『UQホルダー』を9巻まで一気に買って読破しました。
実はコミック集めてなかったんですよね。『ネギま!』が色々とぶん投げで終わった上に、その続編的な作品ですし。何より、赤松健先生らしくなかった。
萌え萌えブヒブヒじゃなかったから。それが最近の素晴らしすぎる展開でコミック全巻買ってきちゃいました。ぶっちゃけ、今まで適当に読んでたけど、これからはちゃんと読みます(実力を認めたラオウが馬から降りるように)。
で、読み返してみた結果、巻数を重ねるごとに面白さが加速していますな。
初期は私の心の琴線にピクリとも反応しなかったんですけど、コミックが進むにつれて、というか具体的にエヴァちゃんエピソードからクッソ良いな。俄然盛り上がってきたと言えるんじゃないでしょうか。しかし、相変わらず設定や伏線メガ盛りやな。ちゃんと回収できるんかいな。
面白いぞUQホルダー
初期はこれぞバトル少年漫画ってノリですね。
「UQ(悠久)ホルダー」という悠久を生きる不死者たちの物語か。死なないってある意味反則なんですよ。バトル漫画では特に。どう緊迫したバトルにするかが問題になります。
例えば『無限の住人』の万次さんなんかはいい感じで弱かったので緊張感を出してましたけど。『UQホルダー』の刀太も程よい弱さなので戦闘に緊張感があります。不死身じゃなきゃ毎回死んでるわ。
かなり泥臭いですな。それが漫画屋・赤松健作品らしくないかなって。
昨今の俺TUEEE主人公が受けてる土壌を考えると、こんな負けまくって挫折とか味あわせちゃうんだって思ったものです。あんま読んでて爽快感とか無いかもしれません。が、狭間の魔女・ダーナの元で修行して飛躍的にパワーアップします。
刀太パワーアップ
修業によって戦闘能力なら夏凛先輩も超えてしまった感じである。
まだ底が見えていませんからね。どれほどまで強くなっているのかワクワクしてしまいます。その一方であっさり遅れを取る隙があるけど。バトル漫画としても楽しくなりそうな予感。
また、16歳の頃のエヴァちゃんと出会った事で「世界を救う」「最強になる」と、いままで強さへの執着を見せなかった刀太が明確な目標を打ち立てたのも熱いじゃないか。この流れはなかなかどうしてよ。
7~9巻はあれだね。
若者特有の「自分探し」というテーマですな。前々から「一体何者なんだ?」と言われてきた刀太ですが、何者なのかが判明する。
刀太の正体
「アンタは何者でもなかったし、きっとこの先何者になることもない。ただの化け物だ」である。そうか、刀太は何者でもなかったのか。
自分の出自を、粗悪な劣化コピー、失敗作の複製品、残りカスの不良品、中途半端な模造品…という事実を突きつけられ、実際にその通りだと思い知らされ、自分が何者なのか分からなくなり絶望する。どうでもいいけど、成功作の複製品の妹(?)は目つきが1話でエヴァちゃんに拾われた頃の刀太とそっくりだな。
剣の腕も夢も目標も自分自身も中途半端と悩んでるところへ、誰かにつくられた中途半端な模造品という衝撃の真実を突きつけられちゃったらね。そりゃ凹むよ。黒棒は「人が前に進むためには、まず己自身を知ることが必要だ」とか言ってたけど、あまりの衝撃的な出自を知らされ、刀太は前へ進めなくなるってものです。
そんな刀太の時計の針を進めるのがエヴァちゃんである。
エヴァちゃんである
しかし、エヴァちゃん大正義ヒロインすぎませんかね。
麦わら帽子&白いワンピースの白猫ならぬ白エヴァちゃんの可愛さに卒倒しそうになったわ。
刀太の願望の姿の残留思念らしいけど、刀太くんとは美味酒が呑めそうだ。
エヴァちゃんとつかの間の逢瀬をするエピソードが頬を緩めてニヤニヤしまくる。
ダーナ修行編はエヴァちゃんの尊さを改めて知ったわけですよ。エヴァちゃんだけ時間の流れが長くて、刀太に会えるのを楽しみのしてた姿や、どーみても初恋は刀太、頭ナデナデ…萌え萌えポイントが多かった。
話が逸れた。
えっと…、そうそう。エヴァちゃんは刀太に出会えたおかげで「貴様のおかげで死のうとは思わなくなった」と感謝してもし足りない恩ができました。ある意味では刀太に救われたわけですけど、それはそっくりそのままリボンをつけて刀太にも言えるよね。
失敗作の複製品だけど!
