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『将来的に死んでくれ』、ギャグ漫画としても最高だが百合漫画として見ても…!?

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将来的に死んでくれ(2) (週刊少年マガジンコミックス) 将来的に死んでくれ(1) (週刊少年マガジンコミックス)

『将来的に死んでくれ』(長門知大)のコミックを読了。

情弱なんで、もともとチェックしてた作品でなく、マガジン本誌に読み切りが出張掲載されてたので読んでみたら、想像してたのとまったく違うとてつもない異常さを内包しており思わずコミックを手に取っていました。はい。

そんで読んでみたら、これがなかなかどうして。「なんだこの百合漫画は…」(百合漫画なのか?)と震えつつも勢いとテンポに圧倒されつつハマってしました。お勧めのギャグ漫画です。

女子高生・菱川俊が恋しているのは、同じく女子高生の刑部小槙! この恋心、お金を積んででも届けたい! たとえ手段は不純でも、小槙への想いは、純粋で一点の曇りナシ!! まずは、お友達からお願いします。

<試し読みできます>

『将来的に死んでくれ』(マガメガ)

最初に読んだときは、『安達としまむら』の片思いしてる方が逆になったバージョンなのかぐらいの印象でした。が!まったく違いました。材料や下地こそ同じなのに味付けが全然異なる。

簡単に説明するなら、『安達としまむら』の片思いしてる娘が安達でなくしまむらと逆になって、尚且つ、しまむらは鬼畜王ランスが女子高生になったような性格なのです(←なんだこの説明)。

『将来的に死んでくれ』

20

女子高生同士、菱川俊が同級生の刑部小槙に恋してる百合百合しいものなのだが、基本的に菱川のアクティブな恋心を小槙ちゃんはことごとく躱していくのを面白おかしく描いたものです。

とにかく片思い中の菱川さんがすごい。

菱川さんが次々と繰り出すジェットスクリームラブアタックが凄まじいとしか言いようがありません。とにかく攻めて攻めて攻めまくって来ます。「オフェンスの鬼」と呼ばれた流川楓もビックリのオフェンス力なのです。

会えば金を出して「やらせろ!」と言い出し、ホテルに誘うわ…。その猛攻に、読者も「こいつヤバイ(頭が)」と思わずにはいられません。完全にセクハラ案件じゃん!110番案件じゃん!

そうは言いつつ、どこか懐かしさを感じるのが菱川の良さ。というのも、会えば抱きつき肉体関係を迫って、好き好きって勇猛邁進なのって、80年代や90年代のラブコメ系主人公の性格なんです。横島忠夫が、諸星あたるが、冴羽獠が…女子高生になったようなキャラなのです。

セクハラっす菱川さん

今だと男がヒロインにボディタッチを仕掛けたりって行動取れば、「やれセクハラだ」とか言われるんでしょうけど、美少女が美少女にやると絵になるから不思議だ。

それを受けるクールビューティー小槙ちゃんのガードもすごい。

菱川が繰り出すラブアタックをガードをするのが小槙ちゃん。とにかく躱して避けてフラグを完璧にへし折っていきます。「ディフェンスに定評のある」と言われた池上もビックリのディフェンス力を見せてくれます。

まあ、そんなこんなでストレートど真ん中に「好き!」「LOVE!」「一線を越えよう!」と迫る菱川とそれを鉄壁の防御でかわしていく小槙ちゃんのやり取りをリズミカルに小気味の良い会話の漫才しているのが醍醐味のひとつです。

勢いもテンポも文句無しの楽しいギャグ漫画です。

しかし!しかしである!ギャグ漫画だけで収まらない百合っぽさが個人的にツボでもあります。なんつーか、全てのラブアタック避けるくせに小槙ちゃんからは隙のようなもが感じられるのです。これが最高のアクセントにもなってる。

ギャグ漫画なの?百合漫画なの?

私だったら初めては家が理想だわ

聞きましたか?奥さん!

はじめてはラブホより家が理想なんですって…。

1話で菱川がラブホへ連れ込もうとする中で、小槙ちゃんがサラッと言い放った言葉である。このようにディフェンスに定評がある小槙ちゃんでありますが、全て鉄壁の防御をしつつ、読者にも菱川にも「ひょっとして…?」を臭わせてくるのです。

このもしかして…?

って、菱川にも読者にも思わせてしまう撒き餌さがとても良いんです。

そもそも、百合漫画とか女の子同士で甘酸っぱい、読んでてて「はわわっ」「可愛い><」「恥ずかしい/////」というのを読者は求める中で、そういう側面が微塵も無いのに、それでも「ひょっとして?」がある。甘味が補充できる。

あれれ?ひょっとしたら?

ラブホに誘った時、「私同性愛者じゃないから」って断ればそれで試合終了だったのに、なんか意味深な含みを見せて断ったり、2巻では無視されてキレたり(押してダメなら引いてみる作戦)とか…小槙ちゃんの本心が意味深すぎるんですよ。

ぶっちゃけ、この漫画重く強いラブアタックかます菱川に致命傷与えればそこで「ジ・エンド」なんですよ。普通に男の方が好きだからなんて言えば試合終了なんです。しかし、小槙ちゃんは一撃で終わらせることができるのに、それを言わない!

これじゃ、菱川も読者も「諦めたらそこで試合終了だよ…」状態ですよ。小槙ちゃんの本心が、上手くはぐらかされてるのでわからないのである。本心から迷惑だと思ってるるのか、本当はまんざらではないと思ってるのか…。

目に見えるところでしか想像するしかなく、小槙ちゃんは迷惑で軽くあしらってるようでいて、実は…本心は…どーなんだって…、読者にも菱川にもぼかしてるので、ギリギリでギャグ漫画の面白さに加えて、百合漫画のロマンスがあるんです。

小槙ちゃんは何考えてんだってばよ

一見すれば、隙あらば求婚し肉体関係を迫ってくる菱川の攻撃を、つれなくあしらっているようでいて、「でも、ひょっとして?」「まんざらでもないのではないか?」って想像させるところを見せてる小槙ちゃんが絶妙なんすわ。

菱川のひとりよがりのようでいて、一番肝心な小槙ちゃんの本音を決して描かない。作者はよくわかってる。描かれないからこそ、小槙ちゃんの本心を隠すことで、ただのギャグ漫画で終わるところを、絶妙の百合漫画にもしている。すごいバランス感覚!

だから、これは菱川のひとりよがりなのか、それとも?…って想像する絶妙な感覚なのである。もちろん、ひとりよがりで自爆する菱川はバッカだなーって面白く読めるし、ギャグ漫画であるが、その川を被った百合漫画でもある(と思う)。まる。

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コメント

  1. 匿名 より:

    『将来的に死んでくれ ツイッター 凍結』で検索ぅ!!

  2. 匿名 より:

    この漫画を見つけるとは、さすがお目が高い。

  3. 匿名 より:

    最近3巻まで読んだんだがこのレビューが言いたいこと全て言ってくれてた
    素晴らしい作品です