今、「ニヤリング」の動乱期渦中であるヤンジャンに、『かぐや様は告らせたい』『源君物語』『干物妹!うまるちゃんG』と呼ばれる漫画が居る。
天使さながらに読者を魅了し、その可愛さを以って、新萌豚時代を切りひらいたそのヒロインたちは、「最可愛」という名の伝説と化していった。
そして、新たなペロペロ浪漫譚の始まりは平成三十年。
ヤングジャンプ(9号)の新連載から―――。
『夜明け後の静』(石川秀幸)
おろ。
ヤンジャン新連載『夜明け後の静』がとてもあざとかったと思います(褒めてる)。
なんなんすかね。このいかにも僕らを釣ろうって魂胆丸見えの撒き餌さ。あのな、そんな見え透いた餌に食いつくと思ったら大正解だぜ。全力でパクつくっつーの!ペロペロだっつーの!うんめー!
もう開始1ページでノックアウト敗けですよ。
小此木静は激怒した。
文明開化の象徴、蒸気機関車。
その乗車口はあまりに高く。
乗るには大股にならざるをえないからだ。
下着の無い時代でる。(尻のカット)
はい!優勝!
すごい掴みですね。あざとく絶妙のワンカットで白旗上げてしまった。まったく油断も隙もない。開始1ページ目にして、下着無し着物尻をぶち込んでくるなんて。開始の合図と同時に一本背負いを食らい瞬殺された本阿弥さやかみたいになったぞい。お見事!一本!
期待大の『夜明け後の静』
小此木静
『夜明け後の静』を簡単に説明すれば可愛いポンコツお嬢様観察漫画です。
日本初の「女子高」が舞台とか明治女学生奮闘記って煽りだったので、てっきりそういう作品なのかと思ったら、なんてことない。本能で読む漫画だった。細かいことはいい。「考えるな!堪能しろ!」である。
例えばナレーションで明治時代の女性は「胸の大きい事は恥とされた」と説明され、豊穣なお胸の持ち主である静さんは、武士の娘としてさらしをきつく巻いて「胸がわずかでも揺れるなど言語道断」って毅然と過ごす様(全然できてない)が良い。読者にとってご褒美そのものです。
せいやっ!せいやっ!せいやっ!せいやっ!(感謝の正拳突き)
ナレーションもなかなかどうして
ナレーションも良い
乳揺れは末代までの恥。いやそれ以前に、桜蕾の如き先端が着物と直に擦れるこの感覚は、静の14年の人生で初めての。
バカバカしくもクソ真面目なナーレーションが間に挟まってギャグが成立しています。『かぐや様は告らせたい』を彷彿する「プッ」と笑ってしまう状況説明がリズミカルに展開するのも見どころのひとつ。
つまり、『源君物語』のような視覚的インパクトと『かぐや様は告らせたい』のような笑えるナレーション(ぽんこつっぷりも)を合わせた一品でござる。そりゃ当然、ヤンジャン読者の琴線に正射必中ですよ。
世間知らずの静お嬢様の言動を見てひたすらにニヤニヤするというのがこの漫画の楽しみでしょう。扇情的かと思えば、間抜けそのものだったり、一挙一動楽しませてくれる静お嬢さん。その全てに「可愛い」が付くからおそろしい子!
これまたとんでもない逸材ヒロインが登場したものです。
「可愛い」は正義
なにより特筆すべきはその赤面っぷり。
この赤面よ
圧倒的可愛さである。
静お嬢様の赤面の素晴らしきことよ。まだはじまったばかりの序盤でこれ程高レベルの赤面を叩き出すとは…。『夜明け後の静』は静お嬢様の言動をひたすらニヤニヤするのが正しい楽しみ方ですが、もっと言えば「恥ずかしがって赤面する姿」が至高なり。
ちょっと抜けてるアホ可愛さも捨てがたいが、やはりキモは戸惑って恥ずかしがっての大赤面ですわ(きっぱり)。静お嬢様の「恥じらい顔」は天下一品。もしも武家が滅びる前ならば、恥じらい顔だけで天下が取れたことでしょう。
かの海老名ちゃんもビックリの顔面沸騰っぷり。
質も量も文句なしの恥ずかしがってる赤面です。ウォーズマンだって30分は戦えるというのに、静お嬢様ときたら2~3ページで沸騰しちゃうんだもん。最高かよ!
新連載ということで、「静、女学生になる」「静、水浴みす」「静、自転車に乗る」と一挙3話掲載だった『夜明け後の静』。
静お嬢様のはじめての機関車、はじめての同級生、はじめてのサドルがアソコへ…と見どころ満載でした。個人的にベスト赤面賞はやっぱ2話かな。
天下を取れる赤面や!
