近年の『ハンター×ハンター』は年に1回ジャンプに帰ってきて10話掲載(コミック1巻分)というのが連載スタイルです。今年は既に10話掲載してしまったので、続きは来年かなと踏んでますけど、新たなる燃料が投下されたので記しておく。
テレビ番組『アメトーク』でハンター芸人、ジャンプ展およびジャンプ26号の冨樫先生のインタビュー…と、冬眠中でもファンへ向けられた何かしらがありますね。訓練されたハンタ好きはこれだけでも「ありがとうございます!」でしょう。
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冨樫先生の設定のこだわり
自分は結構なけっこう設定厨なところがあるので『ハンター×ハンター』は最高に刺さる。
ジャンプが誇る設定作家といえば『ワンピース』の尾田っちが有名でビッグマム編では結局全ての子供が描かれることはなかったけど、尾田っちの中では全ての子供に設定があったりします。
100名を超えるビッグ・マムの子供たち全員のラフデザイン、名前、生まれた年、双子や三つ子、などの詳細な設定が、かなり早い段階で出来上がっていたことです。ハードな週刊連載のなかで、一体どうやったらあんな膨大で緻密な設定が作れるのか、とても驚きました。
同じように、冨樫先生も漫画内で描く事がない部分でも設定にはこだわってることがアメトークで語られてました。
キャラクターが登場していない間もわざわざ各キャラに時系列表を作っている。ゴンとキルアがグリードアイランド編やキメラアント編で戦っている時に、クラピカやレオリオはどこで何をしているとか、漫画内では描かれることはないけど綿密に決められて世界は回っているのである。
表で漫画内で描かれるストーリーが進行している裏で、実は他のストーリーも進行しており、しかも詳細に決められて時系列表まで作っている。しかも30人分(メイン4人以外にも作られてる)。
ヨークシン編では念能力を習得してなかったレオリオが選挙編で習得してたのも、おそらく勉強の合間に修行を頑張ったと思うんだけど、綿密に誰がこの時に何をしていると作りこまれてると知ると味わいがより一層増しますね。
ハンターの主人公・ゴン
ゴン
冨樫先生いわく主人公は「良い子」では無いと。
レジェンド作家SPインタビューでは以下のようにおっしゃってました。
最初はゴンを〝息子にしたいキャラクターランキング〟に食い込むような〝いい子〟にしたかったんです。でも連載1回目から…というか設定の段階で「あれ?違うな」と。育ての親を捨ててハンターという職業に就く、と宣言している段階で、もういい子と違いますよね。「こいつ、ほんとうにやべぇやつだな」と思いました
作者自らが「こいつやべぇー」って思いながら描かれる主人公。ロックです。
とはいえ、自分は初期のゴンは「いい子」の範疇だったかなって思ってますけどね。少年漫画の主人公っぽい、いかにもな能天気でも仲間思いで正義感強い少年って感じだったし。ガチのマジでゴンから「こいつ、ほんとうにやべぇやつだな」と思ったのはキメラアント編。
ピトーとの話し合いはすっげぇゾクゾクしました。どっちが善玉なのかすら分からんレベルで切れてました。こいつ頭がおかしいなって。逆にそこまでの「いい子」のゴンがあったからこそのギャプが光ったキチ〇イ言動でした。
また、冨樫先生は主人公がやべーやつだからこそ戦えるとも…。
やべえやつでなく〝まともなやつ〟を主人公にしてバトルを描こうとすると、闘うことに葛藤が生まれる(中略)
ゴンみたいなやつを主人公にしたことで、葛藤を描かなくて済んだのは良かったなと思います。
なるほどね。さすがは冨樫先生です!
「まともなやつ」が主人公だと闘うことそのものに理由が必要になってくると。きっちりと単純な善悪を分かりやすくすりゃ「正義のため~」なんでしょうけど、そんな単純な作品でないのが『ハンター×ハンター』の魅力だしね。
実際、常識人のクラピカなんて葛藤しまくってましたしね…。
〝まともなやつ〟は闘うことに葛藤が生まれる実例(117話)
幻影旅団は非情な冷酷集団と思ってたのに、パクノダとクロロと触れ合って自分の想像と違うことに迷いが生じて「本当にこれでいいのか?」と悩んでました。センリツからはクモが非情なだけの組織でない矛盾に気づかないフリしてるとズバリ。
「まともなやつ」を主人公にすると面倒くさいのである。
ゴンのようなやべえやつなつなら、単純にパクノダもクロロもぶっ殺して「仇取ったどー!」だったのかもね。ゴンが主人公で本当に良かった。常識人だと複雑怪奇なモノローグになっちゃうし。
まあ、主人公が約4年出てなく、面倒くさい「まともなやつ」のクラピカが主人公となってるのが今のハンターなんだけどな!
