『有害指定同級生』(くろは)3巻読了。
これが最終巻です。あー終わってしまった。もうちょっと続いて欲しかったぞい。で、最終巻なんですけど、えっと…とても良い話だったんだけど!?ちょっと困惑したけど、最終的に良いソフト百合漫画だったなーって結論です。はい。
真面目なクラス委員、八橋みやこは放課後の図書室で淫語を連発する事に。一方パンツを穿かない同級生、都城玲華がついに解放する新たなフォルムとは!? 条例に中指を立てる、反体制ギャグ!!
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『有害指定同級生』3巻
相変わらずキレキレである
33話
相変わらず酷い…(褒め言葉)。
ブレーキが存在しない都城玲華がアクセルを踏みまくってガンガンお下品な下ネタを繰り広げるのに対して、彼女を更生させようとするピュア真面目な八橋みやこのJKコンビ。玲華が絶妙なボケ役でみやこが天才的ツッコミ役となる上質の漫才をやっています。
『有害指定同級生』のキモは突き抜けすぎたギャグセンスでしょう。キレッキレの会話応酬劇に何度も笑いのツボを押されてしまいます。基本的に酷すぎる最っ低の下ネタオンパレードなのに笑ってしまうのは女の子だからなのか。
下ネタって若い頃はゲラゲラ笑ったものじゃないですか。それこそ子供の頃はウンコだけで笑えたものです。年取ると下ネタを真顔で受け流すようになったのに『有害指定同級生』で笑えるって若かりし頃の何かを思い出させてくれます。
完璧なボケとツッコミ
何だコイツ…
みやこのツッコミ役としての才能は『ピューと吹く!ジャガー』のピヨ彦レベルです!キレキレで「ここぞ!」で合いの手のようなツッコミを炸裂させます。
声出して笑ってしまうようなギャグ漫画(に限らんけど)は奇想天外なボケは必須でしょう。それと同じくらいしっかりしたツッコミも大事マン。
八橋みやこと都城玲華の漫才コンビはボケとツッコミの「テンポ、間、落差」が完璧すぎる。たまにみやこがボケ役(34話のカラオケ回とか)になることもありますが、いつもエキストリックな下ネタボケをする玲華が逆にツッコミ役になり、きちんと臨機応変に役割分担しています。
ボケとは「非常識」でツッコミとは「常識」って観点でいえば、みやこにも常識が無い部分があるわけで。互いにそれを補ってくれるので天然漫才JKコンビとして最強だね。
また、ようこんなネタ思いつくなって言葉遊びや語彙力に関心していまいます。
とにかく酷い下ネタ漫才会話ですが徐々に2人の関係が変化していくのも見所の一つ。
なんだかんだで友情を育む
ちょっとだけ特別な友達
個人的に『有害指定同級生』で一番好きなのは、わずかであるが、しかし徐々に確実に濃厚に漂う百合の気配なり。初期は「なんだコイツ…」とドン引きしてたみやこも、段々と玲華と友情を育んでいきます。
その様子がね。いいんだ。最高なんだ。自然と頬を緩めてニヤニヤしてしまいます。普段はエキセントリックで最低な下ネタのお下品トークしてる中で挟まる女の子同士のキャキャウフフって綺麗な部分。なにこの差…(褒めてます)。
いつもの内容が内容なだけに仲良し2人のシーンが尊いものとしてめちゃくちゃ映える。例えるなら、まるで暗黒の世界に一筋の光が差し込んだような。そんなありがたさを感じるから不思議だ。これが普通の会話するだけの仲良し女子高生2人の日常だったらここまで破壊力ないからね。
ドン引きすぐらい最低の下ネタばっかしてるからこそだね。肥溜めの鶴というか。荒野に咲く一輪の花に見えるから不思議だ。
冷静に考えるとなんてことない女の子同士の友情なんだけど、いつもの笑えるギャグ&下品な下ネタオンパレードのおかげで百合的な尊さをより美味しく頂けるのも光るところです。落差があるフォークのように簡単に打ち取られてしまいます。2人の友情…良い。
普通に感動するんですけど!
50話
不覚にもグッときて泣きそうになった…。
なんだこれ?
『有害指定同級生』は逆を取るのが上手いなぁ。下ネタわんさか下品の作風において百合的な尊さを際立たせたようにそれは不意打ちで食らうのである。3巻は感動的なエピソードが刺さる。刺さりまくる。
47話「都城さんは焦る」と50話「都城さんはいちばんの友達」である。2人のキャラを掘り下げる話で、玲華の友達に関する認識とみやこが真面目になった理由を触れつつ、グッとくる涙腺を緩ませる話をやってきやがった。
酷い下ネタの合間でこういう話はズルイよ…。特に50話は女の子友情という名の百合っぽい旨味がこれでもかと堪能できます。1巻7話「都城さんは距離感が下手」のエピソードを拾って爽やかな健やかな感動を生む。
7話
2人の友情に幸あれ!
イイハナシダッタノニナー!
総括すれば『有害指定同級生』はギャグを中心に百合とグッとくる話でキレイにまとまっていました。アブノーマルな世界観は普通にストーリーへ移行した時は破壊力を増す魅力があるのう。不意打ちでホロホロしてしまう。「ここ感動です」「ここ尊いです」なんて道案内せず、ギャグ漫画として読んでるリラックスした自然体の読者の心にすっと入り込んでくる。
『有害指定同級生』は名作!
全3巻なので本当におすすめです。まる。
コメント
ミヤコのジョーでクッソ笑った記憶w
終わったのすっげえ寂しいしまだまだ続いてほしかったんだけど
それはそれとて最終回のそれ使うの?どうかなー?の流れが最高だったね
このラインを越えるとドン引きして読めなくなる一歩手前ギリギリの漫画だった
作画とかがマッチした作品だったんじゃないかと
肥溜めじゃない
このギャグセンスを気に入った人は、帰宅部活動記録もぜひ。