いやー舐めてたわ。
何をって『暗殺教室』だよ。
まさかここにきてこの展開と勢いと面白さを叩きだすとはね。
はっきり言って面白すぎるってレベルです。めったくそ面白い。脳汁が出るってぐらい面白いんだ。とにかく、すごく、面白い!面白いしか言えねーよ。面白い面白すぎるだろ!(以下ネタバレ有り)
はじまりまくり!
白状すると面白かったんだけど『暗殺教室』ってあからさまに売れる事を狙ってるなって思ったもの(個人の意見です)。
捻くれた性格の私はまあ売れるんだろうけど計算しすぎじゃねって斜めに構えてた。ジャンプで読めば満足かなって単行本集めてなかった。ところがどっこい!その完全に計算された予定調和の展開にやられたね。全巻買いに走ったとも。ヤバイだろ!
ヤバイだろ
えええええぇぇぇ!?
ここからが『暗殺教室』です(by作者)
唖然呆然戦慄驚愕!
茅野カエデは触手持ちだった。殺せんせーへの殺意をずーっとひた隠しにして、クラスに溶け込み、128話「嵐の時間」でついに正体を現した!はじめて読んだ時は鳥肌立って目の前で何が起こってるのか理解できなかったよ。なんだよこれ!
しかし、ここで茅野ってのがすげーなマジで。
『暗殺教室』って、個性豊かなE組の生徒のラインアップの質の高さと豊富さが魅力で、かつ殺せんせーは「なごみ」を提供して絶妙な塩梅だった。それでふざけてるようで王道の教師&生徒モノだったからね。E組というバラバラだった落ちこぼれや問題児を一つにまとめて再生するというね。
で、E組は1つになり、最近は「アクシデント」や「問題」を外部から持ってきて話を転がしてたんだけど、1つにまとまっていたE組の中に最大の問題が潜んでいたっていうね。絶妙すぎる。
絶妙すぎる
このビックリする展開が、最初から予定してた計算通りの展開だったってんだから凄まじい。1巻から読み返すと、完璧に綿密に張り巡らされていた伏線の集大成だった事が分かる。
例えば触手そのもの。15巻のオマケページでも触れられているけど、まじで茅野には触手が描かれていたんだよね。それだけでなく、シロの「普通に教室にいた」「私の正体に気づいたのか、とっさに視線を逸らした」という台詞が一気に意味のある伏線に昇華した。
伏線に昇華した
30話でシロが見つめる生徒。てっきり渚を見ていたと思ったけど128話で「とっさに視線を逸らした」の通り。茅野は確かに視線を逸らしていた。88話で「イトナ以上の怪物がいる」と渚のことかと思いきや、小さく映る茅野を指していたと今なら分かる。恐るべし!
他にも、「E組に来て日が浅い」(4話)とカルマを知らなかった事は途中で転校してきたこと、「泳ぎは苦手だし」(43話)と浮き輪に浮いてたのも触手は水が弱点なこと、「以前ここで理事長の私物を壊した」(78話)で問答無用でE組に送りになった奴、「ふふ。本当に刃は親しい友達にも見せないものよ。また殺るよ。ぷるんぷるんの刃だったら他にも色々持ってるから」(80話)とか!
パズルがスパンスパンと音を立てて組み込まれるように。重厚に巧妙に張り巡らされた伏線がここで一気に回収された。というか伏線だと思いもしなかったし。これまでの何気ないシーンが、実は用意周到だったことに気づかされる。
用意周到過ぎる
茅野が触手を出すまでの流れがね。いいんだ。
今までのE組の出来事を思い出し、それを背景に笑顔の茅野。一瀉千里なキチッとした伏線であると同時に、徐々に秘密が姿をあらわすような、気づけば目の前で対峙する。これが伏線だったのかと驚愕する妙。「あれはこういう意味だったのか!?」と、何度も読み直し、ふと振り返り、噛み締めることになるね。おかげで今までの『暗殺教室』が深読みや裏読みを誘うってもの。
何も構成が凄いとか伏線しっかりしてるのを高尚とか意識高い系と言いたいわけでない。別に行き当たりばったりも好きだし。でも、『暗殺教室』はこの茅野の伏線が、ふと振り返るようなうなものだったのが凄い。何が凄いって、コミック15巻を読むと「振り返ること」が1つのテーマのようになってる。
振り返る
15巻では、浅野理事長にしても、茅野にしても、渚にしても、殺せんせー(過去語り自体は収録されてないけど)にしても、ふと今までの過去を経験を振り返る。そしてきちんと向き合う。「知る」でなく「知ってた」。得るものは大きいだろう。今までの経験を生かす!同時に人も生かす!人生と一緒である。
ここからが『暗殺教室』らしい。こっから本番なんだ。スタートですよ。殺すではなく生かす教育の本領発揮!それと同時にここから本番になる展開にも期待したところ。茅野のヒロインとしての始まり!
フラグは十分!恋する乙女のスタートである。
今までの茅野も可愛かったけど、今回のエピソードでヒロインとしてひとつ上のステージへいったね。
ここまでくれば、地球の重力で落下するアクシズのようにね、真っ逆さまに堕ちるだけですから。我々も重力に逆らわず受け入れるのみです。くぅー楽しみすぎる!ここからが茅野カエデです。
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