『ねずみの初恋』ドブネズミみたいに美しすぎる純粋で純愛で純情な超胸クソ地獄の初恋物語！

 

『ねずみの初恋』（大瀬戸陸）読了。

 

ヤクザに殺し屋として育てられ、人の愛を知らずに育った少女、ねずみ。何も知らない普通の青年、碧(あお)。二人は恋に落ち、共に暮らし始めるが、魔の手はすぐそこまで迫っていた‥‥。あまりに残酷で、あまりに切ない、初恋の物語。

 

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「殺し屋」ものです。明るい話でなく、けっこうSAN値を削られるエグいエピソードもあるのですが、ねずみちゃんは可愛いし、ピュアなラブコメ（？）展開の温度差がすごい。

 

※マガポケなら基本無料で読めます。

 

職業「殺し屋」

うちの組がこんな大きいなれたんも、ねずみちゃんが頑張って働いてくれたおかげなんじゃけぇ（1話）

 

主人公（兼ヒロイン）の名前はねずみちゃん。幼少期からヤクザお抱えの殺し屋として育てられた少女です。その仕事っぷりはファブル並に完璧なものでした。

 

ほぼ感情を表に出すことなく、冷静沈着に対象者を殺害していく仕事っぷりに舌を巻きます。いわゆる無表情系少女です。感情の吐露も葛藤もせず淡々と「殺し屋」としてタスクをこなしていきます。

 

そんな彼女が運命的な出会いをするのです。

ピュアラブコメ

ぼくとっ…付き合ってくださいっ…（1話）

 

人が恋におちる瞬間をはじめてみてしまった…まいったな…。

 

前の殺害現場のゲーセンで話しかけてきた男。ねずみちゃんがちょっと気になってた「でっぱアザラシ」を取ってくれると言うも、時間無くて現場を後にしたのでした。後日、ストーカーのように付けてきて愛の告白するのでした。

 

これには、無表情美少女だったねずみちゃんもビックリです。

 

この男…碧（あお）くんをねずみちゃんも少なからず思ってる事が分かるやり取りもいいんだ。わざわざ付けてきてるの気付いてて公園のブランコで待ったり。歯切れの悪い告白ではねずみちゃんの表情見えず、一目惚れしちゃったで乙女の顔してたり。

 

ねずみちゃんの表情がとにかく可愛い！で、渾身の告白を受けたねずみちゃんはどうなったかといえば、同棲生活はじめるのでした。

超イチャイチャ漫画

「かっ…かわいい」

「…ありがと…」

 

純情かよ！

 

もう同棲して半年なのに、お互いどんだけウブなんだよ！ゲームで負けてふくれっ面のねずみちゃんが可愛かったので「かわいい」「ありがとう」でお互いが恥ずかしくなって顔を覆い合うっていうね。

 

お互いが恥ずかしくなるの図

 

(*ﾉﾉ)きゃああああ！

 

この付き合い始めたばかりの中学生カップルみたいな、こそばゆいやり取りはなんなんだよ！見ているこっちが恥ずかしくなってきます。

 

甘ったるくて、むずがゆくて、自然と頬が緩んじゃうわけですよ。なんなのこの甘ったるくて、小っ恥ずかしい同棲生活。イチャイチャしまくってるけど、お互いがお子様な関係で恥ずかしがりやっていうね。

 

 

ねずみちゃんのギャップがすごい。ただの無感情殺戮マシーンだったねずみちゃんが、碧くんと恋人同士になったことで、年相応の女の子っぽくなっていくのもミソ。

ドンデン返しのストーリー

エッチ…して…みる？

 

ねずみちゃんはじまったな！！

 

明日はねずみちゃんの誕生日。碧くん（ヒモ）が頑張ってレストランのコースを予約をしてくれました。舞い上がったねずみちゃんから明日「エッチしてみる」の提案である。

 

半年も同棲して隣に寝ててキスすらしてない生みたて卵みたいなピュアッピュアッな2人がついに一線を超えるというのか。

 

どんどん人間らしくなっていくねずみちゃんは恋する乙女として最高に輝いてる。無感情殺戮マシーンが人間の女の子になったのです（感動）。殺し屋しつつ、年相応な恋する乙女。これ至高なり。

 

で、いよいよ誕生日。精一杯のオシャレしていよいよデートへ…ってところで臨時の仕事が入ってしまうのでした。嫌々ながらも現場に向かったねずみちゃんの次の殺しのターゲットは…？

 

「へへっ…見ないでっ…ねずみちゃん…」

「半年間楽しかったじゃろ、ねずみちゃん」

「ほんじゃ殺せ」

 

ええぇぇぇぇぇ！？

 

次の殺しのターゲットは碧くんだった。どうすんのこれ？そんな二転三転しビックリするストーリー回しが特徴でもあります。特に1巻ラストのエピソードは腰を抜かしそうになる。え？それってつまり…。どうなんだこの2人…（ゴクリ）。

人間らしくなるのは本業でポンコツなり

これだめじゃ、故障しとる（2話）

 

もしも半年前のねずみちゃんなら躊躇無くヤったでしょう。しかし、半年の同棲生活で恋する乙女として卍解。どんどん人間らしくなっていき、感情豊かになっていく。そのおかげの碧くんが殺しのターゲットなんてできるわけない。

 

しかし、最強の使える殺し屋としてはマイナスでしかないわけで。この漫画の面白ポイントの一つに初恋で幸せになったが故に、本業の殺し屋の仕事で「余計な感情」が生まれることにある。これは2巻以降で顕著なんだけど、見ててマジてツラタニエン…。

 

ねずみちゃんが年相応の女の子になることで、人間らしい感情を持つことで、これまで平然とやってきた殺し屋稼業に異変が生じること。辛いし重いのに面白いのが罪よなぁ。

 

また、碧くんを助けるためにお互いが初恋を成就させるため、もう決して戻れない地獄一直線なのも「続きどうなんだ？」って吸引力を高めてくれる。その道は地獄だし決して後戻りできない。でも、ふつくしい…。

 

あお君は私のために…（3話）

 

世界で一番ピュアの初恋。

世界で一番美しい初恋。

世界で一番地獄な初恋。

 

ドブネズミみたいに美しい初心な純愛な初恋物語である。どうか愛の意味を知ってくださいである。脳内にリンダリンダが鳴り響く。

 

もちろん、約束された地獄一直線である。どんどん人間らしくなり本業に支障とは言わないがバグが生じる殺戮マシーンと、ただの一般人が好きな女の子の為に頑張る話です。

 

あと大ゴマや1ページ丸々や見開きで「ここが名シーン！」ってわざとらしいぐらい振り切った使いどころがめっちゃ上手いので、素直に感動したりドン引きできます。

 

半年同棲して付き合い立ての中学生カップルのイチャイチャっぷりは脳がとろけそうなのに焼かれそうで最高。その根底は好きな人のためにって単純なもの。綺麗でどす黒く感情がジェットコースターみたいに乱高下する、超ド級の純情で純粋で純愛なラブコメです。

 

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