『おむすびの転がる町』(panpanya)読了。
やっぱりpanpanya作品は最高だぜ。
コロナウイルスの影響で外出を自粛してる方にこそ『おむすびの転がる町』がおすすめだ。panpanya作品は読むだけでどこか不思議な世界へ連れて行ってくれる。
「楽園」からの6冊目のpanpanya作品集。表題シリーズはじめ「筑波山観光不案内」全5本計55p、「坩堝」「ツチノコ発見せり」「新しい土地」等、著者ならではの描写が輝く16篇。日記も併収。
※「マンガPark」なら白泉社系作品無料で読めます。
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『おむすびの転がる町』
収録作品
今作『おむすびの転がる町』に収録されてるのは以下の通り。
そして読み応えのある解説のような日記のようなコラムも掲載。
どのエピソードもどこかへ連れて行ってくれるような感覚になれる読書体験ができます。
読むふしぎな旅である。
とにかく独特のpanpanyaワールドを堪能できます。
これが妙にクセになるんですよね。
panpanya作品のエモさは同じ主人公
ツチノコ発見せり
panpanya作品の魅力は、主人公がずっと同じルックスであることです。
簡易にえんぴつ描きのような(見た目は)女の子が全ての作品で主人公してます。
もちろん同じキャラではありません。時には学生であったり、時には社会人だったり、時にはレポ漫画の作者自身だったり、時にはようわからん謎人物だったり…。
まるで『BOY BE…』の主人公ように違う人物のはずに見た目はまったく同じという。『BOYS BE…』は当時のモテないマガジン読者(決めつけ)が自己投影できるようにって措置が取られてわけです。いつも同じ見た目のルックスの主人公は「=読者自身」であると。どっから読んでも飛ばし飛ばしでも入っていけると。
panpanya作品もそれに近いのかなと。いつも同じ見た目の主人公は、どんなエピソードから入ろうと読んでる読者と「イコール」的な。知らんけど。だから、コミック全部読んでなくても、短話を飛ばし飛ばしで読もうと、いつでも主人公に乗っかれる。
panpanya作品の主人公
・常にどんな漫画だろうとえんぴつ描きのような主人公
・そもそも性別すら不明(絶対スカートはかないマン)
・飛ばそうが何だろうがいつでも読者が搭乗可能
この主人公は性別もあやふやで誰もが乗れる!
ずっと少女だと思ってたけど、最近性別も不明じゃんと気づいた。
だからこそ描かれる旅に読者をそのまま連れて行ってくれる。
投影しておもしろくたのしくふしぎな世界を冒険できる。
背景が超緻密
筑波山観光不案内
また、panpanya作品でエモいところは背景とキャラのギャップでしょう。
えんぴつ描きのようなデフォルメされたキャラクターに対して背景は超緻密というかリアルというか…まあ、不気味です(褒め言葉)。このギャップが映えるんですわ。
リアル志向の町並みや自然に迷い込んでしまったかのような印象がある。これが「旅」「冒険」している体験をめっちゃ味わえるのです。もはやシナリオや台詞を無視して、キャラと背景のコマだけでもずっと見てられるパワーがあります。
リアルな世界にいるキャラ。この場違い感は「読む旅」として、読者をどこか不思議で不気味なところへ連れて行ってくれます。リアルというのは描写のみで、SFチックな設定山盛りです。それを実体験のように堪能する。良い。
発想がすごすぎる
おむすびの転がる町
何よりpanpanya作品で一番のキモい部分は発想がすごすぎることでしょう。
一見すれば突飛すぎているのに、日常の「あるある」を題材に昇華しており、ふしぎな出来事になっている話にしているのがたまりません。「読む体験」である。
例えば表題作の「おむすびの転がる町」は童話の「おむすびころりん」を題材にして、日常生活で誰もが経験する空き缶などものが転がることを結びつけた不思議な体験をさせてくれます。その発想力に脱帽しきり。
一体、panpanya先生はどういう脳みそしてるのかって思うこと多数。頭の中を見てみたいと思うこと無数です。アイデアがやばすぎて、まるでおもちゃ箱の中にいるかのようでもあります。
まとめると、panpanya作品はいいぞ(結論)。
読むだけで旅ができて不思議な体験ができる。おすすめです。まる。
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コメント
今作も良かったです
坂道登るだけのことから話を膨らませるとか
リサイクルショップには特殊空間が生成されてるとか
この発想力は子供時代の好奇心を持ち続けてるからですかね