『ニセコイ』最終話 ヤクソク
『ニセコイ』最終回である。
1話サブタイ「ヤクソク」ではじまり最終話「ヤクソク」で締める。
結果はご存じのように、千棘大勝利で小野寺さんは自分から察して身を引きました。小野寺さんは敗れ去ったのだ。コサキニストたちの断末魔である。ネット界の荒れっぷりを見ると、みんな怒っていることは伺える。あえて『ニセコイ』を擁護したい。
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結果だけ見ると、先行していた小野寺さんが千棘に逆転のタッチダウンを決められたように見える。しかし、そうではない。そうではないのだ。神(作者)は最初から千棘エンドにしようと決めていた。千棘エンドありきで物語を描いてきたのです。これを出来レースと言わずに何と言おう!
この結末は最初から決まっていた
あまりにも小野寺さんが可哀相である。
小野寺さんエンドでなく激おこプンプン丸になるコサキニストの気持ちは痛い程分かります。分かりますよー!確かに、千棘エンドへの持っていき方が、話の紡ぎ方が、過程が悪すぎた。コサキニストにとっては、到底納得いかないものだったでしょう。あまりの意味不明さに憤慨する気持ちも理解できよう。
しかし!しかしである!
怒りをぶつけるのはどうか?
『ニセコイ』は分かりやすく示していたのではないか?
だってですよ!
これこういう漫画(小野寺さんカマセ)だよ?と作者は読者に優しく教えてくれていたじゃないですか。
早い段階で教えてくれていた
告白しようとしたら野球ボールが飛んできたのにはじまり、肝試しの置き去り、キムチ事件といい…神(作者)は早い段階で「ニセコイはこういう漫画です。それで構わないなら読み続けて下さい」と何度も何度も何度も何度もしつこいぐらいに読者へメッセージを送っていたのではないだろうか。
そんな神(作者)の優しい忠告を無視して、勝手に期待値を高めてしまい、案の定、爆死してしまったというわけだ。それを逆キレしても仕方がない。もっと早く気付くべきだった。いや、気付いていても気づかないふりをしていたのだ。コサキニストは「負け戦と分かってて戦い切った」のだ。むしろ誇れ!
コサキニストは永遠に不滅です!
小野寺さんは僕らに色んな事を教えてくれたね。
小さい頃にいい感じの仲であろうと、大人になれば何の意味も無い。『秒速5センチメートル』もビックリ!どんなに努力しても、実らない恋は実らないということを教えてくれた。
つい最近までマジ恋だと気付かなかったのに、十数年間も想い人をあっさり凌駕してしまった不条理。「それくらい好きになっちまったから。
だから、きっともうどうしようもねえんだ」である。
説得力とかそういうものなど意味がない、理不尽さを説いてくれたのだ。『ニセコイ』とは世の無常さを描いた哲学だったのかもしれない。
しっかし、最終回の小野寺さん…泣けましたなぁ…。
最期の小野寺さん
出番4コマもさることながら、千棘と楽のウェディングケーキを作っているというね。小野寺さんの料理の腕が上がったのか、くっそまずいと分かっててケーキテロを仕掛けようとしているのか。
春ちゃんも姉をおもって身を引いたのに…。
「初めて聞いた時は戸惑ったけどさ」と流されて戸惑っちゃったよ。
まあ、自分がコサキニストだから愚痴しか出ないのかもしれない。
フラットに読めば『ニセコイ』だったジャンプ史に残るラブコメ…じゃねーな!
いや、ある意味歴史に名を残すんだろうけど。
やはり、千棘を選ぶ過程が意味不明すぎる。
ドラクエ5でビアンカかフローラを選ぶ時に、ルドマン選ぶぐらい意味不明である。
何と、この私が好きと申すか!?そ、それはいかん!もう一度考えてみなさい。
千棘と結ばれて
…なんだろう。
最期だけ見ると、すごく自分好みの直球王道ラブコメではある。
それでも、千棘エンドへの持っていき方が意味不明すぎて素直に感動できない。
フラットに読んでも納得できない。
最近、昔のジャンプコミックを怒涛の勢いで電子化して「伝説復活」とか抜かして『タカヤ』など打ち切り漫画が多数のラインナップぐらい納得できない。ある意味伝説ではあるが…。
そうなんです。『ニセコイ』はある意味では伝説を作ったのだ。
見ておくがいい!戦いに敗れるとは…いや、着地に失敗したラブコメとはこういうことだー!と身体を張って示してくれた。だから、僕らも悪口ばかり言うのではなく、ポジティブに叫ぶべきではないだろうか?
よっしゃあああツッ!THE ENDォォ!!
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