『左門くんはサモナー』
『左門くんはサモナー』の中に眠るラブコメ力は相当である。
基本的には1話完結のギャグ漫画ですけど、たまに炸裂するラブがコメる展開は侮っちゃいかん。かなり期待できるのではないだろうか?
かつて、自由民権運動で有名な板垣退助は暴漢に襲われた時にこんなことを叫んだという逸話がある。「板垣死すとも自由は死せず」と。
まあ、実際に板垣はそんな事叫んでないらしいんですが、なんともかっこ良い言葉じゃないですか。だからこそ、我々も叫ぶべきである。ニセコイ終ろうともラブコメ終わらず!
ジャンプ最長ラブコメ『ニセコイ』は連載終了しました。
しかし!しかしです!
ジャンプにラブコメ不在の冬の時代が到来したかといえば答えはノー!
ご存じくんずほぐれの『ゆらぎ荘の幽奈さん』があり、プラスして括目したいのは『左門くんはサモナー』である。
個人的に『左門くんはサモナー』は初期から、こいつの隠れラブコメ力は凄いと思ってましたが、最近はさらに上のレベルに達してきている(ように思う)。
特に、最近伸張めざましいのが加護小鳥という下級生キャラでーす!
加護小鳥。
小鳥ちゃんは、30話で初登場。
比較的最近追加されたキャラである。
「友達と遊びたい」なんて純粋無垢なお嬢様の願いを叶えて上げた左門くんが友達になるほのぼのあったかエピソードでした。そして、恋する乙女に覚醒したのでした。左門くんを指してこうである。
「その人はおとぎ話の魔法使いみたいな人で―けど王子様だったわ」
はい。来ましたね。
ゲスがウリの左門くんを「王子様」と。
天使の天使ヶ原さんに並ぶ、いや超えうる存在!それが後輩キャラの小鳥ちゃんである。
その可愛さはジャンプ界の癒し系ヒロインの超新星であるといえよう。
なにが素晴らしいってその純情さよ。
その純真無垢っぷりは、古いようで新しい。
その真意は後輩キャラなのにあざとさが微塵もない事である。
後輩キャラのあざとさ…必殺技とは「甘えること」でござる。
これが小鳥ちゃんにはないのである。
甘えられない小鳥ちゃん
後輩キャラの可愛さ力を最大限に高めるのは甘えることなり。
例えば、不意に「先輩ぃ~(ハート)」とか「ぎゅってしてください」とか言われたらどうだろうか。ハートが宇宙の彼方まで飛んでいってしまいます(断言)!
てか、可愛く甘えてくる後輩にデレデレしない男子なんていません!
小鳥ちゃんが頭ナデナデして下さいとか甘えてくれば、多くの読者の琴線を鷲掴みにすることでしょう。
しかし、悲しいかな。
左門くんに一人立ちを勧められている小鳥ちゃんは後輩キャラの宝具「甘えること」が封印されているのですよ。男心をくすぐる「後輩の甘え」が使えない小鳥ちゃんは、マホトーンくらった魔法使いのようなものである。懐いてこれない後輩に意味はあるのでしょうか?
あったのです!
いやー、舐めてた。小鳥ちゃんを舐めてた。
甘えてこない、懐いてこない後輩なんて後輩キャラに良さを消している!なーんて思ってたのに。44話「左門くんは恥ずかしっ」は、小鳥ちゃんの可愛さが最大限に発揮され、後輩キャラの新極地へ導いてくれた。目から悪魔がポロリですよ。
44話「左門くんは恥ずかしっ」の流れはこうだ。
↓
渡せなかった
↓
アンリと知り合い、恋のライバルと知る
↓
左門くんとアンリが相思相愛の恋人同士と聞かされる
↓
左門くんに(アンリと)お似合いですと言う
まいった!(白旗)
アンリと付き合ってると聞いて、左門くんに「お付き合いしてる方がいらっしゃったんですね」「相思相愛のカップル」「お似合い」と言えば、コレである。天使ヶ原さんと左門くんはお互いに相思相愛と言われると勘違いするのであった。アンリ?知らない娘ですね…。
結局、左門くんとアンリの誤解は解けるのですが…。
小鳥ちゃんは、ホッとしたのもつかの間。恐ろしいことに気付いてしまうのでした。左門くんとアンリは違ったけど、左門くんと天使原さんは…?である。というか、ど見ても夫婦だからね。仕方ない。
そんなこんなで、小鳥ちゃんの心が折れるかと思ったものです。
まで燃えはじめてもいない恋心が、燃え尽き当てしまうのか?否である!
九頭竜がガラにもなく、良い仕事をしてくれた。
そして、再びハートが点火した小鳥ちゃんなのでした。
点火した小鳥ちゃん
静かなる宣戦布告である。
やだ…ものすごく胸キュンしちゃった!
甘えて懐いてくるわけじゃありませんが、前向きな小鳥ちゃんにハートをにぎにぎされちゃいましたよ。なにこの娘!超可愛いじゃん!
そもそも、ジャンプラブコメの後輩ヒロインはみんな可愛かった。
されど、甘えたから敗北したのではないだろうか?
懐き系甘えん坊こそ、後輩キャラの長所でしたが、みんな敗れ去った。『きまぐれオレンジロード』のひかりちゃんしかり、『アイズ』の泉ちゃんにしても、『いちご100%』の南にしても、『ニセコイ』のマッコイにしても(戦場に立ってません)…、みんな甘え上手な名後輩キャラでしたが敗れたのです。
あざとく甘えてくる後輩キャラは可愛いけどさ、ことラブコメの真剣勝負では所詮、一定の需要を満たすだけどのサブなのである。逆にですね、小鳥ちゃんは、甘えることが出来ないからこそ真剣勝負が出来るのではないだろうか。ジャンプラブコメ初の勝利する後輩ヒロインになれる!当ブログは小鳥ちゃんを全力で推します!
あっ…!(察し)
とは言ってみたものの、やっぱり天使ヶ原さんに勝ち目ゼロなんだよなぁ。
正妻力の桁が違いすぎる。
左門くんと天使ヶ原さんは、大石&菊丸のシンクロ並に意思疎通しちゃってるもん。例えるなら、色んなところを旅行して、帰って来た自分の家というか。「やっぱり我が家が一番」という領域に天使ヶ原さんはいるわ。隣にいて当たり前の次元を超えてる。
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