『ニセコイ』第203話 ハジマリ
羽姉から始まりドミノ倒しのように次々とヒロインが陥落していく様は、さながら戦国時代のようだ。ラブコメも戦争と一緒!弱肉強食なのである。強いものが結ばれて、弱いものがフラれる。それだけなのだ。
いよいよ小天使・春ちゃんがのターンがやってきた。
はっきり言って勝てる可能性は限りなくゼロに近い。それでも。それでもだ。春ちゃんには素敵なラストファイトを見せて貰いたい。バランと竜騎衆3人組に絶望的な戦力差なのにたった一人で立ち向かったポップのようなね。胸が熱くなるような生き様を見せて欲しい。
ラストファイトを!
絶対に負けられない戦いも良いけど、絶対に勝てない戦いに挑むことも胸が熱くなるからね。負けヒロインにとってフラれる事は一世一代の見せ場ですよ。そして恋が散る最期は切ないけど僕らの胸を打つわけ。
春ちゃんの一世一代
春ちゃんは王子様が好きだということは楽も既知だから。
その王子様の正体が自分だとずっと前から知ってると告げる春ちゃん。
もう半分、告白をしているようなものですね。楽を「本当は優しい人」だと言っちゃうしね。評価高いね。(お前を助けさせちゃくれねぇか)。
そして、春ちゃんの一世一代の勝負が始まる!
「先輩は私がずっと探していた大好きな王子様だった」
「だから」
「だからね先輩…!」
…まぁ、だからと言って
先輩を好きとか言うと話は別なんですが
うーむ、ズルズルと引っ張ったのに春ちゃんは結局自分の想いを伝えずに終わってしまった。個人的には勝てないと知りながらも春ちゃんには神風特攻をして欲しかったなぁ。山王の監督も「フラれた事がいつか大きな財産になる」って言ってたじゃん(※言ってません)。
自分で諦めちゃうんだもん!
今まで諦める諦める言いながら、全然諦められなかったからね。
ベジータや天津飯みたいに戦わないとかもう会わないと言いつつ身を引く詐欺やってたから。本当に諦めれるのでしょうか。やはり特攻してフラれたほうが一つの恋の終わりとして綺麗だと思うんだけどなー。きっちりとトドメを刺さないと未練残らないか。
春ちゃん諦める
「無我の境地」ならぬ「達観の境地」に至ってしまったか。
「先輩ヘタレなんですから、きちんと言葉にしないと伝わりませんからね?」って、春ちゃんに、そっくりそのままリボンをつけてプレゼントしたいわ!まあ、春ちゃんはだからこそ、想いを言葉にしない事を、伝えない事を選択したんでしょうけどね。
こうして春ちゃんは小野寺さんの応援に回ったわけです。
自らの恋命を犠牲にして、お姉ちゃんが勝利する布石を打ってくれた。
だから先輩お姉ちゃんをよろしくお願いしますね
はい来ました!来ましたよ!「お姉ちゃんをよろしくお願いします」頂きました!春ちゃんが己の恋命と引き換えに言い放った小野寺さんをよろしくです。これで小野寺さんENDでなかったら春ちゃんが救われませんよ!自らの恋を強制シャットダウンしてたんだからね。これで千棘ENDだったら九州編のマリーぐらい悲惨です。
春ちゃんは、千棘軍の侵略に防衛戦を強いられジリ貧状態だった我ら小野寺軍に勝利の活路を切り開いてくれました。それが、「お姉ちゃんをよろしく」です。楽よ小野寺さんをよろしくされたんだぞ!
てめー!何だその九州編を読んでる時の読者のような面は!
大好きな小野寺さんの妹に宜しくされたんだよ?もっと喜ぼうよ!なに少し困った表情してんねん!春ちゃんはクマさんだけにくまったくまったてか。って、そんなしょうもないダジャレを言ってる場合ではない!
予想以上に千棘軍の侵略が進んでいるぞコレ…。
楽め…素直に小野寺さんとの仲を応援されても喜べなくなってる。
それはそうと、春ちゃんは可愛かった。
告白こそしませんでしたけど、春ちゃんの恋を閉じるという意味では綺麗でとても胸に響くエピソードとなりました。素晴らしい最期の見せ場でした。春ちゃんの恋命に敬礼!
