?」と思うか意見は別れるだろう。
とにかく痛さとめんどくささが中毒性。
ちょっと「お前は俺を殺す気か」の感想を上手く語源化できない。これはシギサワ作品全般に言えるんだけど。でも言葉に出来ない「感情」があるんですよね。なんて言ったらいいのかなぁ。「つめたく、あまい。(AA)」の後書きで以下のように作者が語ってるんだけど、まさにそれ!
これだよこれ。
見えない説明できない人間の感情的なことを描くのが上手い。「好き」とか「嫌い」なんて単純なもんじゃない人間の深いとこを描く。
また、「お前は俺を殺す気か」は特に何の説明もないまま事象だけが描かれるので理解するのに骨が折れる。しかもキャラの思考が深い深い。
姉依存の雨音がめんどくさいのかと思ってたら、根っこは似たもの同士。実は雪江もめんどくさいねっていう。なんだガチ両想いじゃんか。
なんか危ういバランスで保たれてる橋本姉妹の世界に、芝が加わった事でもっと危うくなりそうやね。先は地獄というかドロドロというか。
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