芸術的赤面である。
神の領域にまで達した可愛さと言っていいでしょう。そもそも公式が「明治恥辱浪漫譚」と述べているように、静お嬢様がいかに恥ずかしがらせて赤面するかが醍醐味。我らはそれを見て頬を緩ませるのみですから。
武士の姫として凛としてクールにしようとすればするほどギャップが生まれ、羞恥心によって生じる赤面の破壊力は増し増しです。
静お嬢様はあれだね。
「愛でる系ヒロイン」の最高峰と言っていい。
その愛くるしい姿を眺めているだけで幸せになれます。まじで。
それでいてあざとさの塊なのもグッドだ。
あざといも正義
なんつーかフェチっぽい描写がとても熱い(主に下半身が)。
はじめて乗る自転車エピソードは漲ってきましたわ。サドル(突起物)が、初めて新雪の如く静お嬢様お下腹部に触れる流れは上手くて美味い。私は色んな意味で大興奮しました。
すごい漫画がはじまったものです。
超期待大です!ぼくらの新たな水飲み場(オアシス)になる予感します。
これは推測であるが作者さんはヤンジャン売れ線の『源君物語』と『かぐや様』を研究し、自分なりに昇華させて、『夜明け後の静』という芸術的なペロペロ漫画を作ったと思う。
というのも作者さんのブログを読んだからなり。
めちゃくちゃ面白い漫画家を連載を目指す奮闘日記やこれ…(ヤンジャン読んでないとか際どい記述満載で、この作品ヒットして有名になったら消すと思われるので今のうちしか見れない可能性高いぞ)。
作者さんを応援せざるを得ない
この『夜明け後の静』の連載に至るまでの四苦八苦がスゴい。
この漫画はネームの段階で色々な編集部に持ち込んだので、各編集部の評価を纏めておきます。
ビッグコミックスペリオール(企画を立てたところ)「面白いから外に出しましょう」
ビッグコミックオリジナル「主人公はおっさんにすべき」
モーニング「面白いです」
ヒバナ「持ち込む雑誌を間違えていますよ」
イブニング「まず第一にヒロインの胸が大きいというのはよくありません。良いですか?ヒロインはあくまで美乳でなければなりません。巨乳枠はサブキャラとして用意し、お色気担当とするのです。ヒロインはアンタッチャブルでなくてはならないのです。わかりますか?わからない?良いでしょう時間はたっぷりありますからこの件については膝を突き合わせてじっくり語り合いましょうそもそも乳というのものはですね…(2時間経過)」
アクション「もう少しキャラを強くしたほうが」
コミックバンチ「お、面白い、ような、気が、します(自信なさげ)」
アフタヌーン「ヤンマガ向きですね」
ヤングジャンプ「もっとエロく!」
ヤンマガ持っていかなかったのかよ!
ひょっとすればヤンジャンでなくヤンマガで連載してた可能性もあったのか?
んで、この作者さんのブログを読んだ感じ、多分30代半ばでサラリーマン辞めて漫画家を目指すようになり、色んなところに持ち込み、デビューし、短期打ち切り(?)、紆余曲折でヤンジャンで初の週刊連載GETなこと。おそらく今の年齢40歳前後(←新人漫画家)。
あんたすげーよ!
なにが凄まじいって、ヤンジャンに持ち込んで(30代半ば?)「年齢的にヤンジャンは厳しい」と編集に直接言われてしまっていることですよ。20歳前後の若者が来る中でおっさんが持ち込み、年齢を指摘されるって…きっつー!
それから4年…。
年齢で厳しいと断言された天下の週刊ヤングジャンプで連載がはじまったのである。
(40歳ぐらいの)新人漫画家がヤンジャンで初の週刊連載!
漫画家浪漫譚だねー。
私は小此木静先生を応援します!
もちろん『夜明け後の静』は、めっちゃペロペロできる「あざとい」「可愛い」満載なの超期待大です。次回も楽しみすぎる。まる。
コメント
ヤンジャン編集有能。
岡本倫の新連載と勘違いしたのは俺だけで良い
握り飯頬張ってる姿がとてもかわいらしくて○
漫画だけで面白かったが
作者のブログ見て応援したくなったわ
脱サラしたての時に描いた『夜明け後の静』のプロトタイプの原稿(落選原稿「夜明け後」)を持ち込んだ時の反応
ヤングジャンプ「もっとエロく!」
ttp://hidegogogo.blog.fc2.com/blog-entry-356.html
ヤンジャン編集部はブレねえな
けっこう面白かった
ヤマカムさんの期待大=短期打ち切り
このジンクスを打ち破れるかな?
飛び級・浪人・留年でない限り、作者は今年で42歳
40近くでプロデビュー、そして40過ぎで初週刊連載って、挑戦者すぎる
氷河期世代の人間としては、確かに応援したくなる
リアル平○さん?
源君や極黒の作者と何か関わりがあるのかと思ってたら全然関係ないのか
ヤマカムさんなら女神のスプリンターもオススメしたい