「好き勝手にやらせてもらってます」
今の『ハンター×ハンター』は冨樫先生の好きに描かてるそうな。
若い頃(幽遊白書?初期のハンター?なのか不明)は描きたいものと実際に描いてるものに齟齬があり、やりたいことにオーケーが出なかったと語ってました。つまり、描きたくないことを無理やり描いてたってことでしょうか…。
今やってる王位継承戦こそ、好きなよに自由に描けてると。
今描いてるシリーズは、傍から見るとすごい面倒くさいことをやってるように見えるかもしれませんが、僕自身は描いててすごく楽しくて。若いころは、やりたいことになかなかOKがでなかったので…。今、ようやく好きなことをやらせてもらえるようになりました。
今やってる王位継承戦のような複雑なエピソードこそ冨樫先生が昔から描きたかったものなのか。なるほどねぇ…。世間一般の評価は知らんけど、自分は大好きな部類で読み応え満載です。このまま突っ走って欲しい。
冨樫先生が挑戦というかリベンジしたいジャンル
冨樫先生が描く女の子は可愛い
『ハンター×ハンター』最大のキモは女の子が可愛いことである(断言)。
そんなの『てんで性悪キューピッド』からの常識ではありますがね。今の王位継承戦だけでもモモゼちゃん(故人)、カミーラ様、フウゲツ&カチョウの王子達。クモのカルトちゃん&マチ…とペロペロしがいがある子が揃ってます。
そんな冨樫先生が次に挑戦するジャンルというか、若いころの連載(『てんで性悪キューピッド』)が短期打ち切りになっておりリベンジしたいものがあるのだとか…。
(リベンジしたいもの)ラブコメです(笑)。ただ、もうそういうのも描く年齢でもないですし、絵は別の人に任せたほうがいいのかなとも思う。昨年は1つ原作をやらせていただいたんですが(『悪天ウォーズ』水野ハチ作画)、ほかの誰かが描くことで作品がよりよくなるなら、そこに何の抵抗もないんです。
朗報じゃん!
冨樫先生は次に描くならラブコメかなって!
『ハンター×ハンター』に登場する娘を見る感じ、別に作画を他に任せる必要もない(断言)!むしろ冨樫先生のラブコメ読みてー!『てんで性悪キューピッド』短期打ち切りだったかもしれんが、最高傑作だと声を大にして叫びたい!
あの頃から画力も話づくりも格段に上がった冨樫先生が本気で描いたラブコメ…めちゃくちゃ読みたい。自分で描いてくれ!まあ、それも叶わぬ夢なんですけどね。だから『ハンター×ハンター』内でやっちゃえばいいと思います。
なんたって言うのは自由、語るはハンター完結後の絵空事!
ハンター完結後かよ!
(ラブコメ描くとしても)ただ…それにはとにかく、『ハンター×ハンター』を描き切らないと。作品が終わるのが先か僕が死ぬのが先かみたいな感じになっているところもありますが(笑)、ちゃんと終わらせたいという気持ちはあります。
リベンジしたいジャンルで「ラブコメ」を上げながら、その為にはハンター完結させなくてはいけないと。
大朗報じゃん!
