今にも泣き出しそうな雨が見えたどうやら俺はそこから振ってきたらしい。
おぼろげな記憶をさぐる。
俺は仄暗い空がこらえきれなくなってこぼした最初の雨か。
それとも散々泣き散らしてふみとどまろうとこぼした最後の雨か。
どちらでもある気がするし、どちらでもない気がする。
一つだけ確かに言えるのは
もう雨はごめんだ
すごいポエムだ…。
いやはや。
最近はギャグが白夜叉(ぱくやしゃ)ぐらいしかない。
シリアス一辺倒の『銀魂』でしたが、ここにきて特大の笑いを提供してくれるってんだから侮れません。最初読んだ時なんて、これ『銀魂』だよね?『ブリーチ』じゃないよね?ってタイトル確認したぐらいですから。
もうすぐ終わりそう
もう最終回が近いのかノンストップで盛り上がる『銀魂』。
ギャグ方面でもキレキレじゃん。さすが高杉晋助だぜ!
長いこと寝てて、起きた時、まっさきに頭に思い浮かべるのがこの雨ポエムだからね!ポエマ―のレベル高すぎだろ。くそ…のっけから笑いを堪えるのに必死になってしまった。
とはいえだ。ただの笑いが満載なポエムと侮ってはいけない。何気に深いぞこのポエム。というのも、高杉は左目が潰れているわけですけど、潰れる寸前の左目で最後に見たものが銀時の泣き顔だったからね。
高杉晋助の左目が最後に見たもの
ポエムでは雨は涙を例えてるわけです。
雨を涙、笑顔を太陽に例えるのは中二病ポエマーの基本でもありますけど。
「仄暗い空がこらえきれなくなってこぼした最初の雨」ってのは左目で灼きつけた銀時の泣き顔だろうか。高杉と銀時は「もう一人の己」(520話)らしいし。「俺」と書いて「おまえ」と読むからね。
「散々泣き散らしてふみとどまろうとこぼした最後の雨」とは自身のことでしょうか。
よう回想で出てくる、松陽の首を前で3人が佇むシーンの高杉は膝をついて散々泣き散らしているように見えますし。その後、攘夷志士でふみとどまろうと鬼兵隊を復活させて国家転覆目指してたし。
そして「もう雨はごめんだ」で、残った右目でまた子の涙ですからね。
もう涙はごめんだで目覚めるポエムの流れは、巧いなぁって思いましたね。
潰された左目で最後に見たのが銀時の涙なら、復活した高杉の右目で最初に見たのがまた子の涙。もう涙はごめんだですよ。というわけで、また子が泣いてる原因である高杉が復活ですよ!
しかも「三千世界の烏を殺し、主と朝寝がしてみたい」という扉絵が実に良いね。
これ高杉晋助のモデルである高杉晋作が遊女に謳ったという都々逸(本当に高すぎか不明だけど)。「カラスがうっせぇから、世界中のカラスぶっ殺して、あなた(遊女)と朝イチャイチャしたい」的な意味。
これが実に作中の高杉晋助の心情とシンクロしてる。シンクロ率400%を超えてます。エヴァ乗れちゃう。『銀魂』の高杉の場合は「天照院奈落(烏)をぶっ倒して、お前(銀時)とゆっくりしたいものだな」ってとこかな。つまり高杉のデレですよ!
そして、復活した高杉は銀時の元へ一直線で、また斬り合い殴り合いに発展するのかと思わせておいて、お互いが背中の敵を倒すっていうね。控えめに言って最高だった。
お互いの背後の敵を倒す
うおおおおおおおお!
この展開は熱い!熱いよ!
だってですよ!2人が対峙した514話「万事を護る者達」で、銀時は何も失ってなんかいないと言い切っている中、一つ減ったものがあったと述べていました。「ただ一つ、護る背中が減っただけさ」と高杉の背中を指していました。
そんな2人がだよ、お互いの背中の敵を倒すってんだからね。
そりゃ燃えるっつーの。
「空いた背中はお互いが護り合う…それがダチ公であろう」ですよ!ついに背中を護ったわけですよ。熱すぎるよ。脳汁出るレベル。
しかし、そんな展開すら最後への布石だったってんだからね。
573話「十年」の最後の見開きといったら。
私は鳥肌を立てて、感動しましたね。
ただただ純粋に、かっこよかったわけです。
うおおおおおおおお!
坂田銀時!
高杉晋助!
桂小太郎!
坂本辰馬!
攘夷4人が揃ったぁぁぁぁ!
なんだこれ。ベッタベタなんだけど、王道だからこそみたいなね。鳥肌やべーよ!強烈に押し寄せてくる感動と充実感!そうか、余はこの瞬間の為に『銀魂』を読み続けてきたんだな。ぐうの音も出ないかっこよさである。
最高と断じるに些かの躊躇もないわ!
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