春ちゃん…(´;ω;`)
あぁ…春ちゃんの恋はここまでなんだな。
終わったんだ…。見事だったよ。
これだよこれ。
この切なさと共に愛おしさがこみ上げてくる感じ。これが振られヒロインの生き様というやつです。想い続けて、それでも恋が実らなかった最期を見るのはもの凄く悲しく切ないです。人(乙女)の夢が散ると書いて「儚い」です。でも、その儚さは僕らの胸を打つんだ。一瞬!だけど閃光のように光輝くのである。私は春ちゃんのことがもっと好きになりましたね。
初登場75話で「素敵な恋とか始まっちゃいそうな予感です!」というモノローグの通りでしたよ。春ちゃんは素敵な恋をしたんです。実らなかっただけです!
春ちゃんが風ちゃんに抱きつき「好きだった。好きだったんだよぉ」と泣く姿の胸きゅんレベルは、一瞬ですが、姉である小野寺さんを超えていた。胸キュンの固まり小野寺さんより上!めったくそ可愛かった。「可愛い」を具現化させた、「可愛い」の化身とも呼ばれる小野寺小咲を、一時的とはいえ小野寺春は超えてみせたのだ。なんでマリーにはこれが出来なかったんだ…。
そして、春ちゃんは髪の毛をバッサリ切るのであった。
髪の毛バッサリ切った春ちゃん
失恋すると髪の毛を切るって言いますけど、想いや未練を断ち切るって意味なんでしょうかね。ニュー春ちゃんである。何よりもサブタイトルが良いよ。「ハジマリ」ってさ。春ちゃんの恋を終わったけど「ハジマリ」なんです。進路は和菓子職人に決めましたし。
かつてPRIDEで高田延彦が引退する時にこう言ってのけた。「今日が終わりだと思わないで下さい。自分にとってはこれがスタートです!」と。春ちゃんもそんな感じだ。春ちゃんによってはこれがスタートです!
スタート
「ハジマリ」だからね。春ちゃんはくまパンで始まったんだから、「ハジマリ」も、出会った頃のようにくまパンですよ。くまパンにはじまり、くまパンで終わる?ノーだ。くまパンではじまり、またくまパンではじまるんです。オチまで含めて素晴らしい!
「春、始まりの季節―。誰もが新たな門出を迎え、新しい自分に向かって歩き出す、そんな4月…」(201話ハルカゼ)というナレーションがスルメのように効いていた。春ちゃんは春にはじまり、春にまたはじまる。素晴らしい。実に素晴らしい。
ところで、風ちゃんのこの反応をどう思う?
風ちゃん
ガチだなどー見ても!
自分が告白されたと勘違いして頭は「?」だけど、顔が茹蛸のように真っ赤です。明らかに恋する乙女の反応ですよこれは。いやはやそれにしても。風ちゃんの赤面の素晴らしいことよ。赤面界の至宝と呼ばれる小野寺さんレベルの赤面を叩き出しおった!
春ちゃんは風ちゃんと幸せになればいいよ!
何よりも、春ちゃんを慰める風ちゃんの聖母っぷりよ。ここも天使がいたか(ニセコイ天使多すぎ!)。春ちゃんを優しく抱きしめる風ちゃんに、「ハルカゼ」から始まった春ちゃん編3話の収束を見たね。
春ちゃんと風ちゃん
春の日に吹く穏やかな風…春風です。
そういうことです。春ちゃんがいて、風ちゃんがいて、穏やかな春風になるのです。「カミカゼ」(75話)から「ハルカゼ」になり「ハジマリ」なのです。始まりの季節、新たな門出、新しい自分に向かって歩き出すですよ。よし!春風コンビの結婚を許そう!
「私も何か新しい自分を見つけられるでしょうか?」と201話であったけど見つけましたね。ニュー春ちゃんの爆誕!3話で綺麗にまとまって最高な春ちゃん編でした。春ちゃん!ありがとう!そしてありがとう!お嫁さんではないけど、義妹としてこれからも宜しく!
それはそうと小野寺さんですよ…。
小野寺さん
なんだろうね。
人間関係の中心にいるのに一人だけ蚊帳の外の状態は!
春ちゃんの為にも小野寺さんENDしかないよ。春ちゃんは自分の恋命と引き換えにしたんだから。これで小野寺さんENDじゃ無かったら、「さよなら天さんどうか死なないで」と自爆したにも関わらず、その15ページ後に気功砲放って絶命した天津飯ぐらい酷いよ!
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