次に描きたいジャンルにラブコメを上げるのも最高なら、そのためにはハンター完結させなきゃいけないって。少なくとも冨樫先生はハンターを終わらせる気がある。
ちなみに、ハンターは既に最終回を迎えたって捉え方でもあるとか。
ハンターは一旦終わらせた
1話
ゴンの夢はプロのハンターになって父親に会うこと。
1話で立てた目標はすでに334話で達成されてます。同時、この漫画のテーマの「結果」よりも「経過」の方が大事、欲しいものは後からついてくるのアンサ-であっさり風味でした。
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つまり、ゴンの冒険…『ハンター×ハンター』は完結してるという解釈も可能です。それが冨樫先生自らも述べるところ。
ゴンがジンと会った時点で、1回終わらせてる、とも言えるんですよ。読者の中でも「あそこで終わりだったろう?」と思った人もいると思いますし、そういうつ作りにしてます。でも流れとしては断ち切れてないつもりなので、まだ続きはあるんだよということを見てもらいたいなと。
もう『ハンター×ハンター』は完結してると解釈も可能なのです。
それでもストーリーは途切れずに続いてるという見方も有り。
冨樫先生が何の作品を指してるか知りませんが、「この作品はここで終わった方がいいのではないかと思ったこともありましたし、それでも続くと怒りを覚えた」と語るぐらいジャンプは綺麗に終わらない事に定評がある。
冨樫先生の『幽遊白書』も相当終わり方がアレだったし…。
戸愚呂か仙水で終わらせておけば綺麗ではあったよね。自身の過去作に対する怒りかは定かではありませんが、「ここで終わった方が…」という読者としての観点は捨ててないという冨樫先生。
『ハンター×ハンター』は、ゴンとジンが出会ったところで途中下車も可能で一応の最終回を描いており、まだ先を読みたい人は「これからもよろしく」と。
まだだ!まだ終わらんよ!
ジャイロとかまだ描き切ってないよな(204話)
(読者としても)まだ先を読みたいなという部分があるんですよ。作者としての自分から、まだ描くのを楽しめる部分、まだ描きたい部分が残ってる。
自分を読者としての立場、作者としての立場から見ても『ハンター×ハンター』はまだ先が楽しみで楽しめると語るのでした。
実際、ゴンとジンが出会って終わりでも綺麗っちゃ綺麗だけど、未回収の部分は多いからね。幻影旅団とクラピカ関係は今の王位継承戦で回収すると踏んでますけど…。
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暗黒大陸の本を執筆したフリーク性(ゴンの先祖)だとか、ゴンと出会わなかったことが幸か不幸か不明のジャイロについてとかは描き切って欲しいです。まる。
コメント
>ほかの誰かが描くことで作品がよりよくなるなら、そこに何の抵抗もないんです
これは意外だなぁ
冨樫先生はできるだけ作品全体を自分で手がけたいタイプかと思ってた
「冨樫先生が描く女の子は可愛い」で挙げられてる4人のうち2人が男の子なんですがそれは…
キャラクターの顔は作家自身が描かなきゃダメ、って言ってた気がするけど
もろ奥さんが描いた絵って結構出てくるし
信用する作家であれば本当に抵抗ないんだろうな
とりあえず似たような絵を描ける人が冨樫先生の言う通りにハンターを仕上げて、冨樫先生が描けるようになったら完全版として書き直すのではダメなのですか?
でも読者の中にはそこで終わっとけば…の続きが見たい人だっているんですよね。まあインターネットじゃそういう人たちは悪者扱いされて叩かれるんですがね。
原作に専念すればハンター毎週掲載できるというのなら絵が冨樫先生じゃなくても良い
本誌のキメラアント編じゃ困るけど、王位継承編は本誌の時点で結構描きこんでる。
頑張るのであれば今の一話にかける労力を若干抑えてストーリー進めてほしい。
アメトークは残念でしたね…ネタバレはある程度しょうがないとしてもカイトピトーの下りとか説明下手にプラスして魅力語るならそこじゃない感が凄かったです…
あっちが神なら、こっちは女神だとよ!
冨樫先生が書かないと、その良さが出ないんじゃないかと懐疑的です。けど、ワンパンマンは素晴らしいからな。
でも、ネテロの表情とか、ゴンの闇はかけないような気がする。
ヤマカムさん、見ないかもしれませんが共有します。
山田玲司先生が漫画家目線で、冨樫先生を分析して理解した話をしています。
すごい説得力なので、お暇なときに見て、感想とかあげてくれたらと。
ttps://www.youtube.com/watch?v=iFitQQHXoLI
タイトル:冨樫義博が読まれる理由 ~ 『HUNTER×HUNTER』がなぜ騒がれるのか?山田玲司がズバリ解説
今年はもうないのか、と思っていたHunter×Hunterが意外なほど早く再開されたので、最新ハンター記事へのコメントの準備をさせていただきますね。
フーちん殺されかかってた!
最も暗殺向きとかいう能力者に最初から狙われてたとは!
でも回避できたので、これで今後も生き延びるフラグは立った!立ったはず!
……と思いたい。
いや、今でもいちばん死にそうな状況なのは間違いないんですが。