粗悪な劣化コピー、失敗作の複製品、残りカスの不良品、中途半端な模造品…それが何か?っていうね。失敗作の複製品だろうが「お前は何だってできる」と言い切るエヴァちゃんである。自分の手で掴んだ力じゃなくて渋る刀太に「贅沢だな」と一刀両断するエヴァちゃんである。
「人の凄さというものは、与えられた手札では決まらん」
「手にした札で何をするかどうするか、違うか小僧?」
エヴァちゃん△□☓(さんかっけー死角無し)
エヴァちゃんのおかげで完全に吹っ切れてたね。
刀太は複製品で何者でもなっかったし何者にもなれないただの化け物だろう。
だ・け・ど!
近衛刀太である、と。自分という「与えらた手札」を受け入れたのであった。何をするかどうするか決めたのです。見失ってた自分を完全に見つけました。自分探しの旅・完ですよ。
自分見つけました
終着点のラフテルはエヴァちゃんの隣ってことか!
そのために最強を目指す。
うおー!この展開は熱い。
読んでいてブルッときちゃいましたね。あえて言おう!『UQホルダー』の真髄は、王道バトル漫画のノリである、と。少年の心(少年の心を持つおっさん含む)を燃え上がらせる熱さがそこにあった!
いやー、9巻にしてはじめて近衛刀太は真の意味で主人公になったって感じです。
熱量が跳ね上がるね。ラブコメ展開なんて所詮はオマケなんですよ。オマケ!
とはいえ、ヒロイン増えてのハーレム展開も期待していないわけではありません。それはそれ、これはこれです。まあ大正義ヒロインのエヴァちゃんが可愛すぎるんですけどね。時の覗き窓をぶち破って450年前のエヴァちゃんと再会したシーンは屈指の名場面と言える。
大正義ヒロイン
ぐうの音も出ない可愛さである。
可愛い。ヤバイぐらいに可愛い。全力で読者の心を盗みにくる可愛さですよ。
存在そのものが胸キュンの塊となるような、破壊力抜群のキャラになったな。元々エヴァちゃんは可愛かったんだが、『UQホルダー』のエヴァちゃんは100倍ぐらい可愛さを高める。
何が素晴らしいって目だよな。
襲ってくる敵を返り討ちにして魔王となったエヴァちゃんの目は死んだ魚のような目をしていました。それが、刀太と再会したら目に活力が戻るってんだからね。
死んだ魚の目→活力戻る目
これがいかに!いかに素晴らしいか!
死んだ魚のような目のエヴァちゃんは完全に絶望してますな。
青空の下にも地獄があり、それでもこの世界を歩き続けなくちゃいけないかと問うエヴァちゃんに対して上手く言いたいこと伝えられない刀太である。とはいえだ、ここで刀太に出会った奇跡が『ネギま!』のエヴァちゃんに繋がるはずである。
少なくとも『ネギま!』のエヴァちゃんはかなりノリノリで魔王やってたからね。
死んだ魚のような目のままで絶望して魔王を続けたわけじゃないからね。
「魔王様じゃねーのかよ!何しょげたこと言ってやがる!」ってのが効いたのかもしれない。
とにかく、刀太に出会ったおかで『ネギま!』のエヴァちゃんは死んだ魚の目にはなっていなかったのである。刀太がエヴァちゃんに救われる。エヴァちゃんに刀太も救われる。ウィンウィンですね。この時に出会った意味は大きい可能性が微粒子レベルで存在する。
うむ、そう考えると刀太こそエヴァちゃんに相応しいとも言える。
ナギになびいたのも初恋の刀太の面影を見たのかもしれないしね。
しかし、9巻のラストの破壊力は半端じゃ無いな。
エヴァちゃん
「…ばぁか、五百年遅いわ」
めちゃくちゃ嬉しそうである。
うむ。
1話で刀太を引き取った時に「これは…そうか…」と意味深に呟いていましたが、ダーナのところでつかの間の逢瀬をした事を思い出したんでしょうか。そして刀太からの告白に嬉しそうなエヴァちゃんである。脈はあるな。むしろ運命の相手だよな。
エヴァちゃんが大正義すぎるけど、他のヒロインの活躍も注目なので、今後も刮目していこう。
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