『メディアミックスメイデン』（原作：丸戸史明、作画：武者サブ）読了。
『先生で○○しちゃいけません！』で女の子の可愛さとあざとさが最高の武者サブ先生と丸戸史明先生がタッグを組んだという期待大な作品です。僕ら世代でエロゲを嗜んで来た者からすると丸戸史明氏は神みたいな存在ですからね。
働くお姉さんは好きですか？不幸男子・長瀬宏太の元に現れた3人の女。彼女たちの正体は、人気プロデューサーである父親のパートナーだった。ただし、ビジネスの。突然の父の失踪で、巨大メディアミックス企画に巻き込まれることになった宏太の受難と挑戦が幕を開ける――！
「社員のやらかしの責任を社長が取るのは…当然のことよね？」
関わる人間は全員曲者！魑魅魍魎が跋扈する業界で、100億エンタメ企画を成功させろ！エンタメ業界お仕事（＆ルームシェア）ラブコメディー！
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『メディアミックスメイデン』
エンタメ業界お仕事漫画
主人公・長瀬宏太はエンタメ業界に内定するも大学卒業間近に取り止めて就職浪人することを決める。1年後に田舎の公務員が決まる。
なぜ内定を蹴ったかといえば父親が大嫌いだから。父親はエンタメ界の敏腕プロデューサーで不倫して家庭崩壊。それが根底にあってエンタメなんて人の役に立たないクソであると。
田舎の地方公務員となるはずが、3人の美女が家にやって来る。いわく父親は失踪中で連絡が付かないらしい。
「実写映画」「TVアニメ」「コミック」「小説」の同時メディアミックスという巨大プロジェクトが動いてるのにである。そして長瀬宏太は親父の代わりに、神輿に乗せられる形で巨大メディアミックス企画に巻き込まれることになるのであった。
3人の美女とひとつ屋根の下で暮らしながらエンタメ業界のお仕事漫画といったところ。丸戸史明氏のことなので良い作品になるのは間違いないと思われる。
丸戸史明氏を振り返る
丸戸史明氏といえばかつて存在したエロゲ文明で大傑作を連発させたライターである。
『パルフェ 〜ショコラ second brew〜』『この青空に約束を―』『フォセット』『世界でいちばんNGな恋』『WHITE ALBUM2』はエロゲ史に残る大名作であり、多くのプレイヤーに萌えと感動を提供してくれたものじゃ。
しかし栄華を誇ったエロゲ文明も滅んでしまいました。かつては夢と希望と奇跡と妹と幼なじみ溢れた豊潤の大地も今やペンペン草すら生えません。おっさんたちは荒野を去ったのである。
第一線で活躍してた有名クリエイターたちは他ジャンルへの人材流出していきました。エロゲで名を馳せたライターは主にラノベか漫画原作が主戦場となりました。
丸戸史明氏もラノベ作家に転身して見事に成功します。『冴えない彼女の育てかた』で大ヒットを飛ばすのでした。今の若い方にとっては丸戸史明氏といえば冴えカノ作者といった方がピンとくるかもしれません。
エロゲでもラノベでも名作を出してヒットメーカーのポジションを確立してるのに、漫画原作という新たなフィールドに挑戦するとは恐れ入った。るーすぼーい氏もタカヒロ氏も漫画原作者として成功してるので期待したいところです。
丸戸氏といえば物語とヒューマンドラマ
丸戸作品の真骨頂といえば重厚な物語と濃厚なヒューマンドラマでしょう。
「まさか！？」というどんでん返しもあり、氏のシナリオはハズレ無しと言われている。何度も感動して泣かされたり、最高の大団円で幸福になれる。
がしかし！それはキャラが入り口という側面があった。最高の萌えキャラが取っ掛かりで気づいたら最高の物語に引きずり込まれたわけじゃないですか。
安藤凪紗
今作『メディアミックスメイデン』は、パッケージヒロイン・安藤凪紗を筆頭に笠原あすみも仁尾響も1巻の段階では一発でハートを鷲掴みにする破壊力は無かったかなぁ。
安藤凪紗は丸戸氏が大好きな黒タイツキャラでラッキースケベやおまけのアレコレは可愛いんだけどね。
『パルフェ』におけるカトレア、『こんにゃく』における海己、『NG恋』におけるトコ、『ホワラブ2』における雪菜、『冴えカノ』におけるエリリンゴ…といったキャッチーで速攻ハートを鷲掴みされるあざとさが服着てるようなヒロインに比べるとファーストインパクトの破壊力は少ないかな（個人の意見です）。
最初に「カトレア可愛すぎる！ペロペロ！」ってキャラ萌えで入ったらヒューマンドラマと重厚物語に撃ち抜かれてた感じと違って、『メディアミックスメイデン』はキャラより物語が先に来てる印象。お仕事漫画ありきというか。もちろんお仕事漫画として面白いですけどね。
ラブコメ成分もっと！というか。これでは「アンナギ記念日」は生まれませんよ！
とはいえ丸戸氏には全幅の信頼があるので安藤凪紗、笠原あすみ、仁尾響もスーパープレイを連発してくれるはず。読者をニヤニヤさせてくれる事でしょう。ここぞで悶絶させてくれる確信がある。
つーか、どうせこの3人ダミーでメインヒロインじゃないんだろうけどね。多分。
丸戸氏といえば裏ボスヒロイン
丸戸氏の伝家の宝刀といえば裏ボスヒロインでしょう。普通、ソフトや1巻表紙を飾るヒロインはメインヒロインじゃないですか。しかし丸戸作品では逆を付く。パッケージヒロインなのである。
含みありまくりの女性
1話冒頭で宏太が話してた女性。就職浪人を決めてエンタメ業界には行かないと聞いて憤慨してました。一緒の大学か昔ながらの知り合いなのでしょう。顔が隠れてるけど、訓練された丸戸ファンなら一発で想像できる。この子が裏ボスヒロインであると。
後から「え？そんなことが！？」的なドンデン返しや真実が明かされてメインヒロインとして物語を食っちゃう可能性が非常に高い。1巻表紙を飾ってる安藤凪紗さんはパッケージヒロインだな（確信）。
そんなこんなで丸戸作品にハズレ無し！であるので、漫画原作挑戦となる『メディアミックスメイデン』にも期待しかない。
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コメント
冴えカノの加藤がどうにも好きになれず乗れなかったし本作もイマイチだし、丸戸さんはエロゲ書いてこそ真価を発揮する人なんだなあと実感した